茫洋のかなたよりのメモ

28回生  嶋田 武夫

 「第3回全関東高等学校蹴球選手権大会プログラム」 期日26年11月23日〜25日‥‥“あった!” 1日がかりでさがした甲斐があった。
全関東の強豪16校の中に、わが湘南高校の名がみえる。メンバー、監督岩渕二郎、GK大枝孝夫、RB柳川明信‥‥‥なつかしさがあふれる。第一戦、千葉一高に快勝したが、第2戦真岡高に惜敗のくやしさが昨日のように思い出される。
重なり合って黄色いシミだらけの合宿通知や、私が初めての対外試合の対セントジョセフ戦で顔面を蹴られて、怪我をしたときの小田島、近藤先輩からの激励と見舞状は出て来たが、肝心の戦績記録は、遂に出て来なかった。申しわけない。度重なる転勤で資料紛失したものと思われる。顔面の傷跡とこの激励状が、その後の大学、東大LB、東京キッカース、郵船等30年にわたるサッカーと人生にどれほど大きな励みとなったことか。
合宿通知。昭和26年8月16日〜22日。食費算¥500−。米3升5合、箸及び毛布持参。当時の苦しい生活がしきりに思い出される。『ボールを持っている者は持参のこと。』 そうだ。夏休みには、ボールを家に持ち帰り、破れをつくろい、近所の海岸でドリブルの練習をしたものだ。物質的には、最低だったが、精神は豊かであった。現在の恵まれたサッカー界にあっても、わが母校が再び栄光の座につく日の遠からんことを祈っている。