中さんのメモ帳

2007年11月14日横浜にて撮影

1
「現役情報」 2012.1.22
2
「スケッチと現役情報・他 」 2012.2.12
3
「スケッチと現役情報(卒業生)・他」 2012.3.4
4
「文武両道」  2012.3.25
5
「なでしこに思う」 2012.4.9
6
「ガンさんの墓参り」 2012.5.1
7
「水彩画を描く喜び」 2012.6.6
8
「相川亮一氏を偲ぶ」 2012.7.1
9
「1969年アジアユースサッカー大会メンバーの集い」 2012.8.1
10
「2012・夏休み情報」 2012.9.1
11 「2014/W杯・ブラジル大会」 2012.10.1
12 「100周年記念に向けて」 2012.11.1
13 「2012年の総括」 2012.12.1
14 「年頭の挨拶」 2013.1.1
15 「高校サッカーの行方」 2013.2.1
16 「世界のサッカー」 2013.3.1
17 「新年度を迎えて」 2013.4.1
18 「新年度を迎え・NO2」 2013.5.1
19 「時の流れ」 2013.6.1
20 「スペイン遠征」 2013.7.1
21 「選手権一次予選突破」 2013.8.1
22 「夏休みの活動状況」 2013.9.1
23 選手権大会2次予選敗退 2013.10.1
24 「データーの分析 」 2013.11.1
25 「ブラジルW杯」 2013.12.1
26 「新年を迎えて」 2014.1.1
27 「書初め」 2014.2.1
28 「スケッチ・グリーンハウス・大船観音像」 2014.3.1
29 「新年度を迎え」 2014.4.1
30 「シーズン開幕」 2014.5.1
31 「世界のサッカー事情」 2014.6.1
32   「ブラジルW杯観戦ツアー」 2014.7.1
33  「現役の報告」 2014.8.1
34  「老いについて」 2014.9.1
35  「全国高校選手権大会二次予選」 2014.10.1
36  「サッカーシーズン」 2014.11.1
37  「サッカーシーズン・2」 2014.12.1
38  「新年を迎えて」 2015.1.1
39  「2015・スタート」 2015.2.1
40  「サッカーシーズン開幕」 2015.3.1
41  「第67回・筑波大学付属定期戦」 2015.4.1
42  「関東大会予選始まる」 2015.5.1
43  「新年度1年生」 2015.6.1
44  「最近の楽しみ」 2015.7.1
45  「U18・県サッカーリーグ」 2015.8.1
46  「第8回・UAチャレンジカップに参加」 2015.9.1
47  「全国高校選手権予選・2015・9・20」 2015.10.1
48  「湘南ベスト8で敗れる」 2015.11.1
49  「傘寿記念ゴルフ大会」 2015.12.1
50  「新年を迎え」 2016.1.1
51  「高校サッカー」 2016.2.1
52  「スペイン遠征」 2016.3.1
53  「卒業記念試合・卒業生・OBコーチ」 2016.4.1
54  「シーズン開幕」 2016.5.1
55  「武士の心と自然体」 2016.6.1
56  「温故知新」 2016.7.1
57  「現役情報」 2016.8.1
58  「OB・古希・還暦のお祝い」 2016.9.1
59  「OBの近況」 2016.10.1
60  「高校選手権2次予選」 2016.11.1
61  「懐古 … 一休み」 2016.12.1


「中さんのメモ帳・NO61」



懐古 … 一休み                 2016・12・1

 表記の記念品は私の宝物である。この12月は、日本サッカー界総決算の時期である。具体的には、第96回天皇杯決勝大会、第65回大学選手権大会、そして第95回全国高校選手権大会・本大会である。何れも暮れから正月にかけて開催される。上の写真は、私が65年前に東京都代表として、都立豊多摩高校が参加した時の物と、湘南が42,44,66回大会に神奈川県代表として参加した記念品である。尚天皇杯は1957年・広島大会に私が教育大学時代,茗友クラブ主将として参加した記録と合わせ、その前年1956年・大学選手権大会で優勝した記念のプログラムが残っている。自分が経験した60数年前のサッカーと比較して今のサッカーは確かに上手くなった事は認めるが、日本のサッカーは本当に進歩、発展しているのだろうか。大きな疑問を抱いている。2002・日・韓共催W杯大会に来られドイツ協会のバッジを戴いたクラマーさんが生きていたら何と言われただろう?このメモ帳も随分と長くなったのでこの辺で一休みして次に進みたいと思っている。湘南サッカーのOB向けの物であるのでいろいろ考えさせられる。只こういう文章も世界に発信されるのであまり無責任なことも書けない。ここで一息入れて来年春に再出発するつもりなので、多くの方の意見を聞かせて欲しい。宜しくお願いします・・


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 中盤で相手ボールを奪う事、そしてマイボールを不用意に失わないことの重要性を対サウジアラビアとの代表戦で改めて思い知らされた。
中盤で相手ボールを奪ってからカウンターでの速攻は、得点となる確率は間違いなく高いパターンだ。
中盤での相手ボールの奪取は、味方との連携と次の局面の“ヨミ”がなければ難かしい。当然、中盤選手に求められる運動量は多くなるし、ゲームを通じての集中力が必要だ。そしてルーズボールの競り合いで当たり合ったときのマイボールとする技術と強さが大事な要素となる。
中盤で折角カウンター出来る良い形でマイボールとしても、速いドリブルでの進出や“タテパス”を入れることが出来るトップやサイドの動きがないため、フリーになっているバックラインへバックパスが多いようではゲームに勝つことは難しい。サッカーはある意味ではボールの失い方のゲームでもある。

「追伸」
 (一休み)するに当たり、この「メール通信」のこれまでの流れを少し書いておきたい。スタートは2001年、OB会のHPに何か現役の状況報告をと云う事で、サンデー毎日で、足?くグランドに顔を出す私が何かを書こう、と云う事になり「中さんの、メール通信」がスタートした。約5年で50回、2009年から「続中メール・50回」、そして「中さんのメモ帳・60回」で、この12月を迎える。大分足腰も弱り、寒くなって来るとグランドに顔を出すことも少なくなって来た。そこでこの辺で一休みして暖かくなってから、再出発を考えている。この機会に何かご意見、ご要望があれば、OB諸兄姉のご意見を是非お伺いしたいと思う。(一休み)はどの位になるのだろう?
 s-cyu@m6.gyao.ne.jp  このアドレスまでお聞かせください。 
「中さんのメモ帳・NO60」



高校選手権2次予選                 2016・11・1

 上の組み合わせ表の様にベスト8が10月に決まり(公立では厚木北・座間)、11月13日には神奈川県の代表が決定する。湘南は一次予選の最終戦で秦野に敗れ涙をのんだが、決して力が無いわけでは無かった。そんな言い方をすると負け惜しみに聞こえるが、高校生のチーム力はそれ程の差はないと思う。
只最近の傾向で私学が強いと世間では思われているが、この組み合わせ表でも分かるように、夏の総体に出場した第一シードの横浜創英、と慶応が共に敗れ,公立校が32校のうち15校と約半数が上がって来たのを見ても、まだまだ公立でも勝つ可能性は十分にあると思う。
 先日県のB級の指導者講習会の講師を頼まれ話をしてきたが、これからの大きな課題である、高校(学校体育)とJリーグユース(社会体育)の共存と発展という課題を再度、どう解決してゆくかが大きな問題だと考えられる。
さて最近の子供達のサッカーを見ると一昔前私が口を酸っぱくして言ってきた、正しいキック、正確な止め方、足首の固定、正しい立ち足の置き方、スイングの方向etc、こんな言葉は死語になったのだろうか?確かに上手くなったと感じるが試合で通用するだろうか?疑問に思うことが沢山ある。このことは日本代表ユースの選手にも感じることであり、再度真剣に取り組まなければならない時期に来ていると思うのは私だけだろうか?


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 オーストラリヤ代表チームのゲームを進めるやり方の変化には驚かされた。監督の目指すサッカーなのだろうが、ロングボールを多く使って高さと個の力を活かそうとする従来のスタイルから、短いボールを多くつなぎ密度の高い、丁寧な攻撃スタイルに変わっていた。
過日、メルボルンでの対日本戦は、両チーム同じスタイルの闘いとなり、サイドの使い方に勝る日本にゲームを失うところだった。個の強さや特徴を前面に出し、野性味を感じるスケールの大きなオーストラリヤのサッカーに個人的には魅力を感じていたが、この変化をどう評価しているのだろうか?
専門的な何人かを含め“近代的な質の高いサッカーに進歩しようとしている”との声が私の周りにはあったが、どうだろうか。今年のイングランドリーグを“とにかく守り抜き、パスの6.9%を前方に向けたロングパス”で勝ち取ったレスターのその後の評価は一向に聞こえてこない。
「中さんのメモ帳・NO59」



OBの近況−水害のお知らせ              2016・10・1

 このコーヒー・カップは数10年前のOB44回生・分田真君(ぶんでん・まこと君)の作品である。彼は大学を卒業後九州の釜元で長年修業を積み重ね、現在の東北岩泉町で(亜久亜工房森水窯)を中心に活動してきたと聞いている。
その後会っていないが今回の東北の水害で直接災害にあったと報告を受けた。サッカー部のOBにも変わった生き方をしているのが何人もいるが、それぞれの分野で活躍しているようだ。今回このような報告を受けたので是非OB諸氏の多くの方にカンパ応援をお願いしたいと思う。副会長の相羽君のお願いの文章にもある様に是非協力して欲しいと思う。
湘南高校のOBは一流大学を出て実業界、政界・官界、等で活躍し,ごく平凡に生きて行く方が殆どであるが、中には上記の分田君の様に芸術の道を歩む、音楽家、画家,等もかなりの数がいるようにも思う。それには色々な理由が考えられるが、長くおられた音楽の鏑木先生、や絵画の沢先生等の影響があったのではなかろうか。古い昔の教員の勤務制度は、数十年も同じ学校に勤務することが出来た。古き良き時代の産物であろう。私も28年間湘南一筋だった。何か良いものを残せたのか?疑問ではあるが・・・


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

1.2016年7月25日の朝日新聞のスポーツ欄にあった小さな囲み記事 (野田枝里子氏)は今更ながらサッカーは人類最大のスポーツであることを思わせた。記事はこんなものであった。
「Jリーグは英国のパフォーム・グループと契約し、来年から10年で総額
2100億円の放送権料が流れ込む。各クラブへの分配金も増える」と日本サッカーもひょっとするとヨーロッパ並みの見るスポーツ文化として進化する予感が強く起こった。ヨーロッパ選手権で展開されている観る人々の心をときめかすゲームは、まさに文化である。Jリーグスタート時、世界の名監督や名選手達の多くが日本に目を向けたのは事実である。Jリーグが世界のプロサッカーマンの憧れの場になることを祈りたい。

2.ハリル指揮官の大きな方針の一つに“相手ボールに対しては,烈しいプレッシャーがかかる1対1の決闘をする、と云うことがあるはずである”。基本はあくまでも1対1の戦いであろうが特に中盤で連携のある烈しい積極的な相手ボールの「つぶし」が殆ど見ることが出来なかった。
選手の多くが練習不足からか、そんな多くの運動量とゲームを通しての集中力の維持が出来なかったのだろう。マーク相手に渡されるパスに対しての寄せのおくれや甘さは味方守備のくずれの起点となる。
イタリヤ、インターミラノでプレーしている長友選手が語っているように、そんなプレーをすれば味方選手から“何をやってるんだ”と叱咤の大声が直ぐ飛んでくるレベルは代表チームにも絶対に必要だ。
来るロシアでのワールドカップ出場は当然のこと、上位進出を目指して本番スタートした2ゲームは練習ゲームの雰囲気を感じてならなかった。予選を競う諸国との実力差がそれ程あるのだろうか。
多くの選手が、ヨーロッパの一流チームのプレー。個の持つ良さを周りが引き出してくれているのではと思わざるを得ない
「中さんのメモ帳・NO58」



OB・古希・還暦のお祝い                     2016・9・1

 表題のお祝いが8月のOB会で開かれた。この「古希40回、還暦50回」中心に50数名の参加者があり、楽しいひと時を過ごした。上の写真はその時に贈った私の下手な作品であるが、文字についての説明は省くとして,教え子達の多くが70歳を過ぎるということで、80歳を過ぎたわが身のこれからの生き方に真剣に思いを馳せる今日この頃である。一つだけ名前の上にある「独楽」について補足すると、何事も「バランス」を取りたいのが、私のサッカーであり、生き方であり、人生である事を表現したつもりである。詳しい説明は省くが米寿を目標に、頭と体のバランスが取れた生活を続けて行きたいと思っている。
さて真夏の祭典「リオのオリンピック」が終了した。日本のサッカーは影も形もなかったが、ネイマールのブラジル優勝で全て大成功だった。それにしても日本は見たこともない個人種目や、女子の活躍ばかり目立ち、日本サッカーはどうすべきか考えさせられた17日間だった。年寄りのこの暑い夏の楽しみは、クーラーをかけた部屋でのテレビ観戦の甲子園の高校野球であった。毎年思う事は炎天下の高校野球も間もなく昼の暑さを外してナイターの時代が来るのではないかと思っている。そしてさらに思う事は、あのPL学園の野球部が廃部になると云うことなど、歴史の流れを考えさせられる事が多かった。


「現役の皆さんへ  OB・41回 伊通元康」

 わたしが湘南高校でサッカーを始めたのは1963年でした。翌年の64年には東京オリンピックが開催され日本はベストエイトとなり、つぎの68年のメキシコ大会では銅メダルに輝く成果をあげております。日本サッカーの黎明期ともいえる時代に湘南高校でサッカーを続けることができ、また現在もシニアサッカーに浸っていられるのも中先生のご指導の賜物と思っています。3年生のときに先生の戦術のおかげで関東大会では優勝することができ、よい仲間とよい経験をさせていただきました。
ところで、今年も含めて4回ほど現役の夏合宿を先生と同期のA君と見学する機会がありました。現役の皆さんは当時のわたしたちとは比較にならないほど技術的にも優れていると感じました。ただ、スピリッツの面ではどうでしょうか。一人ひとり考えてみてください。老害になりますので細かいことは述べませんが、湘南高校でのサッカーを元気よく悔いなくやり遂げてほしいと思います。そして、よい思い出を皆さんで共有できることを願います。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 色々なスポーツの戦い方で“攻撃は最大の防御である”と云われている。
確かにそうかも知れない。しかし試合で主導権をしっかりと奪えればの話ではなかろうか。リオ・オリンピック開幕第1戦でその感を益々強くした。代表チームはGKと最終ラインは、日頃考えられぬような軽い守備のプレーを何回も繰り返し、ゲームを完全にくずしてしまった。
守るゴール前でのクリヤランスの局面では、少々無理な体勢からも、しっかりとボールをアウトできるのがGKやCBの技術の柱であろう。CBやSBの命となる相手ドリブルに対する寄せの技術は、相手のフェイント切り返しにどれ程間隔を拡大されずに付いて行けるかだ。オリンピックは若手を鍛える大会と割り切るのであれば良い大会であったかも知れない。
「中さんのメモ帳・NO57」



現役情報                     2016・8・1

 冬の全国高校選手権大会1次予選は既に報告されているように、最終戦に秦野高校と闘い0−0のPK戦で敗れた。3年生はまだリーグ戦が残っているので9月まで続ける者もいるようだ。この夏休みにもう一度サッカーに集中することは、一生の宝物になるのではないかと思う。グランドで直接指導していない人間が云うのではあまり重みがないと思うが、湘南高校3年生の夏に経験した事は、これからの人生において決して後悔することはないと信じる。下級生は来年を考え、どうすれば神奈川の代表になれるのか、真剣に取り組んで欲しい。
さてこれからの日本のサッカーはどうなるのだろう?無計画のままサッカー人口はうなぎのぼりに増えていく。何十人、何百人、を抱えた高校、大学、のサッカーマンがこの先はどうなってゆくのだろうか?そんなことは心配しても、なるようにしかならない。上はJ1,2,3,・・・ふと気が付くと新しいタイプのリーグ戦が出来ている。これも私には想像もしていなかった世界だ。
只何か手を打たなければ駄目だとは思う・・・傘寿を過ぎて尚思うのは、日本のサッカー界は“転機”に来ている・・・・、そんな気がしてならない。オリンピック・ブラジル大会、ワールドカップ最終予選、どんな結果になるのかゆっくり見させて頂こう。良い結果を期待したい!!!


「現役とOB 48回・関佳史」

 OBは1044名いる。公式戦の結果を約500名のOBに配信している。得点経過、怪我人など詳細に書くので、HP、SNSは利用しない。戦績メールがあるので、卒業後も繋がっている。HPの充実も大きい。そして、スペイン遠征が始まって現役とOBの関係は近くなってきた。
昭和11年から64年までは、6回選手権に出場した。平成に入り、学力でもサッカーの戦績でも私学が優勢になっている。平成16年にスペイン遠征を始め、その後全県学区になって、勉強もサッカーも全力でやる生徒が湘南を目指すようになった。選手権の二次予選までは連続して出場できている。これを継続していくことで、県の代表となる可能性が高まる。2021年には創部100年を迎える。湘南の生徒の特長は、100年前と比較してさほど変わっていないと思う。学習能力、集中力、判断力の高さなど自分たちの強みを意識して、毎日の練習に励んでほしい。
関佳史(湘友会横浜支部長) プロフィールは、Wikipediaで検索


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 Jリーグを目指す四国今治FCの元日本代表監督、岡田武史さんの発言である。“少年サッカーはボールになじませるよう、云わば遊びの中でやっていれば良いと考え勝ちだが、それは違うのではないか。ジュニアユース年代から攻守の戦術を含めた基本プレーをもっとしっかり身につけさせねばならない”全く同感である。例えばキックである.全くフリーで何のプレッシャーも受けない状況では、スピードもコースも素晴らしいボールが蹴れる選手が、ボールに寄りながら、相手と競りながらとなると全く別人のごとく生きたボールが蹴れないケースを良く見る。いくつかの有名高校の練習を見学させて貰ってその感を増々強くした。また相手ボールにプレッシャーをかけると云う技術の基本となっているのは“寄せ方”であろうが、なかなかその優れたプレーにお目にかかれない。
少なくとも局面に応じて寄せ方は全て違ってくる。選手の戦術眼がそこには要求される。寄せればドリブルとパスで抜かれるから、ひどい場合は“前に立て”と指示されている。それでは守備の連携は始まるはずがない。
何より重要な事は、練習で選手が意識を持って挑戦“することだと思う。楽な方のことを選びがちの選手を如何に”挑戦“に向かわせるかが指導者の最も難しい仕事ではなかろうか。
「中さんのメモ帳・NO56」



温故知新                     2016・7・1

 湘南の現役の試合は、総体二次予選では1回戦で敗退したので、冬の大会は一次予選から臨むことになった。7月18日、23日、25日に行われ、勝ち上がれば、10月末二次予選で戦うと云う、非常に厳しいスケジュールとなった。
表題の「温故知新」古きを尋ね、新しきを知る。年のせいか、最近古いものをもっと大事にしたいと思うことがしばしばある。あるOBに、子供達に正しいキックを教えるのはどうするのですかと質問を受けた。私が逆に聞きたい。今はどう教えているのか?どうもはっきりした答えが聞けない。インサイドキック、インステップキック、インフロントキック、トウ・キック、チョップキック・・
立ち足の置き方、方向、足首の固定、キックのスイング、等々・・今はそんなことは教えないらしい?どんな蹴り方でもよい、あそこに行けば良いと云う事らしい・・・あのクラマーさんが口を酸っぱくしてグランドで大声を出して怒鳴っていた「足首の固定・・」を強調していたのが懐かしい。最初に日本代表が合宿をした時の宿舎がこのスケッチにある善行の体育センター・グリーンハウスだ。次のオリンピックを機に多くの古い建物も保存されるらしい・・思い出多い建物である。大事に残してほしいと、心から願っている。尚今は教育センターになっている場所は、その頃サッカーコート(芝とクレー)であった。


「湘南高校サッカー部一年・榮田大」

 私達一年生が入部してから数ヶ月。今年の一年生は選手権でベスト8になった先輩の姿を間近で見ることはできなかったが、その思いは現三年生に受け継がれているように思う。関東大会ではベスト8に入り、その意志を結果にして表現された。とはいえ、目指している場所はそこではない。そんな気持ちが一人ひとりから伝わってくる。もう目標に挑戦する機会はあと一つとなり、残された時間も少ない。
そんな中、一年生にも多くのチャンス、練習時間を与えてもらっている。さらには、顧問の先生方、OBコーチ、トレーナー、WACの方々の手厚い指導やOB会の多大なる支援と、入学以前の想像を遥かに上回る恵まれた環境でサッカーをさせていただいている。このような環境や一年生をチームに受け入れてくださる上級生に感謝しつつ、湘南高校サッカー部として、学年の枠を超えてチームの力にならなければいけない。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 キリンカップの2ゲームは、これまでの代表チームの戦い方とわずかかも知れないが変化を感じた。特に攻撃に関しては、その局面に係わる選手の距離間隔の適切さ、リズムの変化の良さ,高い連動性などが目立った。対ブルガリヤ戦での多くの得点の局面にしろ、対ボツリナ・ヘルツエゴビナ戦での先取点での局面は何かが芽生え始めたように思う。個性がプレーにはっきり表現されていた。
これは一朝一夕にして修正できる事ではないが、日本選手はうまいけれどプレーがとにかく軽いと言わざるを得ない。攻撃となった局面で相手との接触でルーズボールの状況になった時、相手ボールとなってしまう確率が高過ぎる。相手チームの絶好のカウンターのチャンスとなってしまう。そして、昔から求め続けられていることだが、大きなテーマの一つは、やはり優れたCBが出て来ないことだ。このキリンカップの2ゲームもCBの不安定さは出ていたのではないか。思い切って、CBにもう少し違った角度からの能力の高い選手の登用は、あり得ぬことなのだろうか。CBは上背の高さを、まず第一条件と考えてしまうが、上背を少し犠牲にしても寄せの速さと,寄せのうまさをもち、ルーズボールの競り合いの強さを持ち、そしてランニングのスピードを持つ選手だ。かってイタリヤ代表だったカンナバロのことを思う。カンナバロは決して上背のある選手ではなかったが、相手のパスカット率は図抜けて高く、危険なボールのブロックのプレーは群を抜いていた。キリンカップの2ゲームは来る9月のW杯最終予選へ、どうつながるのだろうか。選手層は間違いなく厚くなっている。
「中さんのメモ帳・NO55」



武士の心と自然体                     2016・6・1

 11人の心と書いて“志”と読む。今は亡きクラマーさんが、サッカーは11人のサムライが心を一つにして戦うスポーツだと云っていた。このことを話してくれたのが故人となった「長沼健さん」だった。その時に何故か「湘南や、小石川(旧制都立五中)が強くならなければ駄目だよ」。と云われたのが心に残っている。私は戦後間もない頃、父が勤めていた「小石川高校」が、東京都の大会で冬の選手権大会に優勝して代表となり、西宮にコマを進めた時に応援に行き、サッカーをやろうと思ったのがサッカーとの最初の出会いだった。あのクラマーさんと重なるのが亡き父である。剣道八段範士、知る人ぞ知る、関東の小天狗と云われた小兵の剣士だった。父について思い起こすと、直接指導を受けた記憶からも確かに名人と云われた数少ない剣士だったと思う。
表題の父が書いた“自然体”にあるように、剣道の構えと足の運びは、歩み足で、力の抜けたフットワークを心掛けていた。生前、伊豆の河津にあった父の剣道の道場で、遅くまで話をしていた際サッカーの足の運びも剣道の足さばきも同じだと云う事を教わった。その時一緒に酒を酌み交わしたのが,今は亡き落語家の柳家小さん師匠である。小さん師匠については又の機会に書きたいと思う。


「海外生活から見た湘南サッカー 52回 志水 利彰」

 私はこの4月に2度目の北米での駐在から帰国しました。インドアサッカーの日本人チームで 様々な地域出身のチームとリーグ戦をした体験や 世界各国の色々なカテゴリーの試合をTV観戦した経験から湘南サッカーについて考えてみました。先ず感じるのは サッカーではそれぞれのバックグラウンドが明確にプレーに現れるという事です。これは代表チームの試合でもインドアサッカーのOver30の試合でも言えます。湘南のサッカーについてもそれが言えるのではないでしょうか?私は頻繁に見てきた訳ではありませんが 時折見てきた印象では湘南のサッカーは(私の時も含めて)ずば抜けた選手はいなくても全員でしっかり守ってチームで勝つ という共通の理解の上にその時々の選手の個性をプラスするというサッカーでしょう。これは湘南高校という共通のバックグランドから出来てきたものでしょうが 強味にもなり時には弱みにもなると思います。現役の皆さんにはこの湘南サッカーの強味を十分発揮出切る様に自分達のプレーを磨いて行って欲しいと思います。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 日本代表岡崎慎司選手が所属するイングランド・プレミヤリーグ・レスターがこの半世紀の世界サッカーの進歩を否定するようなレスター流スタイルでリーグを制した。レスターはゲームでロングボールを使ってのパスの割合が6,9%とプレミヤで第1位。ボールキープ率はリーグで3番目に低いと云うことが発表されていた。肝心な、選手の攻守で距離のあるスプリントに関するデータは分からないが、テレビ映像を見ても極めて多いに違いない。攻守に労を惜しまない全員の労働量と球際の頑張りのシーンがとても印象的であった。カウンターアタックからの得点の源泉だった。
ゲームが勝っても負けても試合後のミーティングでは“守備の反省”を語る岡崎選手の言葉がラニエリ監督の目指すサッカーの全てを語っている。
トップはボールを持って攻め上がる相手ディフェンダーを追いチェックし、中盤の闘いでは相手ボールを連携して囲い込み、そして最終ラインは決定的な相手クロスの出鼻やシュートに対して深くて速いスライディングタックルを繰り返した。相手チームの攻撃の自由を少しでも奪い、相手選手の持つ技術を巧みに発揮させない積極的な守備をラニエリ監督は見せてくれた。
「中さんのメモ帳・NO54」


試合前・全員へ先生の指示

シーズン開幕                     2016・5・1

 関東大会予選が始まった。生田高、金沢高、多摩高に勝って、ベスト16で夏の総体のシード権を勝ち取った。試合内容については、報告されているので省くが、今年のチームも期待できそうだ。嬉しい報告をこれからも沢山出来ると良いのだが?雨の中、応援に39回小杉、42回相羽、43回加納、48回関。古いOBが来てくれる。皆全国大会、関東大会の経験者だ。そして多くの保護者サポーターも来てくれた。本当に有り難たいことだ。これからもよろしくお願い致したい。
さて今日は少し技術の内容について触れてみたい。基本的には先ず守れるチームでなければ上には上がれないだろう。絶対信頼できる4人のディフェンダーとGK、読みの良い中盤の選手がいて、前に個性のある俺に任せろと言うメンバーが揃えば優勝も夢ではないと思っている。その為には沢山の技術が必要であるが、私は先ず正確に蹴る「インステップキック、とインサイドキック」が第一に挙げられると思う。そしてそのボールを「正確に止める技術」があればベストであろう。と簡単には言うが、止めることと、蹴ることが本当に出来ているだろうか?いつも先輩の「三村さん」とサッカー談義で尽きないのがこの「技術論」だ。私が確信をもって言いたいのが現代サッカーでも「正しく蹴る事、止める事」が一番大事であると言う事だ。グランドの横で「よーし!」と言えるキックの正確さと、質の良いボールの動きを何回見ることが出来るか、楽しみにしている。


「サッカー部OBスペイン遠征・帯同ドクター 43回生 加納正道氏」

 3月25日から4月4日まで湘南高校サッカー部のスペイン遠征にOB兼医師として帯同しました。スペインでの指導は竹谷先生の言葉を借りれば「特に変わった事はなく、同じ事をしてもスペインのコーチから言われると効果的で 普段指導していることの確認」でした。強調されたのは ボールを取ったらワイドに開いて攻める。取られたら相手がワイドに広がる前にプレスをかけてボールを奪い取る。ボールが来たらまずトップを見る。逆サイドを意識する などでした。また人口1万人前後の町や村にも立派な屋根付きのスタンドのある人工芝のグランドがあり、多くの住民が我々の試合の観戦に来ているのは羨ましかったです。怪我の対応としては、試合中右手首の骨折があり、グランドで応急処置をして市内の病院へ行き治療してもらいました。またビルバオの練習場内には診療所があり、試合で大腿部を打撲した選手は 医師に超音波で筋肉内出血の診断を確認してもらいました。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 アジアの二次予選で選手の実戦での資質見極めやいくつかのシステムでの選手の組み合わせの良否テストを終わる。9月からWカップ出場権の最終決定リーグを迎えることとなる。旨さやシステムでゲームを勝てるなら、こんな楽なことなし。余程、力に差がない限り勝負を決めることのできるのは、やはり高さ、速さ、強さだろう。それを実現させるのが、選手の持つボール技術力であり、戦術眼であり、集中力だ。ゲームで制空権をとることは、勝負に大きく効いてくる。二次予選はそのことをよく示していた。制空権をもう少し取れていたなら得点は、倍増したに違いない。上背と云う点では日本は決して高くはない。しかし代表選手の持っている技術の中で最もプアーなのはヘッディングの技術だ。
インテルミラノの長友選手は云う「寄せが少しでも甘くなると,味方から「何やってんだ、と厳しい声がすぐとんでくる」ハレル監督の常に求めている「ボール際の激しい闘い」はこの寄せの速さ烈しさなくしては始まらない。
「中さんのメモ帳・NO53」



卒業記念試合・卒業生・OBコーチ                2016・4・1

 3月6日に卒業壮行試合が行われた。丁度大学入試の結果待ちの時期である。
思い出多い3年間が終了し、それぞれが次の生活に巣立って行った。高校サッカーは一生に一度しか経験出来ない貴重な3年間であり、これからの人生に有意義に活かして欲しい。そして卒業生の進路先も報告されている。東大、京大、東北、筑波、早稲田、慶応、等々嬉しい報告があった。彼らが大学でサッカーを続けるかどうかは解らないが、私としては大学の選手として活躍して欲しいと願っている。そして間もなく新一年生が入学して来る。世間ではプロの予備軍の高校生チームが脚光を浴びていてマイナーな高校チームは勝てないと云われているが、私は決してそんなことはないと思っている。OB会報に報告されているように、県協会主催のリーグ戦も開幕した。そして例年の様に筑波大学付属高校との定期戦が行われ、スペイン遠征の春休みを過ぎると新年度を迎える。高校3年間はあっと言う間に過ぎてしまう。現役諸君は毎日を大事に過ごして欲しい。
そして卒業生はこの3年間の経験を、これからの人生に役立ててほしいと願っている。筑波大に合格した「藤尾君」私の後輩になるわけだが、是非大学での活躍を期待したい。いよいよ沢山の夢と希望に満ちた新年度が始まった。
現役も,OB諸君も皆頑張れ〜!!!


「湘南高校サッカー部・フィジカルコーチ・小池健太氏」

 私達人間は有機体である。単なる寄せ集めではなく、互いに一つのまとまりをもっている。単体だけでは完結できないという性質がある。日本でいう、「心・技・体」これも一つのまとまりをもっている。このことは、スポーツに限らず、経済、社会システム、宗教などにも云えることである。このことを理解できれば、選手も多くのトレーニング方法や情報に飛びつかなくなると思っている。ある一つの要素だけを取り出してトレーニングをしてもパフォーマンスは上がらない。パフォーマンスは複合的であり、相互作用によって成り立っている。私はこの考えをもとにトレーニング指導を行っている。湘南高校サッカー部という一つのまとまりの中に環境の一部である私の力が選手の支えになり、選手が大きく成長してくれればと思っている。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 中央大学サッカー部・小野監督が何時も選手に教えたことの一つに“戦勝病”と云うことがあった。対戦相手チームのその時点での力も、チームの勢いも、分かっていないまま自分達のチームは勝つと思い込むことの恐ろしさである。
「代表なでしこ」のオリンピック出場権をかけて戦ったリーグのゲームを見てその言葉をなぜか思った。自らの持っている体力、技術力、戦術力、精神力、すべてを出し切った選手が何人いただろうか。
ロングパス多用の闘い方も、ショートパスでの相手最終ライン突破の闘い方も、自由自在にやれる力をチームが持っているとの判断が、スタッフに少しでもあったとすれば“戦勝病”の源泉であったように思う。
そしてワントップだ、4バックだ、とのシステム以前にまず基本ありきだ。選手が次の展開を読んで忠実にポジショニングすることの重要さ。エリヤや局面によって挑戦しなければならないプレー。反対にやってはいけないプレーの選手全員の意識だ。それを何故か引き出せるのが“佐々木マジック”だったのではないか。
「中さんのメモ帳・NO52」



スペイン遠征                       2016・3・1

 今年も春休みに入ると現役のサッカー部、1,2年生のスペイン遠征を計画している。上のスケッチは10年前に私が付き添いで行った時の作品である。
約50人の海外旅行は大変なエネルギーだと思う。“百聞は一見にしかず”高校時代のこの経験は何よりも大きな宝になるだろう。私も過去2回ほど同行したが、この年寄りでも大変良い経験になった。スペインサッカー、ビルバオの選手育成システム等々目を見張るものがあった。その上好きな水彩画の題材がどこにでもあり、本当に楽しい遠征だった。特にビルバオと云う土地柄が日本人に対してとても友好的で、現地の案内をしてくれたオッサン達とすっかり意気投合し大いに盛り上がった楽しい思い出が沢山ある。現役諸君も現地の学校間交流やビルバオチームとの交流は何物にも代えがたい貴重な時間となり、現地の高校生との多くの試合経験は、来年のチーム力向上に役立つと確信している。サポートする先生や数名のOBコーチ(協力してくれるOB)は大変なエネルギーだと想像する。まして最近の世界情勢の中でのこのような計画は中止するケースが多いと聞いている。この計画がなんとか無事に終了し、大いなる成果を上げることが出来るよう皆で応援したいと思う。


「湘南高校サッカー部・1年・登藤健」

 自分が湘南高校サッカー部に入部してから早くも一年が過ぎようとしている。昨年の四月、目標は神奈川制覇だと言い切る先輩達を見て、自分もようやく憧れていた選手権の舞台へのスタートラインにたつことができたのだと実感した。入部してから今までは本当にあっという間だった。昨年の選手権、ベスト8という素晴らしい結果ではあったものの、あれだけ技術もフィジカルもあった先輩たちでさえ神奈川制覇という目標には届かなかった。同じ目標を掲げている高校が沢山ある中でその目標を達成できるのはたった1チームだけだ。その1チームになるためには何が必要なのか、何をしなくてはいけないのかということを考えなくてはならない。自分達の武器はその「考える」と言うところにあると思う。もう一度自分達の目標を見つめなおし、日々考えて練習し、神奈川制覇を成し遂げたい。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 U―18やU―19の年代で勝てなかった選手が多いんだから、勝てなくてもしょうがないのでは、の雰囲気の中でスタートしたアジアからのリオ・オリンピック出場権をかけた大会。指揮官は腹を括ったように、ゲームごとに何人もの新しいメンバーを投入し、最後の最後に、最大のテーマであった“個の力”でライバル韓国の息の根を止め大会を勝ち切った。手倉森監督と選手全員とのコミュニケーションの良さを思わすようなシーンをテレビは数多く映し出していた。
オーバーエイジ選手の補強加入問題がある。アルゼンチンはメッシをリオで使いそうだと伝えるスポーツ誌もある。
“チームが良い時は、メンバーをいじるな”の格言は決して死語ではないだろう。
「中さんのメモ帳・NO51」



高校サッカー                       2016・2・1

 今年も正月は天皇杯で元旦を迎え、後は全て高校選手権大会の正月だった。色々なドラマがあったが、神奈川代表の桐光学園の逆転負けの試合は、私の長い間のサッカー観戦の中でも記憶に残る試合であった。ご覧になった方が多かったと思うが、終了3分前まで2−0でリードしていた桐光学園が、アジショナルタイムに青森山田のエースNO5の超ロングスローをヘディングで押し込まれ、あっと言う間に2点取られ.PK戦になり、4−5で青森に敗れてしまった。桐光学園のエースK君が2点ゲットしたが、試合中のPKを外してしまった。3−0だったらあのドラマは無かっただろう。PK戦でもK君が最後に蹴って外してしまった。そしてチームは敗れた。やはりサッカーの大原則、試合でPKを外した者にはPK戦では蹴らせない・こんなジンクスは生きていたのか?。
青森山田は勝ち上がり準決勝まで進んだ。皮肉なことだ。本当に高校サッカーは面白い・・決勝戦は表記画面の試合になったが東福岡が5-0で国学院を下し、圧勝であった。この試合については色々な見方があるが、東福岡の堅い守りを崩せなかった国学院の攻めがあげられよう。見ていて小気味の良いパス・サッカーの、国学院・久我山は激しい相手ディフェンスを破れなかった。夏(総体)冬(選手権大会)を制した東福岡の快挙を讃えたい。
 湘南高校のサッカー部もそれ程力は離れてはいないと思う。現役諸君先ずは神奈川代表になる夢を諦めずに追求してほしい。そして新年初蹴りのOB諸兄の楽しそうなサッカーを見ていて、75歳までは出来るのではないかと思った。これが生涯スポーツであろう。怪我をしないように楽しんでほしい。


「新チームの抱負・湘南高校サッカー部主将・2年・柏木祐貴」

 新チームになって3ヶ月が経ちました。今のチームには、昨年の選手権で出場していた選手がひとつ上の先輩方に比べ、少ないです。昨年、2年時から公式戦で経験を積んでいた先輩方でさえ、選手権ベスト8という成績でした。これは目標である「神奈川制覇」を達成するには超えなければならない壁であり、ある意味ではいいプレッシャーでもあります。今年は、ベスト8まで進んだ次の年で今後の湘南高校サッカー部にとって大事な1年になります。しっかりと関東、インターでいい成績を残し、万全の態勢で選手権に臨めるように日々貪欲に努力し、今年こそ「神奈川制覇」します。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈略歴〉」

 いくつものドラマチックなゲーム展開で、今年の高校選手権も終わった。神奈川代表桐光学園は、まさかの短いロスタイムに2点のリードを失った。そしてエースのPK失敗で負けた。かって、ワールドカップ等のゲームでPK戦が取り入られて以来、何人もの名手やエースがPKを失敗し、チームが敗れた歴史は記憶にいくつも残っている。サッカーは、それこそ格言どおり“何が起こるかわからない”ゲームであることを実感させられた対青森山田戦の桐光であった。
 ハリル監督の要求している“1対1の決闘”の局面に勝つことは、レフリーのこの年代での判断基準もあってか、やや物足りないものがあったが、高校選手のレベルアップは素晴らしいものがある。特にボールコントロールに関する攻撃の技術力の向上は、Jリーグのゲームを思わせるシーンがいくつもあった。
 心残りが一つ。どこかのチームにはいたのだろうが、プレーのスケールの大きい“未完の大器”を見出し得なかったことであった。
「中さんのメモ帳・NO50」



新年を迎え                       2016・1・1

 あけましておめでとうございます。新しい年を迎えこの紙面をお借りして、新年のご挨拶をさせていただきます。

本来ならば多くのサッカー部OB諸兄姉に年賀状を書きたいと思っていますが、何分多数のためこの紙面をお借りしております。お許しください。
 さて現役は新しいメンバー48名(1年・13名・2年・35名)で始動しました。春にはスペイン遠征を控え希望に燃えてフレッシュな気持ちで、暮れのフェスティバルの大会に臨んでいます。(別途OB会報報告)いろいろ注文はありますが、これだけのメンバーがいるので、基本をじっくり鍛えて良いチームが出来ると信じています。冬場に腰を落ち着けてしっかりと鍛えてください。私も何試合か観戦に行きましたが本当に冬のグランドの寒さは堪えました。やはり歳のせいでしょうか。表記の色紙に「けん玉」の絵を描きましたが、若いころは簡単に出来たことが年を取ると出来なくなる。なかなか興味深い日本古来の“遊具”だと感心しながら、毎日楽しんでいます。そして当たり前のことですが、なんでも継続は力なり・・・ですね。


「89回生 OBコーチ 町田道誠 (2013年度卒 慶応義塾大学在学中)」

 「準備」をすることはサッカーにとって最も重要な要素のうちの一つである。オフザボールの動きやボールが来る前に周りを見る、どこを守りどこを攻めるのかイメージする、ということがある。また、ピッチ外でも然りで、食事や睡眠など試合前に試合に対していい準備ができるかが勝敗を大きく左右する。いい準備をするためには次に起こることをイメージしなければならない。イメージとは個人の経験からなっている。だから、いい準備をするためには多くの経験を積むことが大事である。
 新チームになって約2ヶ月がたったが、「準備」ができている選手があまり多くないように思える。サッカーでは「ボールが来てから勝負する」のではなく、最高の準備をして「ボールが来た時には勝負がついている」ことが大事である。そのために選手たちが様々な経験を積み、最高の準備ができるようにサポートしていければ、と思っている。


「アジショナルタイム・三村恪一氏〈元日本代表CB〉」

 世界180ケ国のサッカーファンに日本で開催のクラブワールドカップ大会、2015のゲームが映像として見られているとマスコミは伝えていた。
サンフレッチェ広島は、オセアニア代表とアフリカ代表に完勝し、チームコンディション悪い南米代表のリバプレートに勝利してもおかしくないゲームをした。日本サッカーのレベルアップを世界に示した評価は高いものがあるのではなかろうか。ヨーロッパ代表バルセロナと南米代表リバプレートの選手達のボールコントロールやドリブルの華麗な足技や的確で精度の高いパスに目を奪われ勝ちだったが、それ以上に有名選手であれ選手皆がゲームでの基本プレーの忠実な実行があった。スアレス選手が対中国広州戦で味方選手のシュートに対して忠実に”こぼれ球“を狙ったゴール前の”つめ“からの得点したプレーに代表されるだろう。選手全員の判断の速い、次の展開を読んだ攻守の良いポジショニングするための流した汗は決して見逃してはなるまい。
今、日本で色々なカテゴリーで“ポジショニング”の言葉はあまり耳にしない。
「中さんのメモ帳・NO49」



傘寿記念ゴルフ大会                  2015・12・1

 標記大会が11月3日・私の誕生日に開催されました。本当に有り難うございました。
湘南サッカー部OBの有志の方(40歳~70歳)が20数名集まって下さいました。お陰様で元気にプレーすることが出来て感謝感激しております。80歳は昔ならば年老いたよぼよぼの老人でしたが、今や100歳を超える方が全国に6万人以上もいる時代になりました。
そういう訳で、私なりの80歳の心構えを少し書かせて貰います。先ずは元気な事。体が動く事、頭の働きが良い事、そして何よりも人間が穏やかな事(怒らない事)、人に好かれる事等が上げられますがその為には毎日の努力が必要でしょう。1.快眠,快食、快便、でありたい。2.早寝、早起き、写経、パソコン、スマホ、頭の体操、3.スポーツクラブ(週4日)体を動かす運動と水泳。特別の事はやっていませんが継続は力なりを実感しています。
さて本題に移りますが、今年の現役は報告されているように20数年ぶりのベスト8で敗れはしましたが大変立派な結果だったと思います。3年生ご苦労様でした。只決して満足してはいけません。代表になった桐光との差はそんなに離れてはいないと思います。神奈川県の代表になるのは、全国のトップレベルでなければなりません。選手諸君は短い選手生活の中で、何が不足しているのかじっくりと腰を落ち着けて、考え精進して下さい。私はやはり基本を大事にして欲しいと思っています。正確に止める、正確に蹴る(強いボールを蹴る)湘南はより質の高いパスサッカーだと思います。又機会があればグランドで話しましょう。


「OBからの激励・41回・相羽克二」

 10月24日の対横浜市立東高校が3年生にとって最後の公式戦となりました。残念な結果でしたが最後まで頑張ったと思います。入部以来有望な選手が多く、それなりに期待をしたのですが、故障・怪我・家庭の事情・環境の変化など厳しい状況が続き、心身ともベストな状態が少なかったように思います。ただ、3年になってチームとしてまとまり出し、ベストコンデションではありませんでしたが、今回の「ベスト8」は誇れるものです。これからはどの道へ進んでも「湘南サッカー」を忘れず、サッカーとの関わりを続けてくれればと思っています。そして、卒業したら今度はOBとして応援をしてください。新チームがスタートしましたが「湘南」としての地力はついてきていると思います。「走ること=ダッシュの繰り返し」「トラップ、キック、ヘディングの基礎練習」(これらは自分で練習できる)そして「ミニゲーム的なスキルはあるので、もう少し広く使ったパスの展開の練習をつめば、必ず「県代表」になれるので「サッカーに集中した毎日」を送ってください。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 ベルリンオリンピックで優勝候補のスウエーデンを破り、世界サッカーの軌跡と云われた日本代表・CF川本泰三さんの独特なプレーは“川本のタコ足”と呼ばれたルーズボールでの強さだった。ドリブルで巧みにボールをさらして相手と当たり合いに持ち込む。そしてボールを相手の背後に持ち出し抜き去るのだ。
1955年頃、日本代表の俊足ウィング木村現さんのことである。練習開始30分前にGKとグランドに出てこんなことをやった。センターサークルの近くから短いドリブルシュート20本でゴールできるかどうかGKと勝負していた。強くてクセのあるシュートの質は多くの対戦相手のGKを泣かせた。
1972年セルジオ越後さんの藤和不動産チームでのデビューは鮮烈であった。“エラシコ”と呼ばれている見たこともなかったフェイントに対戦した大学選手はマジックにかかった感であった。ブラジルのプロ選手でさえ、その技の教えを願う程であり”エラシコ“の名は世界に広まった。個の強化が叫ばれる今、これら名手のプレーが思い出されてならない。
「中さんのメモ帳・NO48」



湘南ベスト8で敗れる              2015・11・1

 最近年のせいか、毎朝写経をするようになった。そして仏壇にお茶とお水を上げて、手を合わせるようにしている。そして出かける前に上の絵に願いを込めて頭を下げて、家を出てくる。この日も勝利と安全を祈願して、家を出たが,20数年振りのベスト8での勝利を得ることは出来なかった。それよりも試合の後半終了4分前に、両チームの選手が激しくぶつかり,両者とも倒れて救急車騒ぎとなった。その時両者がぶつかる音を聞き、本部席に居た私も体の中を電気が走った。役員・関係者全てが慌てて救急車が来るまで騒然となったが、その間診断できるドクターはいないので、私が心配してスタンドを見渡していたとき、幸いにも応援に来ていた湘南のOBにドクターが二人もいた。直ぐにグランドに降りてきて、診てもらい、大丈夫だと診断され救急車を迎えることが出来た。(湘南・53回生・55歳・脳神経外科医師・田中聡君・本当に助かりました・有り難うございました)試合結果は残念だったが、さすがに湘南高校のサッカー部OBだと思った。その後二人の経過が報告されたが、後遺症の心配は無いと云う事だった。そして家を出る時に手を合わせてきたことに、自分自身が救われた。  (80年も生きていると、色々なことがあるようだ!!)


「湘南高校サッカー部、2年今岡知晃」

 選手権に出る高校ならどこでも優勝を目指すものだろう。しかし、桐光学園や日大藤沢といった強豪校がひしめく激戦区神奈川で、公立の超進学校が神奈川制覇を成し遂げるなんて誰が想像するだろうか。そんな常識を打ち破ろうとしているのが我らが湘南高校である。私立高校に比べれば、多く練習時間を確保することが難しい中、進学校ならではの集中力で質の高い練習をし続けてきた。関東予選、インターハイではベスト16で悔し涙を流し選手権にかける思いはとてつもなく強く、OBの方々の期待も大きかった。
結果的には制覇とまではいかなかったものの、ベスト8という27年ぶりの快挙を成し遂げた。満足できるものではなかったかもしれないが、ベスト8という素晴らしい舞台で三年生が戦う姿は自分たちの世代全員の目に焼きついた。
今度は自分達の番だ。先輩たちの思いも胸に来年こそは!!!

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 今回のイングランドにおけるラグビー世界選手権での日本代表の大激闘は、ラグビーフアンならずとも胸を打たれるものがあった。全てを出し尽くしたような強化練習の積み上げがあってのことだったのだろう。
イングランドでの猛烈な競技として、サッカーとラグビーは兄弟の前史があったことは誰もが知るところ。“民衆のエネルギーとエリートの英知の結合から生まれたのがサッカーでありラグビーだ”とフットボールの社会史は教えている。
今回のラグビー日本代表チームのジョーンズ・ヘッドコーチは、行き詰りを感じ、女子サッカーで世界を制覇した“なでしこジャパン”の佐々木監督を尋ねた。動きの速い短いパスのつなぎから相手守備陣を突破する“なでしこスタイル”のサッカーを教えられ、有力なヒントとなったことを報道されている。
ロシアワールドカップ出場を目指すハリル日本代表は極めて少ない“準備”の中で二次予選を勝ち抜けそうだ。
「中さんのメモ帳・NO47」



全国高校選手権予選・2015・9・20              2015・10・1

 上のメンバーで二次予選が始まった。久しぶりの公式戦のため選手は硬かったが何とかベスト16に残った。試合内容については既に報じられているので、ここでは次の試合に向けての心構えなどを書いてみたい。今一番必要な事は基本的な事をもう一度考えることだろう。即ち“正しく止める””正確に蹴る“、そして相手よりも動きの量で勝つ。奇しくもこの日亡くなられた日本サッカーの父と云われた、クラーマー氏(90歳)の教えがこの基本のキであった。氏は”大和魂“を強調され、あくまでも忠実に”生きたボールを蹴りなさい“と教えた。その教えを私は湘南で約半世紀にわたり教えてきて、間違っていなかったと思っている。7回目の代表になることをOBと共に祈っている。
さて話は変わるがラグビーのW・CUPが開幕してサッカー関係者は驚いたと思う。日本代表が、あのパワーある南アフリカに勝った試合を見て感動したと思う。日本チームはそれなりの準備をして臨んだ会心のゲームであった。しかし次のスコットランドとの試合では日本は完敗を喫した。即ち相手は十分に日本を研究して臨んできた。国際試合でもこんなことがあるのだ。まして高校生の試合は、準備と心構えが高いチームが勝つと思う

「湘南高校サッカー部・DF3年・金清海斗」

 僕たちの目標は、「神奈川制覇」です。この目標を達成するために、湘南高校サッカー部に入部してから今まで、日々の練習にチームメイトと切磋琢磨して取り組んできました。選手権予選の初戦・弥栄戦に勝利したことで、10月18日にある市立桜丘戦まで約1か月の準備期間を得ることが出来ました。この1か月で相手よりも良い準備をし、今よりもさらに成長して、次の試合も勝利をつかみたいと思います。昨年の選手権予選から、今年の関東予選、インターハイ予選と三大会連続ベスト16で敗退し、そのたびに悔しい思いをしました。この悔しさとこれまでの努力を糧に、選手権予選に臨みたいと思います。引退をかけた戦いでは、普段通りのパフォーマンスを発揮することが難しいかもしれませんが、チーム一丸となって、ベスト8の壁を越えて勝ち進み、神奈川制覇を成し遂げます。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 天皇杯予選でのJリーグ対大学の対戦はスコアーから見れば接戦がいくつもあったが、多くはJリーグの勝利で終わった。サッカーにおける選手経験値が如何に大きな要素をしめるものかを改めて思った。ボール技術では差は少なくとも“次の展開の読みの速さ”“その局面でのプレーのアイディア”“プレッシャーの維持努力”などで大学は勝てなかった。
大学サッカーは、確かにうまくなっている。しかし大学サッカーに共通していることは、サッカーが小さい。大きなサッカーが出来ないと云うことだ。ゲームで必要なボールが蹴れない。特に無理な体勢でのキックはプアーな感が強かった。その時、ボールから一番遠いポジションにいる肝心な選手の動きに関連性は全く無い様に見えた。
「中さんのメモ帳・NO46」



第8回・UAチャレンジカップに参加              2015・9・1

 表記大会が8月17日〜19日まで、大阪堺市のJ−GREEN堺で開催された。全国から16校が参加し、夏の強化合宿として予選リーグ3試合、決勝リーグ3試合を行い。優勝戦・浦和東2−0湘南・準優勝であった。既に報道されているので「ゲキサカ」参照、細かいことは省くが、UA(アンダーアーマー)と云う業者がスポンサーになり、表記大会を企画運営。サッカークリニックや栄養指導、チーム交流会等、盛りだくさんの企画があり、10数面の立派な芝のグランドと宿泊施設の中での3泊4日の現代高校生向きの合宿と云えるのか?実り多い遠征合宿であったとうなずけた。老骨にムチ打っての暑さの中の観戦は厳しかったが、大阪のOB43回関口君、46回松元君が協力してくれて大変助かった。また2年前に病で倒れた43回廣野君の見舞いも叶い、元気な姿を見ることが出来て本当に良かった。

現役は9月の中旬から始まる選手権大会の2次予選〈32チーム〉の組み合わせも決まり、最後の仕上げの時期が来た。この正念場に向けての課題は、格上と云われている相手(ベスト8)との闘い方であろう。それは同じ高校生同士だから、気持ちの上で負けないことが一番大事なことだと思う。相手も今年の湘南は強いと思ってくるだろう。どの相手よりも自分達は十分な準備が出来ていると云う自負が大事な事なのだ。それが態度となり、言葉となって、戦う前に相手より気持ちで勝つことが勝負を左右してくる。3年の夏を過ぎる頃湘南生は、体力、気力、知力、が完成されてくる。その為の準備が十分に出来たと、私には感じられる。本番に期待したい。

「選手権への意気込み・3年主将CB・砂流勇志」

 今年の3年生には昨年の選手権に出たメンバーも多く残っています。昨年はベスト16で敗れてしまいました。今年はその経験を生かして全国に行きたいと思っています。今年は総体予選で選手権2次予選へのシードを獲得したので、有意義に夏を過ごすことができました。夏休みの最初に走り込みを行い、8月に入り湘南フェスティバルで県外のチームとも試合をしました。その後二つに分かれて鹿島遠征と大阪遠征に行き、それぞれで切磋琢磨しレベルアップをすることができました。また、8月15日にOB会が催されOB会の皆様からサッカーボールと激励を頂きました。初戦の9月20日まであと1ヶ月弱ですが、まだできることはたくさんあると思います。残された時間を無駄にすることなく、日々の練習に取り組んでいきたいと思います。高校入学から今までに湘南高校サッカー部で学んだことを生かして、高校サッカーの集大成として最後の選手権予選に臨みます。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 東アジア選手権での日本代表の3ゲームは、可能性ある新たな選手を探す大会であったとも云える。ハリル監督は、タテへの積極的な攻撃と、特に相手との競り合い時などボール際の烈しさを求めている訳だが、いずれも簡単なテーマではない。“うまい選手”と云われる選手は多いが、監督の求めるこの二つのプレー要素を実現できる選手は少ない。例えばボールを失うことを恐れるあまりか、仕掛けなければならないところで、トライしない。そして、ボール際で闘う時にあまりにも簡単に倒れていては、国際ゲームでは勝つことは難かしい。今大会においても、優れたCFとCBをチームに持てるか否かの大きさを改めて感じさせられた。CBの信頼性がなければ、サイドの選手やボランチの選手の積極性がどうしても落ちるし、またCFのところで味方からのうまいパスの引き出しを含めてしっかりマイボールとできる確率が低ければ、2列目、3列目からのフォローのランニングは質と量が落ちることになる。味方選手の持てる力を引き出せないことにまでつながる感を強く持った。
「中さんのメモ帳・NO45」


「写真・U18・県サッカーリーグ戦・2部Cブロック」

U18・県サッカーリーグ                    2015・8・1

 この写真は箱根仙石原の星槎学園のグランドで開催された、U18の試合の記録写真である。箱根の噴火騒ぎの中、麓の仙石原の人工芝のグランドで、相洋高2−1湘南の2部のCブロック、1位決定戦が行われた。神奈川県の高校の試合に、高体連主催の大会とは別に県サッカー協会と共催のリーグ戦が行われている。約300チームの高校・クラブ、が合流したマンモス大会を年間リーグ戦で行っている。1部10チーム、2部40チーム(A〜D)、3部240チーム、 (A~X)。高校、クラブ、審判、総力を挙げて運営している。この日は箱根山の、噴煙を見ながら仙石原の素晴らしい表記グランドで熱戦が繰り広げられたが、湘南は今一つ決めることが出来ず涙をのんだ。〈県協会HPを参照〉 人工芝のグランドでボールを蹴ると本当に楽しい。サッカーは芝の上でやるスポーツだといつも思う。湘南のグランドが人工芝になるのはいつになるのだろうか、最近そんな夢を見ることが多くなって来た(是非実現させたいものだ)

 別件だが7月の中旬に東大と京大の定期戦が東大の御殿下グランドで行われた。両校の選手の中に数名の湘南高校の卒業生がいると聞いている。両校とも卒業生はJリーガーが志望ではないと思うが、日本社会のリーダーにはなると思う。是非サッカーを正しく理解したリーダー達が増えて欲しいと願っている。 夏の甲子園の高校野球の地方大会が終わり、本大会が始まる頃、サッカーは冬の選手権大会の二次予選の組み合わせが決まる。9月の中旬に始まるこの試合に湘南も最後の調整に向け8月の計画が出来て夏本番を迎える。

「イマジネーション・3年CF・高田健史」

 僕は大切な試合の前日、必ず小学五年生のクリスマスにもらった初めてのサッカーDVD「GREATEST EVER GOALS!(アーセナル・グレーテストゴールズ)」を見ている。このDVDには、アンリやファンペルシーなどアーセナルの名選手達が決めた輝かしい約300ものゴールが入っている。今まで、少なくとも100回は同じシーンを見ている。おかげで、プレーの始まりを見るだけでその後どのようにゴールが決まるかを当てることができるようになった(笑)前日にプロのゴールシーンを何本も見ることにより頭の中では無数のイマジネーションが活発に作用し合い、試合でいろいろなプレーが瞬時に思いつくようになった。今の自分はこれなしでは存在し得なかっただろう。これからもこのDVDを見て、イマジネーションに磨きをかけ、試合で誰もが「はっ!」と驚くようなプレーができる選手になりたい。いや、なる!

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 よくもカナダで決勝の舞台にまで“進出”できた“なでしこ日本代表”であった。健闘と云う意味では4年前に世界を制した時以上だろう。世界の女子サッカーのレベルアップは予想を越えていた。
“ねばり強い精神力、高いボール技術力、訓練された組織プレー”が“なでしこ”に対するおおかたの評価か。
日本サッカーの源流とも考えられるスコットランド・サッカーは、ショートパス攻撃に加えて、相手選手を個人で抜き去ることのできる優れたドリブラーが歴史的には多く出ている。日本も次代をになう若手からスピード高く鋭いドリブルを武器にする選手の発掘・育成の必要性が高いように思う。
日本中に実に多くの急造サッカー評論家を生んだ。“日本はなんで守備は下手なんだ”の一声は痛い。守備はボールを持たないでの技術。ボールをコントロールする基本技術と同様に守備の基本技術の整備を検討すべきではなかろうか。
94年FIFAがJリーグに求めた「攻撃的サッカー奨励」を言い訳に使いたくない。
「中さんのメモ帳・NO44」




最近の楽しみ                    2015・7・1

 最近は水彩画を描くことが少なくなってきた。別に嫌いになったわけでもないのに、どうもその気が起きない。細かく描く根気が無くなってきたことが原因かもしれない。そんなことから、色紙に下手な文字を書き挿絵を入れてバランスをとる(上の写真)、こんな楽しみもあってよいのかなと思っている。
さて「闘魂・闘志」サッカーの教科書の1ページ目にある言葉だ。あの有名なクラマーさんの言葉「闘志の無いものはグランドを去れ」がいつも耳に残っている。今年の湘南のチームは技術のレベルはかなり高いところにあると思うが、この「闘志」が少し弱い。その為にはもっと泥臭い試合をしなければ駄目だろう。総体二次予選で横浜創学館高校を1−0で破り、ベスト16で日大藤澤高校に0−2で敗れたが、冬の選手権大会のシード権は獲得出来た。確かに相手は関東大会を制した第一シードの格上のチームだがチームの総合力は大差ないと思っていた。しかしながら最初から気持ちの上で負けていたように私には感じられた。高校生同士の試合で力の差はそれ程ないと感じるのは間違っているだろうか?負け惜しみで云うのではない。今年の最終目標は冬の選手権大会だ。手の届くところにあると思っている。あと3か月の勝負だ。最後の夏休みを悔いの無い様に過ごして欲しい。(3年生は夏を過ぎる頃に、体が出来てくる。そしてサッカーというスポーツが頭で解ってくる・・・素晴らしスポーツだ)
一つだけアドバイスするなら、サッカーの攻撃のパターンの一つに、ゴール前にクロスボールを通すのが、100年も前からイングランドの教科書に書いてある。それは現代サッカーでも変わらない。女子のワールドカップでも強いチームは皆試みていたようだ。湘南も攻めのパターンに、相手左右ゴール前からクロスボールを通す攻めを見せて欲しい。必ずや道は開ける。


「イマジネーション・3年MF・山根隆史」

 サッカーに限らずスポーツというものは、数学のように答えが決まっているなんてありえない。だから技術だけでなく、想像力、判断力、すなわちイマジネーションが必要だ。イマジネーションというものはサッカーのどんな場面でも必要だと思う。攻撃でも守備でもオフザボールでも、敵がしようとしていること、味方がしたいと思っていることを想像するのが大切だ。素晴らしい技術を持っていてもイマジネーションが豊かでなく、周りが見えていないとプレーの幅は狭くなる。だからと言って、各々がイマジネーション豊かでも、それをチームで共有できてないとかみ合わないし、意味がない。選手一人ひとりがどうするのが最善なのかを常に考え、常にイメージを持ち、またそれを全員で共有する。そうすることで一つの「チーム」が出来上がり、チームの「色」が出てくるのだと思う。このような「色」がまとまったチームになれれば神奈川制覇にもっと近づけると、僕は思う。


「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 いま多くの日本サッカーフアンの目が連覇を目指す日本女子代表チームの試合ぶりに向けられている。それにしても初出場の新興国の選手のスピードとパワーは恐ろしい。日本チームは選手達が持つ多くのキャリヤーの力で勝利を得ているように思う。その局面で的確なプレーが出来るか否かは豊富なキャリヤーを持っていなければ容易に出来ないことだ。相手のスピードや高さに対抗できることこそ技術であり、システムを含めた戦術だろう。有効なオープンスペースがなければスピードはなかなか活かせないし、相手の100%の高さを引き出せないような競り合いのプレッシャー失わなければ、相手の戦力とは意外な程ならない。攻守の局面で相手チームより常に数的優位を保つことが佐々木サッカーの柱となる闘い方であろうか?サッカーの勝負はラスト15分、をどう闘うか、頑張る姿を期待したい。
「中さんのメモ帳・NO43」



「新1年生15名」

新年度1年生                    2015・6・1

 湘南サッカー部は今年も写真の新入生を迎えてスタートした。例年に比べ人数が14名で少ないが、5月に入り早速茨城県の大会に参加し高校サッカーの仲間入りを果たした。一年生大会では強豪校と試合をしてぼろぼろに破れて帰って来た(静岡学園・栃木の白鴎高校等)。私が毎年彼らに云うのは、?、高校3年間はあっと言う間に過ぎてしまう、毎日を大事に。A、慌てずにじっくりと夏までに体を作る。B、大学受験は何回でもできるが、人生の中で高校サッカーが出来るのは3年間だけだ。こんなことを言いながら上級生を見ると何故か物足らない雰囲気だ。シーズン真っ只中、総体予選はシードされて2次予選から始まるが、6月7日の1回戦を勝たなければ冬の選手権大会のシード権は取れない。次の試合がどのくらい大事な試合なのか解っているのだろうか?

 さて話は変わるが5月は大人の試合(関東大学。社会人)のリーグ戦を見る機会が多かった。我々がやって来た世界と大分様子が変わってきている。一番の変化は大学の部活動が膨大な選手を抱え大きく変化している。ある大学は部員を400人以上抱え、彼らが皆何処かで試合が出来るよう、社会人リーグの中に名前を変えて1部、2部、3部。関東大学リーグ1部。県大学リーグ・・と出場可能なリーグ戦に参加して、部員全員が活動出来るようにしている。多かれ少なかれ私立の大学はそれに近い活動をしているようだ。正確な実態をつかめていないが、私が関係している関東社会人リーグ・2部に神奈川教員チームが参加しているが、そこにもクラブ名で大学生チームが2チーム参加している。これからの社会人の試合には大学生がますます増えるだろう。またシニアの大会も40代、50代、60代、70代と盛んなようだが、その上に80代の大会もできるだろう。サッカー人口の増加は結構なことだが、それらを統括し管理する側にしっかりとした人材、組織なければ、将来の日本サッカーは発展しないだろう。

「イマジネーション・OBコーチ・88回・長 大地」

 イマジネーションは最善のプレーをするための準備である。サッカーには味方、相手、ピッチ状況、時間帯など様々な要素がある。「味方がこう動いていて、相手はこうするだろうから、ここにボールがくる。」「キーパーと1対1、そこで横パスされるかもしれない…ゴールカバーだ。」次に起こりうる展開をあらゆる要素から想像し、判断し、最善の準備をする。いつやってくるかわからない勝負を左右する一瞬のためにイマジネーションの連続である。
 そして、そのイマジネーションの源には経験がある。すべての試合や練習がその蓄積の場である。そこで、たくさんの成功、失敗をすることで、新たな発見があり、イマジネーションの引き出しを増やしていくのだ。チャレンジしないことには新しいイマジネーションは生まれない。練習からミスを恐れず、積極的なチャレンジが活発に行われることで、豊かなイマジネーションが生まれることを期待したい。


「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 サッカーで監督力なる言葉は決して一般的ではないが、監督の采配力量はチームの勝敗に大きく寄与することとなる。観る者にとって、なかなか見えてはこないが、極めて興味のあることだ。選手の持っている潜在能力や意欲の引き出しをはじめとして、ゲームの推移に応じたチームの闘い方の指示とか、選手の交代などが結果となって顕れた時に、監督力を感じる。ジーコ監督は日本代表を率いていた時、私とあるサッカー雑誌の対談でこんなことを言った。“ある出会い”と云うことがあり、大事なんだ、と。迫りくるワールドカップでの活躍が期待される日本代表チームの中盤の要の選手を中田選手とするのか、あるいは中村選手にするのか、サッカー界もおおいに注目している最中だった。ジーコ監督も悩み続けて、発表はしないものの、自らの中ではどちらにするかの決心がつき、そんな表現になったように思う。
「中さんのメモ帳・NO42」



「八千代遠征4月1、2、3日 八千代高校グランド」

関東大会予選始まる                    2015・5・1

 写真の様に桜の満開の中、千葉県の八千代カップに招待され実り多い遠征試合を経験してきた。招待してくれる千葉県では、湘南高校と云うブランド名を現在も大事にしてくれている。ありがたい事だ。素晴らしい桜もこの時期がちょうど盛りであった。桜の成長と同じように、数十年前創立の八千代高校も、随分と貫録が出てきた様に見受けられた。
そして帰ると直ぐに関東大会の予選が始まった。この大会は今後の大会のシード等にも影響するので、真剣勝負の最初の大事な試合となった。結果は別途報告されているので省くが、怪我人のレギュラー4人を抱え苦戦の連続だったが、ベスト16に残ったのは高く評価できるだろう。ここで少し説明をしたいのが、公式戦の関東大会は昔と若干形式が変わり各県のトップ校が参加していないのが現状である。つまりプレミヤリーグとの兼ね合いで,本県もプレミヤの桐光学園は不出場である。最初の公式戦のため、沢山のOBと保護者が応援に来てくれた。そして今年卒業の大学合格者が揃って晴れやかな顔を見せてくれた。うれしいことだ。又何時も前校長の川井先生や現校長の時乗先生が応援に来て下さるのには、感謝感激である。そして特筆できる事であるが、3回戦で対横浜創学館高校戦に延長0−0でPK戦になり、1−3でもう駄目かと思われた時、キーパーの活躍があり、6人目で4−3と逆転勝利を収めた。私の半世紀以上の湘南の歴史の中でも初めての経験だった。

「イマジネーション 現役・新3年・MF/DF・高木聡汰」

 サッカーは自分自身でその時のベストなプレーを判断しないといけない場面がとりわけ多いスポーツだ。ボールを持った時にドリブルするのか、パスするのか、シュートを打つのか。また、味方はどこでパスを受けたがっているのか、逆に自分はどこでパスを受けたらチャンスに繋がるのか。サッカーにおけるイマジネーションは挙げていくときりが無い。当然想像力は豊かでも、それを実現する技術がなくては良い選手とは言えない。常に想像力を働かせながら、志高く練習に取り組み技術向上に励まなければならない。そして、チームが強くなるためには、選手各々が自分達の強み弱みを理解し、しっかりとした戦い方のイメージを持つこと、ここでもイマジネーションが必要不可欠になってくる。
自分の場合は、マークする相手の特徴を直ちに察知し何をしてくるのか想像してポジション取りやアプローチの仕方を変える。それで思い通りにボールを奪えたら嬉しいし、こういうのもサッカーの面白さの1つだと思う。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

新監督、ハリル・サッカーを一言で云えば、“ボールを奪ったらタテの速い攻撃”だろう。結果は恐らく今後の代表の得点は、カウンターとセットプレーからのものが多くなるに違いない。最近、マスコミで盛んに使われていた“ボール保持率”なる言葉に代わって”ボール奪取率“が云われそうだ。”球際を数センチでも、もっと詰めよう“”マイボールにしたら先ずタテを考えろ“”相手に楽にプレーさせるな“は選手の合言葉なのだろう。
対チュニジヤ、対ウズベキスタンのテストゲームでも、中盤の闘いは従来にない相手ボールへの寄せも鋭く、激しく,ボールのあるところでは、常に数的優位が保たれ、チームとしての意欲を感じた。死語化していた“プレッシャー”は息を吹きかえした。
このところ、やや輝きを失っていた本田選手と香川選手のプライドを呼び起こそうとしたのもハリル監督の采配の一つだったのだろうか。本田選手のボールを持たない時の動きの量は増えたし、香川選手の積極的なシュートの数は間違いなく増えた。世界で勝つためには“守備の安定”がどうしても大前提になる。2回のゲームでも得点の喜びが満ちている中で、守備の不安定さのカゲがちらついた。地味であっても高い守備力を持ったディフェンダーの発掘に、新監督の新しい目での驚きを期待したい。
「中さんのメモ帳・NO41」



「写真・付属定期戦・試合前・3・21・湘南グランド」

第67回・筑波大学付属定期戦                    2015・4・1

 戦後まもなく始められたこの定期戦も今年で67回を迎えた。戦後の混乱期第1回の国体の高校の部で、神戸1中と決勝戦を争い、湘南が全国優勝をした頃、東京では教育大学の付属高校がサッカーではトップを争っていた。昭和20年代、私の中学、高校の頃になる。
尚この時のメンバーの中心選手だった原田徳夫氏(24回生)が先日ご逝去された。氏は横浜国大→教員→寒川市教育長として、神奈川県の教育界で活躍して、神奈川教員チームをサポートされ大変お世話になった。心からご冥福をお祈りする。(合掌)約70年前に始められたこの定期戦も共に似た者同士で争ってきたが、最近は様変わりして、付属はメンバー不足で苦労しているようだ。しかし付属の先生は何とか存続できるよう努力して、今年はそれなりに試合が出来た。結果は湘南9−1付属であったが、付属は同好会の選手などを集めて頑張った。彼らの健闘をたたえたい。私はこの試合は大事にして欲しいと思っている。併せて今は無くなってしまったが、埼玉県立浦和高校との定期戦を復活出来ればと思っている。

 また3月14・15日に全国の進学校と云われるチーム12校が静岡県に集まり練習試合を行った。大変良い企画だと思う。初日に交流会もあり、試合はエコバの人工芝で行われAチームが湘南5―0四日市(三重)・6−1岐阜(岐阜)・2−1旭ヶ丘(愛知)・3−1静岡(静岡)だった。B,C,Dチームも勝ちゲームで、実り多い遠征だったと報告を受けた。プロの卵の高校生も進学校のチームも、同じ土俵で対等に戦い、日本一を争わなければ駄目だと云うのが私の持論だ。決して諦めてはいけない。必ず花は開くと思っている。老骨にムチ打ってグランドに足を運び、夢を追い続けたい。4月に入ると直ぐに関東大会の二次予選が始まる。(4月5,11,12、25、日・予定)


           「イマジネーション・0B・86回・東京学芸大学4年・石川恭一郎」

私が「イマジネーション」というテーマを中先生から伺い、最初に思い浮かべたことは、「イマジネーションして、クリエイティブに」。これは私の大学の蹴球部の部長が良く口にしていた言葉だ。想像して創造的に。一体どういうことだろうか。サッカーでは1秒たりとも全く同じ場面に出会うことはない。なので、毎秒毎秒選手はどこに動く、どこにパスを出す、どこを守る等、判断することが求められる。しかしそれは相手選手だって同じように判断してプレーしてくる。そこで「クリエイティブ」なプレーが求められてくる。相手が意図しないようなプレー。想像できないようなプレー。それはただなんとなくプレーしているだけでは得られない。日頃の練習、試合を通して常に「イマジネーション」を続けていくことで、一瞬のひらめき「クリエイティブ」なプレーが生まれる。誰もが驚く「クリエイティブ」なプレーを見ることを楽しみにしている。


「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 過日、来日したイングランド、ウイリアム王子は “もっと多くの日本人サッカー選手がイングランドに来てプレーして欲しい”と語った。日本のサッカーフアンにとっては、たまらないイングランド王家の言葉だった。残念ながらウエンブレースタジアムの芝生を踏んだことのある日本人選手は数少ない。
ブラジルワールドカップでのドイツ勝利の女神女王メルケル首相は、ロボットによるフリーキックの来日記念の歓迎を受けた。レシーバーに、かつて東洋のコンピューターと称賛された奥寺康彦選手の姿がなかったのは寂しかった。歴史を振り返れば、東洋のサッカーの伝統国は中国である。習主席のサッカー好きが一部報道されている。ユース年代を迎える少年達が通う学校のうち6万校もの強化指定を行った、とあった。新しい中国代表チームには、多くの好素材選手が散見される。今後を注目しなければならない。
「中さんのメモ帳・NO40」



「ゼロックス・スーパーカップ・2015・2・28・日産スタジアム」

サッカーシーズン開幕                    2015・3・1

 最初に、シーズンの開幕ともいえるスーパーカップが2月末に行われた。私が楽しみにしていたのは、前座試合の全国高校選抜とJユース選抜の試合である。共に同年輩の将来を担う選手達の集まりであり、興味深く観戦したが、結果は高校選抜が2−1で勝利した。
共に技術は進歩しているが、それほどスーパーの選手は見当たらず、凡戦に終わったので些か期待はずれであった。そして40数年前、全国高校選抜チームを引率して東南アジアに遠征した時のことを思い浮かべて、今回の選手がどの程度進歩しているのか比較してみると、それ程著しく進歩しているとは言えないと感じたのは間違いであろうか?
ここで言いたいことはJユースはプロの卵である。プロとアマチュアとが混合しているのが現在のサッカー界である。大学サッカー然り、関東社会人リーグ然り、高校、中学校サッカー然り、この問題をはっきりさせないと将来とんでもないことが起こるのではないかと危惧している。今のままだと、プロの集団の高校や大学チームが出来たりしてしまうこともあるだろう。そしてそれらが主流になり、学校スポーツも社会人スポーツも、アマチュアスポーツであるはずのものが段々ゆがんだものに成長してしまう恐れがある。この辺できちんとさせて、アマチュアスポーツの本質が何なのか真剣に考える時だと思う。だから湘南高校のサッカー部も、野球部も、部活としての他のスポーツも、努力しなければ、日本の全てのスポーツが良くならないと云うのは間違っているだろうか。

そんな中で2月は湘南高校の現役は寒さの中、何試合か練習試合を消化してきた。慶応大学の胸を借りてぼろぼろにやられて、自信を無くしたようだが、その後、対希望ヶ丘0-1,対橘1−2、の勝試合を経験して少し自信を取り戻してきたが、今一つ進歩が見られず低迷している。私はこう云う時こそ自分達で考えて初心に戻り、基本技術、すなわち正確に止めること、正確に蹴ることを中心に反復練習が必要だと感じている。そして気持ちを新たにして4月の関東大会2次予選に臨んでもらいたい。頑張れ・・・


           「イマジネーション・ボランチ・2年・藤尾悠河」

「頑張って頑張って頑張ってやっと手が届きそうなところのちょっと上」突然だが、僕達にはこのような目標設定に関する共通意識がある。チームとしても個人としても自らを見つめ、反省し、想像し目標を定める。その目標があって、それに辿り着くために日々の練習がある。目標から逆算して、今何を練習するべきか、どう練習するべきかをイメージする。イマジネーションとは、目標と練習をつなぐ一種の「ツール」であり、練習の質を上げる「薬」のようなものだと僕は思う。たとえば、毎日の基礎練習のサイドボレーにしても「選手権,同点,延長後半,こぼれ球」とイマジネーションを働かせれば、ミスは絶対に許されない。特に簡単でシンプルな練習ほどちょっとした意識で劇的に変わる。逆に、何も意識しないと何気ない時間が過ぎていく。どちらであるべきかは言うまでもない。シーズンが始まるまで残り約1ヶ月、常に高い意識を持ち続けしっかり準備していきたい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 日本代表チーム監督は、自分のサッカーの色も出さないまま、代ってしまった。今年のAFC大会での代表チームの戦い振りを見れば、細かくパスをつないで攻撃する日本スタイルの中で、アギーレが本田選手や香川選手の“個”を如何にして活かそうかとしているかの意図は見えなかった。特に対UAE戦のゲームで個々のプレーからは“勝つことへの意欲“は残念ながら感じられなかった。アジアや中近東諸国のサッカーは、若い年代の選手が着実に力をつけて来ていることが大会でもはっきり証明された。それら諸国の代表は多くの若手選手がスタートメンバーであったのに比べ、日本代表の若手は交代メンバーの位置付けでしかなかった。Jリーグは、アジアのライバル国に大きな刺激を与える結果となっている。Jリーグを足がかりに世界への夢を見る選手も多いに違いない。ロシアでのワールドカップへの日本の準備は果たして大丈夫なのだろうか。今、ヨーロッパの舞台で活動している多くの日本選手は,その時すでにいないかも知れない。予選のキックオフのホイッスルはすでに吹かれているも同然。本大会出場のシード権はない。
「中さんのメモ帳・NO39」

(43回生新年会)

(64回生・新年会・27年前の選手権大会出場・ベスト16・藤塚監督と)

2015・スタート                    2015・2・1

 最初に全国高校選手権大会の決勝戦が「埼玉スタジアム2001」で行われた報告と感想を書きたい。国立競技場改修工事に伴い、天皇杯決勝を神奈川へ、高校選手権を埼玉へと移動した。決勝戦は星稜高校(石川)と前橋育英高校(群馬)の試合となり、延長戦4−2で星稜が優勝した。両チームとも非常に高い技術を発揮し、見ごたえのある好試合だった。しかし色々の見方はあるが、世界レベルと比較するとこの年代ではまだまだ物足りないと感じたのは私だけでは無いと思う。同じ時期に高校生の女子の大会の決勝戦が行われ、あまり人気がないが、こちらは女子における世界レベルの選手が沢山いたのではないか?と推察した。

さて湘南の現役に目を移そう。全国のベスト4に残った日大藤澤高校を見てそれほど湘南と力の差は無いと感じたのは私だけでは無く、湘南の選手たちも可能性を感じたと思う。明日からの練習に力が入るであろうと想像できる。11日、恒例のOB会があり多くの卒業生が集まって1日楽しく蹴るのを見せてもらった。又17日の夜、横浜で64回生の新年会があった。27年前の全国大会へ出た選手が45歳になった。この日は、当時の新聞の切り抜きや、写真を見ながら昔を懐かしく語り過ごした。そして31日には42回生の新年会。こちらも約50年前に全国大会へ出場したメンバーが10数人茅ヶ崎に集まった。

新生アギーレJAPANのAFCアジアカップがスタートした。日本は予選リーグを危なげなく3勝して、決勝トーナメントに進出したが、ベスト8でUAEに延長PK戦で敗れた。このことについては別途批評する機会を持ちたい。そして全豪テニスの錦織選手の見事な活躍振りを堪能し、1月のTV番組はアメリカのフットボール、バスケットボールのファイナルと目白押し。そしてゴルフの松山選手の活躍に加えて、国内では大相撲の初場所で横綱白鵬33回目の優勝など、毎日年寄りを楽しませてくれた。有り難いことである。

           「イマジネーション・現役コーチ・85回・大川雅士」

「文章書くのは苦手じゃないか? テーマはイマジネーション。」そこから何を書けば良いのか想像が始まる。部活動にて「試合について一言お願いします。」どの言葉が適切で、生徒に響くのかを考え、想像する。勿論、その場で思いつくこともなく、試合を観てこの一言タイムの内容を想像している。文章を書く、人前で話す、更には生活全てに対して想像、即ちイマジネーションは働いているのではないか。サッカーの想像力=プレーの選択肢と岩村君の文章に掲載があった。しかし、その力は誰にでも均等ではなく、咄嗟の思いつきによるものでもないだろう。必要なのは経験し、学びを得ることだと思う。文章を書き、人前で話し、サッカーの様々な局面を経験する等の学びだ。そうした経験から生じる理解にオリジナリティーを付加し、個の想像力が広がり、成長する。4月から社会人となるにあたり、仕事を経験・理解し、そして戦力となる想像力を生み、組織に貢献したい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 オーストラリアで開催されているAFC大会の連覇を目指す代表は、予選をグループトップで終えた。指揮官アギーレは2014年のブラジルワールドカップで、グループリーグ敗退を「選手の気持ちの弱さ」が主因だと断じた。だからAFCに向けての代表選手、選考も「同程度の技量の持ち主なら、強い気持ちを持った選手を選んだ」と語っている。
グループ予選の3ゲームからは、昨年のワールドカップと重なる感が強かった。第一戦、第二戦とも日本は“堅守遅攻”を繰り返していたが、第三戦対ヨルダンで初めてアギーレ監督の采配を見た思いがした。ゲームを決める2点目をもたらした武藤選手のサイドでの投入だ。ドリブルのスピードとコース、ゴロのクロスのスピードとタイミングは見事であった。
中近東勢の選手は、ボール際で独特とも云えるフィジカルの強さが目立つ。今後ともワールドカップ等の出場権をかけ、戦うこともあるのだから、この大会をしっかり勝ち切ることは大切だ。“強い気持ち”を持つ選手ならばルーズボールの競り合いにも激しく強いプレーをするに違いない。そして自分の役割を果たす局面では失敗を恐れず、積極的にチャレンジするプレーが多くなることを信じる。
「中さんのメモ帳・NO38」


(茅ヶ崎・厳島神社〈水彩4号〉)

新年を迎えて                     2015・1・1

 新しい年を迎え、何か又心が引き締まってくる。今年こそと云う気持ちが大事なのだろう。除夜の鐘の音を聞きながら地元の神社に初詣をし、沢山の夢を祈願して新年を迎えた。
正月は先ずは大学・実業団・駅伝に始まり、高校サッカーは2・3日が三ツ沢、12日の決勝戦が埼玉スタジアムで行われる。やはり高校サッカーは夢があり楽しく見ることが出来る。2014年の最後は、神奈川県FAが初めて開催した天皇杯決勝戦が日産スタジアムで開催され、5万人近くの観衆が入り、大成功だったと云えるだろう。ガ大阪が山形を破り3冠を達成した。そしてフットボールセンター(FC)が12月5日に「かもめパーク」と命名され、スタートした。

それにしてもガ大阪の快進撃の原因は何処にあったのだろうか?、山形のJ1復帰と天皇杯決勝戦進出の原動力は?、プロの世界でもこのような結果が生まれる。本当に勝負の世界は思いがけないことが多い。しかしこの事は、決して偶然ではないそれなりの訳があるのだろう。バトミントンの女子で高校2年生が全日本の大会で優勝したり、柔道で高校生が日本一になったりする。皆それなりに理由がある筈だ。

「かもめパーク」のグランド開きの日“これからこの施設が活用され、神奈川県のサッカー、日本のサッカーの発展のために役立つことを祈念します”と大声で挨拶した事が現実になることを、心から願っている。少し立地条件や足の便が悪いが、平成の時代、そんなことはどうにでもなるだろう。そして大いに活用されて私の夢がますます膨らむことを期待している。特に子供達のサッカー、女子サッカー、中学・高校のサッカー、年寄りのサッカー、審判・技術委員会の研修の場・その他etc。日本一のサッカー協会と自他ともに認められる「かもめパーク」に育つことを期待して止まない。

さて現役サッカー部は暮れの県内チームとの練習試合を2勝・1敗・2分、(対鎌学高、多摩高、新城高,鎌倉高、横浜栄高)で終わり、そして県外チームを招待して湘南フェスティバル(白井高、東京実業高、国分高、八千代松陰高、上田西高、国士舘高)が行われた。チーム全員が1日寒さの中健闘して、実のある試合を経験して来年度に向けて出発した。
私は日本一を良く口にするが、先ず日本一の練習を期待している。即ち闘争心、努力、体力、そして考え抜かれた技術、戦術、が日本一でなければならない。試合の結果は自然に後からついてくる。高校生同士だ。力の差など無いという事を自覚してほしい。

 この「中さんのメモ帳」もマンネリ化してきたので、今年から少し趣を変えて若い人の原稿を載せたいと考えています。「イマジネーション」というタイトルで、若手OB(平成生まれ)か、現役の文章を載せたいと思っています。40字×10行位の予定で募集します。私のPCのアドレスs-cyu@m6.giyao,ne.jp 宛にワードで送って下さい。採用した名文には、豪華賞品?を準備します。(第1号は私からお願いしました。次回からはどうしましょう?)


           「イマジネーション・湘南高校サッカー部・2年・GK・岩村遼太郎」

 イマジネーションとは、想像・想像力という意味を持っている。つまりサッカーで言うイマジネーションとは、どのようなパスを出せばゴールにつながるのか、どのようなシュートでゴールを奪うのかを想像する力のこと。イマジネーションの豊かな選手は、どの場面においても幅広い選択肢を持っているので、その時の状況に応じてベストもしくはベターなプレーを選択できる。また、自分が成功している場面を想像することもサッカーにおいて大切なイマジネーションだ。サッカーは技術だけでなくメンタルも重要なスポーツなので、頭の中で自分が成功している場面を想像することにより自信につなげ、力強いプレーを出来るようになる。イマジネーションは、持っていて直接技術が上がるものではないが、乏しいと技術があってもその技術を試合で使えない。つまり、サッカーではイマジネーションは必要不可欠なものだ

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 2014年J-2リーグを圧勝して昇格した、湘南ベルマーレの選手たちは多くのゲームで攻守に極めて積極的なプレーを終始見せた。選手の持てる能力をフルに発揮させた監督力、コーチ力、を感じる。何故かベルマーレのサッカーにその色は少しづつ異なるが歴代の日本代表チーム監督が共通して目指したサッカーと重なる部分を見た思いがある。タテに速い攻撃、球ぎわの烈しさ、シュートを打てる体勢になればパスに逃げない積極性、攻守でボールをめぐっての数的優位を保てる運動量の多さ等などである。このチームの勢いを2015年度のリーグにぶつけ、Jサッカーの新鮮な魅力作りをして欲しい。昇格早々三冠達成のガンバ大阪のイメージは強く残る。これからの対戦が楽しみである。
「中さんのメモ帳・NO37」


(写真はニッパツ三ツ沢球技場・決勝戦・電光掲示板)

サッカーシーズン・2                 2014・12・1

 高校選手権大会神奈川県予選の決勝戦は、雨の中「ニッパツ三ツ沢球技場」で行われた。
両者互角で、日大藤沢1―0厚木北の争いは好ゲームで見ごたえがあった。日本大学藤沢高校は4回目の神奈川県代表になった。正月に行われる全国大会での活躍を期待したい。
次にいよいよ最終節を迎えた関東大学1部リーグ戦は11月中旬に全ての試合が終了した。最終節中大2−1筑波大の結果,筑波大が11位、東京国際大学12位となって全てが終了した。特に2部落ちした伝統ある我が母校筑波大学に対して今の所何を言えばよいのか言葉が見つからないが、これからの数年が勝負の年になると思う。厳しい冬がやってくる。戦後初めての2部落ちをした事は、大問題だと全国のOB達が感じているのだろうか?数人のOBだけかもしれない。我々の時代は終わった。そして今年の暮れに行われる第63回全国大学戦選手権大会は、関東から6校と全国各地区代表合計22校で争われる。

 さて日本のトップレベルの試合はやはりJリーグであろう。11月にJリーグ・ナビスコカップの決勝戦が埼玉スタジアムで行われた。サンフレッチェ広島2−3ガンバ大阪でガンバが優勝した。大会のねらいや位置づけについては、外野でとやかく言う資格はないが、ガンバの優勝はそれなりに価値のある優勝であったと推測している。そして天皇杯決勝戦は例年元旦に行われていたが、今年は特例で12月13日に「日産スタジアム」で行われる。国立競技場改修工事に伴い、久し振りにこの大会を主管する神奈川県FAはJリーグ同志の組み合わせになったこの決勝戦(ガ大阪対山形)であるが、会場を満杯にしなければならないだろう。未だPR不足を心配している協会関係者として、今後の対応をどうするか,TV、新聞等を通じて積極的に「日程の変更」をPRしてほしいと思っている。
Jリーグについてもっと質の向上を期待している一人として、海外のリーグ戦(プレミヤ・セリエA・ブンデスリーグ)を毎週TV観戦しているが、Jリーグと比較してしまうと、やはりその差は歴然としている。一番目につくのは、個の力の差、とスビードであろう。あのスピードと激しい当たりの中でしっかりと技術を発揮できなければ、ワールドクラスとは言えないと思う。4年後のロシア大会までにレベルアップ出来るのか心配している年寄りの1フアンであるが、現実に若手の状況はかなり悲観的である。

 さて12月に「神奈川県フットボールセンター」(FC)がスタートする。これからのサッカー協会が主管するあらゆる事業で、人工芝グランド・フットサル場・その他付帯設備の利用について、神奈川県のサッカー界が飛躍できるよう活用してほしいと願っている。

 今年はこの文章で幕を閉じるが、大分マンネリ化してきたので、2015年の1月号から、何か新しいことを考えたいと思っている。良い知恵があったら、教えて下さい。

           「特報・56回水戸将史君・衆議院選・出馬予定」
 神奈川5区(戸塚・泉・瀬谷)からの予定。これからのサッカー界の発展のために、大いに彼の力は役立つでしょう。頑張ってください。宜しくお願いいたします。
「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 懸念されていたことだが、日本は来年度開催されるU―17とU―20のW杯の出場権を得ることができなかった。背景には、ここ数年タイをはじめとするアジアや中近東諸国のプロリーグの充実のスピードは予想を上回るものがあるのだろう。ユース年代選手の育成の見直しについて、日本協会やJリーグ関係者での検討をマスコミは伝えている。
“攻撃で前へのスピードが遅い”相手ボールを奪い返す積極性がない“ボール際での強さが足りない”などなどが改善のテーマであるようだ。
ボール際の強さと云う点では、特にヘディングの競り合いやルーズボール、こぼれボールの奪い合いに勝つことは勝負を大きく左右する。そして、守備の積極性と云う観点では“良い守備から良い攻撃が生まれる”格言は今も活きる。世界のプロサッカーでも、中盤での積極性の高い守備で相手ボールを奪ってのショートカウンターで一気に得点の場面を多く見る。またもっともボール保持率を大事にする現在の日本スタイルでは、相手ゴール前へ直結するスルーパスやスピードの高いドリブルで相手守備ゾーンへの侵入の挑戦が少ない。
“うまくても勝てない”日本サッカーのこれからの上積みのテーマと理解する。
「中さんのメモ帳・NO36」


(平塚競技場・電光掲示板)(Shonan BMW スタジアム平塚)

サッカーシーズン                 2014・11・1

 秋になるとサッカーの試合が毎週行われて、週末はどこかのグランドに誘われる。表記写真は名前が変わった平塚の競技場である。グランドに降りてみると素晴らしい芝生の感触であった。流石に湘南ベルマーレのホームグランドである。Jリーグ1部に返り咲き来年からが楽しみである。湘南はベスト16で敗れたが、ベスト8の試合がこの会場で行われた。今年の高校選手権大会県予選の準々決勝が行われベスト4、(麻布大付属=厚木北高・桐蔭学園=日大藤澤高)が決まった。何れも実力互角で接戦の試合だった。そして準決勝が、11月1日、決勝戦が8日(ニッパツ三沢球技場)に行われ、神奈川県代表が決まる。正月の本大会での活躍を期待している。

 関東大学リーグ戦(10月20日現在)・12チーム中11位筑波大学、12位中央大学。サッカー界では名門といわれ、多くの日本代表、全国の優秀な指導者を輩出したこの2校がもしも2部落ちしたら返り咲くのは至難の業である。何とか踏み止まってほしいと願っている。箱根駅伝で筑波大の名前が消えてから何年になるだろう?陸上部のOBでもないのに寄付集めに参加して、毎年正月は湘南の海の近くで応援した、あの頃が懐かしく思い起こされる。

 関東社会人リーグ戦(2部)、神奈川教員6位、海上自衛隊厚木基地4位、で全日程を終了した。一応代表者の肩書がついているので、ホッとしている。アマチュアの社会人チームの中で、現職・教員、教員・志望者、のチームであるが、本務の傍らの教員チームでの活躍は立派な結果だと思っている。又自衛隊も仕事との両立で活躍している、海自厚木マーカスも流石だと思う。
一方このリーグ戦に大学チームが入っている不思議な現象があるが、大学生がチーム名を変えて1部、2部、に参加し、その上の全国社会人リーグ戦、そして本来の関東大学リーグ戦にも参加し、大人数の部員の救済のために、県リーグ、大学同好会リーグ等に参加して、4,5百人の部員の活動先を援護している現実を見るにつけ何か良い方策がないのか考えさせられる。

 さて別件になるが、国体の神奈川県少年選抜チームが本大会で5回目の優勝をしたと報告を受けた。以前の高校生年代で、やっていた時代と年齢枠が変わり(16歳以下)比較は出来ないが、素晴らしい結果だと評価している。
先日TV放映されていたが若い世代の日本代表チームがアジアでも勝てないようだ。日本代表のトップチームは世界レベルで放映されているが、若い世代はアジアレベルでも勝てない現実があるようだ。この現実を日本協会の指導者はどう見ているのか?何か良い策を講じて欲しいと願っている。
「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 アギーレ新生日本代表は、弟3戦のジャマイカ戦では最後のフィニュッシュ力不足が、そして弟4戦の対ブラジル戦では守備力の低さが改めて表面化した。いずれも個の力量が足りないと云うことになりそうだ。
監督として4年後を見つめた選手の見極めの段階だから、あくまでも選手の可能性、将来性の観点から評価をした2試合だったのだろう。しかし4年は短い。センターホワードは見定めなければならないし、センターバックは厳しい経験によって育て上げなければならない。それにしても親善ゲームとは云え、ブラジル代表との試合のスタートメンバーは驚きの一つであった。ネイマールのプレーを見るためのゲームであったと云われても致し方なしか。
日本同様、ブラジルの再生を託されたドウンガ監督のサッカーは、予想はされていたが、やはり攻撃以上に守備ブロックの構築から始められているようだ。
「中さんのメモ帳・NO35」


写真・全国大会二次予選。プログラム・選手82名

全国高校選手権大会二次予選               2014・10・1
 今年も何とか二次予選32校に入ることが出来、表記の写真をプログラムに載せることが出来た。そして第1戦、対相洋高校戦に2−0で勝利し、ベスト16に入り、10月12日の2回戦、対向上高戦に臨むことになった。相洋高戦の試合内容は既に報告されているが、ここでは私の感想だけを記しておきたい。特に個人技の優れた選手もいないが、4.5.1に近いシステムで,GKを中心にした4人の守備陣が、基本を理解して、堅い守りから攻撃するスタイルが安定し、これまで失点0で、2本のCKを得点しての勝ち上がりは立派だった。只これからは相手の攻撃力が上回ると思うが、同じ高校生同士の試合なので、今の方法で自信を持って臨めば道は開けると思う。更に上を目指してほしい。
尚応援に牧村OB会長を始め古いOB若手OBが沢山来てくれた。ありがとう・・
また多くの保護者、その他湘南関係者のご声援ありがとうございました・・・
この大会も県代表出場6回目から大分月日が経った。7回目を期待しよう・・・

話は変わるが、この秋は何故か「葬儀」が多かった。古いサッカー関係の先輩、東京の川口先生〈88歳〉、横浜の高野先生(91歳)、同期の校長K先生、茅ヶ崎のS氏〈94歳〉等々が鬼籍に入られた。尚若くして亡くなられた方もおられた。この夏の異常気象の影響かもしれない。ご冥福をお祈りする。
幸いに私自身は何とか暑さを乗り切り,ベストコンディションで涼しい秋を迎えることが出来たが、世の中老人ばかりだ。日本には現在、100歳以上の人が、5万人もいるとか?温暖化現象はますます悪化するようだ。これからの老人は生きて行くのが大変な時代になってきた。心しなければならない・・・。

 次に別件になるが「FC」即ち「神奈川県フットボールセンター」が11月にオープンする。日本で初めての「県サッカー協会」が運営する「FC」は50年来の私の夢だった。場所は相鉄いずみ野線(いずみ野駅)から徒歩で15分弱の所にあり、グランドとしては今後大いに利用されるであろうと期待している。将来交通の便も良くなれば、サッカー協会事務所移転も考えている。素晴らしい人工芝のサッカー場とクラブハウス(更衣室、事務室、会議室)フットサル場2面のこの施設が、更に利用され発展することを願っている。
「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 対ウルグアイ、対ベネズエラの親善ゲームで、新しい日本代表チームがどんなサッカーをやるのかに、サッカーフアンの視線は集まった。
“攻撃ではボールを持たない周りの選手が、そして守備ではボールにチャレンジしている選手と連携する選手が良く走るサッカーをやる”とした監督の意図を多くは感じるところまではなっていなかった。
チーム構成に新しい選手の起用もあり、全体練習の時間も短いのだからチームプレーの質の転換はこれからだろう。
攻守の色々な局面で、ボールの状況次第で、いつ、どこに、どんなスピードで、どんな方向にランニングすれば良いのかは、展開の“読み”や“判断”がそのベースである。現代では死語に近くなったような“ポジショニング”に直結するゲームでの大切な要素だ。
新しい代表チームのゲームで武藤選手、柴崎選手の二人の新人が、臆するところのない躍動と2得点は、これから代表を目指す若い選手に大きな希望と向上努力の意欲の推進力を与えてくれた。
「中さんのメモ帳・NO34」


(スケッチ・八ヶ岳高原・麓の別荘)

老いについて                 2014・9・1

 最初に現役の夏休みの報告をするつもりだったが、茨城県波崎での合宿には1日参加しただけなので、他の方にお任せする。只手元に届いている報告によると、走り込み中心の合宿も無事終了。湘南地区大会、市民大会、リーグ戦、等を終えて、8月末に前期末テストも無事終了した。そして9月21日からの選手権大会二次予選に向けて、最後の調整に入ることになっている。

 今回は表題の「老い」の問題であるが、先日48回生が「還暦のお祝い」をした。その時に話をしたかったことを、文章にまとめて見た。私が就職した半世紀前は「人生50年」と言われていたが、最近は「人生80年」、日本人男性の平均寿命が80歳になってしまった。私も来年は傘壽を迎える。あまり自分の年のことを話したくは無いが、還暦,古希、はあまり「老い」を感じなかった。

 そんな折、2年前に厚生省から発表された記録を見て驚いた。還暦を迎えた人の平均余命が、男子22.9歳、女子28.3歳となっていた。即ち日本人の男性は83歳、女性は88歳まで命があるという公式発表だった。個人差はあ
ると思うが平均余命がまだ5年もあると聞かされて、元気なのは当たり前だと思うようになり、少し考え方が変わってきた。

 体力の衰え、特に足腰の衰え、歩くスピードや平衡感覚(バランス)の個人差はあるが明らかに衰えてくる。しかし「気力」についてだが、私にしてもあれだけ精力的に描いていた「水彩画やスケッチ」の量がめっきり少なくなってきた。理由は解らないが「老い」はこんなところにも表れるのか?只描けなくなったわけではない。描きたいという意欲が湧き出てこないのだが、良い環境になるとやる気が湧いてくる。久しぶりに訪れた涼しい八ヶ岳の麓では筆を執ることが出来た。

 さて今月の表題の「老い」についてまとめて見たい。体力の衰えの個人差はあってもそれ程問題ではないのではないか。いろいろトレーニング法など研究され、これからも進化していくであろう。ただこれらを行うには(気力と努力)を楽しみとしなければならない。そうすれば「脳の老化」にもブレーキをかけることが出来るのではないか。私は「肉体の老化」は已む無し、と思うが「脳の老化」は防止できると信じたい。まだまだ解らない事ばかりだが、これからも新しいことに挑戦しながら生きて行きたい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 南米諸国のサッカーは選手の優れた攻撃のボール技術に目が行き勝ちだが、共通しているのは伝統的に、守備の文化、を持っていることである。アギーレ新監督のめざすサッカーもその例外ではあるまい。日本サッカーにも,守備の文化、がなかったとは決して思えない。Jリーグが発足し、ブーム化するにつれて、守備より攻撃に多くの関心が指導者と選手に持たれるようになったと思えてならない。かって歴代の日本人代表監督をはじめとして多くの指導者は、攻撃力のあるチームでも、守りの弱いチームに強いチームがあったためしはない。良い攻撃をしたいから強い守備網を作ると考えていた。アギーレ監督はどんな相手にも良いサッカーをやるのだ。そのためには先ずよく走るサッカーをやる。そういう選手を選ぶ。とマスコミに語る。これまでも、守備を免除、されていた代表選手はいないと思うが、時間は多少かかってもアギーレ色のサッカーを見せて欲しい。
「中さんのメモ帳、NO33」


(写真スタートメンバー)
GK・17岩村・DF・15佐藤、3砂流、2川勝、12齋藤・MF・19藤尾、8金井、11上松、9小野間、6相原・CF・10山根

現役の報告                 2014・8・1

 久しぶりに現役の明るい報告が出来る。既に報告されているように、冬の全国選手権大会の県一次予選を勝ち上がり、秋の二次予選に向けて充実した夏休みを過ごすことが出来そうだ。試合結果は対厚木商業に8−0、対湘南学院高校に1−0、対公文国際高校に2−0で勝ち上がってきたが、内容が良かったのを褒めてやりたい。竹谷先生のチームつくりの基本は、やはりディフェンスを固めて、思い通りに{作って}勝負に臨む姿勢がうまく機能している。3試合で失点0は立派だった。あくまでも頂点を目指して頑張ってほしい。決して夢物語ではない。これからの夏合宿を乗り越え秋に向かっての進歩を楽しみにしている。

 前回はブラジル大会の報告をしたが、帰ってきてから毎日のようにTV観戦が続き、いつまでも寝不足が続いた。やはり本チャンの決勝トーナメントは見ごたえのある試合ばかりで、どの試合も目が離せなかった。何が違うのか一口では言い表せないが、どの試合も歴史があり、国の代表としての誇りがあり,Wカップの重みのある試合ばかりだったが、やはりドイツの長年の積み重ねが優勝の美酒を勝ち取った。流石と云う言葉しか見当たらない。それに反し日本は不甲斐ない結果に終わったが、これが世界の中の日本だと受け止めるしかないだろう。そして新しい監督が決まった。メキシコ人の・・・氏だそうだが、私はあまり積極的な賛成の気持ちは持っていないが、又何処かで意見を述べたいと思う。

 毎日のようにTV観戦した感想を書くなら「サッカーは本当に楽しいスポーツ」である。そして世界のサッカーも神奈川県の高校サッカーも、レベルが違うが本質は同じだという事である。即ち守って,しのいで、相手より1点でも多く点を取るゲームだと思う。その為に必要なことは、個の力だけで戦うのではなく総合力で戦うという考え方が正しいという事である。最近のサッカーはどうしてもスターが表面に出てくるが、あくまでもチームスポーツの基本は総合力である。只個の力が進歩しているのは間違いない。そして日本人と同じくらいの体格で個人技の優れている選手が世界には沢山いる。世界で戦える日本人選手も増えてきたと云える。4年後のロシア大会を期待しよう。

 さて8月のスケジュールを紹介しよう。8月1〜6日まで湘南フェスティバル(近県のチームと湘南地区の高校と強化試合)の計画がある。尚9日はOB会を予定している。その日の夜(48回生)を中心に「還暦の会」を計画している。7年前から60歳になった学年上下2年で私が中心になり、このような集まりを始めてから好評で毎年実施してきている。別に特別の決まりがあるわけでもなく自由な会であり,誰でも参加していただき夏の夜を、懐かしい高校時代の思い出話に花を咲かせて頂きたい。そして現役は大事な合宿を11日〜15日(茨城県波崎)で行う。その後湘南地区大会、市民大会があり、月末に前期の期末テストがあり。夏休みを終えて9月に入る予定である。そして14日から始まる2次予選に臨むことになる。
「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 日本サッカーのスタイルは、長い歴史の積み重ねがあって到達したものだ。今日に至るまで容易に国際舞台で勝利できないと云って、ある時はドイツ的な、ある時はブラジル的な、またある時はスペイン的なサッカーに志向して揺れ動いた。そして、進歩を遂げた。チリ代表チームの見せたサッカーに、私は思わず日本の志向性を強く感じた。統制のとれたDFラインの強さと上手さに魅せられた。CBの持つ強いリーダーシップと選手の優れた戦術眼とフィジカルがあってのことであろうが、ラインを高く保って、対戦チームに容易にはパス突破もドリブル突破もさせなかった。勿論、前線や中盤での距離感を重視した相手ボール奪取への積極的な運動量の多いチームプレーの結果であろう。
今、日本代表の志向するサッカーは変わるのか、変わらないのか、あるいは、どう変わるのか。後に続くユース年代以下の選手は恐ろしいほど、敏感だ。
 「中さんのメモ帳・NO32」

6月18日・サンパウロ・サッカー記念ミュージアム前

ブラジルW杯観戦ツアー・6月16日〜29日         2014・7・1

 昨晩帰国したばかりで時差ぼけの状態でのまとめとしては不本意なものになってしまったが、いつものことなのでお許し願いたい。総勢16人は県サッカー協会関係4人、湘南0B関係11名、上の写真のようなメンバーで行ってきました。色々と初期のねらいはあったが、第1は日本サッカー代表の応援が主目的であった。結果と内容については既に報じられているのでここでは世界はまだ遠いという事を強く感じたことを報告したい。尚私の意見は別途報告書に述べたい。(このツアーメンバーは・38回小杉・山宮ご夫妻・41回相羽・42回沢地・43回加納・44回小杉勝ご夫妻・46回松元ご夫妻・KFA関係・城ご夫妻・大木ご夫妻・JTB)

 さて地球の裏側まで30数時間もかけて「ブラジル湘友会」との交流会、それは凄い懇親会であった。内容は湘友会報に報告されると思うが、古くは24回生中山氏、会長の定時制10回貞方氏、全日制41回・安井氏・小口氏他10数名の交流会は会長の貞方氏〈ヤクルト〉の豪邸に招かれ新旧交えた素晴らしいパーテイーだった。初めて口にする肉料理の数々とブラジル料理、そして奥様方の温かい接待、爽やかな空気のもと日本庭園で「湘南」の旗の前で校歌を声高らかに歌い「フレ−フレーしょうなん」のエールをかわし名残を惜しみながらバスでお別れをした。幸いに古い方(移民された方)新しい方〈商社関係で派遣されている方等〉全日制・定時制・私を知っている方が多く楽しく話をすることが出来た。予めお土産等の準備をしてゆくこともでき、満足のできる交流会であった。

 そして個人的な事であるが、昭和28年頃移民した私の実弟の墓参りが出来たことも私にとっては最高の思い出となった。弟のカミさんにも親しく会うことが出来、さらにその子供(甥)に会うこともできた。彼らが非常に日本人の良いものを受け継いできて、より日本人的な考え方をする好青年に育ち、さらにその子供たちが言葉は解らないが素直に良い子に育っている姿に接して、日本人の2世・3世・がより日本人的な考え方をしている姿に感動した。又、たまたま私が足の状態が良くないので、現地では杖を突いて歩くことが多く、色々の場面で人のいたわりに接する事があり感激したことを幾つか紹介したい。先ずブラジリアのポルトガルーガーナ戦の時、8万人収容のスタジアム観覧席の入場口で女子の係員が「あなたの席ははるか上の席で歩いて登るのは大変だから変更しましょう」と云って責任者を呼んで近くの席に変更してくれて大変助かった。水戸黄門様の印籠のように私のストックが役に立ったのには、驚きであった。入場時に先に入場が許されたり、帰りの空港で大混雑の中で特別優先に入場が許されたり、楽しい、盛りだくさんの、うれしい思い出の多いWC旅行であった。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」
 ワールドカップの大会には国の名誉がかかる。“世界を目指すサッカー”は兎に角激しい。“うまい”“うつくしい”は全く二の次で勝をめざす。いずれのゲームもボール際での競り合いの激しさは、それぞれの国内リーグの比ではない。フアウルすれすれのプレーに対しても、レフエリーのホイツスルは容易には吹かれなかった。1次リーグでのイングランドとウルグアイ戦は,かって見たこともない迫力に満ちあふれたゲームであった。両チームの選手の当たり合う音が聞えてくるような激しいスライディング・タックルは、キックオフからタイムアップのホイツスルまでグラウンドのどのエリヤにおいても続いた。どの選手もユニフォームの上からも部厚い胸が覗かれ、鍛え上げられた強靭な足腰とスタミナをもって闘った。そんな中での攻守の高度な個の技術やチーム戦術を発揮している90分間に、改めてサッカーの持つ深い魅力に引き込まれた。大会を前にして日本サッカーの進歩を世界は評価していた。しかしそれは強化のための親善ゲームを通してのものであったかも知れない。グループ予選対コートジボアールの2失点の以後は、選手全体に強い精神的ショックがかかったのか、持っている能力の半分も出せず、自ら敗れた感が強いが、どうであろうか。
 「中さんのメモ帳・NO31」

(新1年生部員・35名・マネージャー2名・長コーチ・竹谷先生)

世界のサッカー事情                  2014・6・1

最初に現役の活動状況であるが(高校サッカーのメール通信)で報告されているので細かなことは省くが、インターハイの一次予選は5月5日に3回戦で逗葉高校に0−3で敗れた。残念な結果ではあるが、一時予選5試合、2次予選5試合を勝ち上がらないと県代表にはなれないというトーナメント戦の組み合わせによる。弱小チームには気の遠くなる様な話であるが、2年続けてこの敗戦は残念な結果であり、ここが試練だとしっかり悔しさを?み締めて再出発して欲しいと願っている。

そして最近のサッカー界を見ていて強く感じることは、喜ばしい状態なのかどうかは確信を持って言えないが、サッカー人口(蹴っている人間、見ている人)は数を把握できないほど増えている事は確かな事実である。湘南高校サッカー部も35名+2名が加わり総勢90名ほどになった。日本全体を見渡しても子供達、女子、大学生、そして社会人のサッカー人口は膨大な数である。先日も新聞に世界のサッカー事情で,FIFAの経済活動、市場売上、等書かれてあったが、正に経済大国日本にとっても大変な時代がやってきたとも言える。

只その異常なほどの変化をトップの人たちがしっかりと把握して計画的に指導運営がなされているのか心配である。私ごときが口をはさむ事では無いとも思うが、真剣に考える時期が来ていると強く感じている。特にプロの世界とアマチユアの線引きをキチッとしないといけない。そして日本国内で実力を発揮出来ない多くのプロの卵が、東南アジア、中国、韓国、等へ流出し、ヨーロッパのプロリーグも歯止めが利かなくなってきているとも聞いている、この状況をどう対応するのか心配である。

今年の5月の連休は、高校、大学、社会人の試合を見る機会が多かった。特に最近関東大学1部リーグ戦の顔ぶれが変わってきた。1部12校の下から筑波大学,桐蔭横浜大学、中央大学、東京国際大学・・である。老舗の一度も2部落ちしたことがない私の母校筑波大と中央大学が危ない、前期いまだに勝利がないのを見ていると、2部に落ちるのではないか心配になってきた。現役に発破をかけるよりも、抜本的な解決法を探らなければダメな時期に来ているような気がしてならない。

いよいよW杯の日本代表が決まった。色々な意見が錯綜するが、結果は監督ザッケローニの考え方だろう。我々はそれを信じて応援する事しか出来ない。期待してブラジルに出かけ、冥土の土産にしたいと思っている。そして毎日のようにTV放映されている他の国の情報であるが、ボスニア・ヘルツゴビアの初出場である。あの日本代表を率いたオシムが戦国3国のサッカー協会を一つにまとめての本大会への出場は見事な快挙と云えるだろう。その他日々変化する世界のサッカー事情を、見たり聞いたり出来る幸せを肌で感じる今日この頃である。

              「アジショナルタイム・三村恪一氏」
23人のワールドカップ戦メンバーが決まった。スコアーで云えば1対0ではなく、3対2で勝とうと云う意思の表れたような攻撃的選手を重視した構成であった。誰が云ったのかは、さだかではないが、「目標ベスト8以上」を達成するため、センターバック2枚と守備的ボランチの奮迅の活躍を期待したい。
グループ予選は、3ゲームのリーグだがトーナメントと実質変わりはない。この4年間、積み重ねてきたゲームでの主導権を支えるコンビネーションと攻守での連動性に優れた日本スタイルで、第1戦の対コートジボアールに勝利がどうしても欲しい。大会使用球はブラジルをイメージしたデザインで“ブラジル人の誇り”を意味する“ブラズーカ”の名を冠したもの。後世に語り伝えてられるような、どんな“誇りある”名場面を生むだろうか。
「中さんのメモ帳、NO30」

「スケッチ・茅ヶ崎中央公園の桜」・4月4日

シーズン開幕                  2014.5.1
 桜とともにサッカーのシーズンが開幕した。まずは湘南高校の現役はヨーロッパ遠征から帰り、直ぐに「関東大会2次予選」が始まり、既に報告があったように4月5日(土)に1回戦4−0逗子高校に勝ち、2回戦は2−4湘南学院に敗れはしたものの新しい監督のもとにスタートした。そして月末から「インターハイの予選」が始まった。私の関係している神奈川教員チームもリーグ戦が開幕し、又関東大学リーグ戦も始まり毎週土曜、日曜、は試合観戦が楽しめそうだ。

「月日の経つのは本当に早い」。私の湘南高校教員最後の年に藤塚先生と一緒に教えた生徒が既に全国大会へ出場してから26年になる。このメンバーが中心のチームが先日四十雀の県大会(県議長杯)で優勝した。彼らも皆40歳を過ぎ良い親父さんになっている。今度赴任された新顧問の「竹谷先生」はサッカーの指導者としての実績も経験も豊富であるが年齢は36歳とまだ若い。あと10年は湘南サッカー部の顧問として指導を務めてもらうことが出来るので、この先生に希望を託し、宜しくお願いしたいと思う。

さて話は変わるが、先日NHKのTV放映でブラジルWcap特集としてブラジル代表のネイマールのドリブルとキックを特殊カメラでの技術分析と、スペイン代表のシャビとイニエスタの周りを見るパス感覚を脳ドックの機械で頭脳分析をしていた。最新技術を駆使したTV放映は素晴らしかったが、それが現代サッカーにどう生かされるのか?見ていたサッカーの指導者や選手にはどう映ったのか興味深かった。半世紀前に私が仲間と共にストロボ写真を撮ってキックやドリブルの技術分析をした懐かしい記憶と経験を思い出して、機械の進歩は認めるが選手達の技術分析のねらいはあまり変わっていないように感じた。

そして今回のWcap観戦計画は、広大なブラジルの開催地サンパウロを起点として動く計画をしている。我々は第2戦ギリシャと日本の試合を「ナタール」まで飛行機で片道3時間半、第3戦対コロンビアの試合を「クイアバ」まで片道2時間15分の行程を考えると想像を絶する広さとその応援旅行のエネルギーの消耗を考えただけでこれは年寄りには少々無謀なのか?だんだんと大会が近付くに連れて体力は大丈夫かと不安になってくる。それに加えクイアバは黄熱病の予防接種地域だというので横浜の検疫所へ行って予防接種までしなければならない。最近TV放映される開催地ブラジルの状況は経済の不安や、それに伴う会場のスタジアム建設の遅れや、デモの話を聞くと不安が増すばかりだが、止めようと云う話は出てこない。本当にサッカーが好きな仲間ばかりなのだろう。あまり余計なことを心配しないで純粋に本場のサッカーを楽しんで来たいと思っている。そしてペレやジーコが顔を出してくる本場の雰囲気を味わえれば冥土の土産にもなるだろう。それに備え毎日トレーニングを心掛け皆さんのお荷物にならないように臨みたいと思っている。

               「アジショナルタイム・三村恪一氏」
日本女子17歳以下の代表チームは、コスタリカで行われた世界大会で優勝した。勝負に出なければならない局面で、個人が積極的に挑戦したことを新聞は評価した。攻撃ではパスを数多くつなぎ、相手ボールには数的優位を作ってプレッシャーを高める代表と同じ日本スタイルのサッカーが、これら若い年代の選手達にも浸透している感が強い。こんな日本スタイルは1923年頃、ビルマ(現ミャンマー)から留学生として来日していた(チョウ・デイン)によって、早稲田大学や神戸一中に伝承されたスコットランドを思わすサッカースタイルが源流なのだろうか。すぐれた戦術眼に裏付けられたイマジネーションのあるプレーの素晴らしさこそサッカーの大きな魅力だ。そして攻めるにしても、守るにしても選手の“個の力”が“システムの力”打ち破るシーンには感動を覚える。日本サッカーの更なる進歩を待つ。
「中さんのメモ帳・NO29」
 
「作品・東京大学赤門」
 新年度を迎え                2014.4.1
 掲載した東大・赤門の作品・水彩画・F4であるが、昨年、現役が練習試合に行った時に描いたものである。赤門について思い出すのは、悲しい話になるが半世紀以上も前になる私の大学時代、この門の前で交通事故死した(I君)東大サッカー部の主将のことだ。彼は高校時代一緒に全国大会へ行った仲間だった。以前にも書いたことがあるが、彼が大学4年の時東大が関東大学1部リーグから下に落ちてしまった。それ以来さらに下の東京都リーグで現在活躍しているが、いつの日か上に上がってくるのを期待している。 さてこの春現役の大学進学の状況であるが、サッカー部の選手で3年間活躍したかなり多くの卒業生が有名一流校に合格している、東大2、京都、大阪、一ツ橋、東北、御茶ノ水(マネージャー)横国各1、早稲田4、慶応1、等現在把握している人数であるが、正式な数はそのうち報告があると思う。中心選手の工藤が東大,主将の山崎が京都に合格しサッカーを続けるので、大学での今後の活躍を期待したい。そして東大がリーグ昇格することを楽しみにしている。

そして現役の新しいチームは春休みに入り活動を始めた。今年から初めて実施した静岡遠征は(清水東、静岡、旭ヶ丘、四日市、甲府第一、岐阜、韮山、富山中部、湘南)、の9校が磐田のエコバに集まり交換試合を行った。岐阜、旭ヶ丘には勝ったようだが、帰りにバスで東京に回り、筑波大学の付属との第66回定期戦を行ない1-1の引き分けだった。久しぶりに見た現役は、覇気がなく、技術的にもお粗末だったが、これからのチーム作りに期待したいと強く思った。そして別途報告があると思うが3月21日から10日間のスペイン・イングランド遠征を実施した。さらに既に発表があったが第57回の関東高校サッカー大会県予選の組み合わせが決まった。4月5日に始まり4月末には代表が決まるようだ。(高校サッカーのHP参照)

ここで重大な報告であるが、現顧問の小林周太郎先生の転勤の話である。勤務先は神奈川県教育委員会の指導主事としてご栄転になった。我々も学校側もせめて来年にと強くお願いしたが叶わなかった。遠征中の3月末に連絡があり、正式発表になった。先生の今後のご活躍を祈念したいと思う。 それに伴い後任が竹谷睦先生・36歳(たけやむつみ・横浜栄高校からの異動)。詳細はゆっくり報告するが、サッカーの指導者としてはJリーグ、神奈川教員、県内高校教員、の経験豊富な私も良く知っている優秀な指導者である。OB、保護者、その他湘南関係者のご理解とご協力をお願いしたい。

               「アジショナルタイム・三村恪一氏」

これまで、商品広告の分野で媒体としては殆ど人気タレントが使われていた。しかし近頃とって代わってプロサッカー選手や指導者までを使ったものが多くなった。テレビの映像や一流新聞を含め地方新聞に大きなスペースをとって出される。日本でのプロスポーツは、大相撲やプロ野球など人々に親しまれて来た大先輩があるのに、ここまでクローズアップされるのは、サッカーを楽しむ選手やゲームを見て楽しむ人が如何に多くなったかを物語っている。それらコマーシャルに登場させられた選手は、常にイメージダウンとならないような活躍を求められることになり容易ではなかろう。自らがプレーして楽しむスポーツの代表格であったサッカーが、今では見て楽しむスポーツへ転じて来ている傾向もある日本サッカー界だ。ヨーロッパ諸国のサッカー王国のサッカー文化の歴史を追従することになるのだろうか。

「中さんのメモ帳・NO28」
 

 スケッチ・グリーンハウス・大船観音像  
                               春近し 2014・3・1


2月は三寒四温、寒い日もあり、暖かい日もあった。春の一日スケッチブックを持って出掛けるのは、やはり湘南の景色である。湘南の海、江ノ島、大船の観音様・・・そんな時久し振りに出掛けた「グリーンハウス」「大船観音」のスケッチである。この建物や観音像を見ていると色々な過去が甦ってくる。そして今は亡き体育の仲間達のことが思い出される。先日亡くなられた湘南の卓球部を長く面倒を見てこられたOt先生。硬式テニス部のOm先生や、体操のNj先生、陸上部のKmさんも若くして逝ってしまった。このようなデッサンをしていると色々な過去が思い浮かんでくる。体育センターの所長だった「オジサン」ことSg先生も懐かしい顔だ。鬼籍に入られた方々の顔が思い出されるのも寒さのせいかもしれない・・・。

まだまだ寒い2月は新年度に向けての準備期間である。私も寒いのでグランドに出向かず、関君からのOB通信を聞いて現役の状況を確認していた。1年のT君のご母堂のご逝去を耳にした。高校時代に母親を亡くされる事は本当に悲しく、お気の毒なことだ。心からお悔やみ申し上げる(合掌)・めげずに頑張って3年間蹴って欲しいと願う。そして関東大会に向けてのシード決めの試合があり、新しいシーズンに向けての準備が始り、新1年生の入試の時期でもある。大型新人を期待しよう。

そんな中毎日のように報道され冬のソチ・オリンピックであるが、10代の選手のスノーボードでの銀と銅メダルの活躍。そして羽生選手のフィギュアスケートの金メダル、スキーノルディック、個人ノーマルヒルの渡辺暁斗選手とラージヒル葛西選手の銀メダル等々日頃見たことも無い競技をテレビ観戦出来たのは楽しかった。特に今年は二回にわたる大雪で年寄りにとっては外に出るより暖かい家の中でのテレビ観戦は何よりであった。私は団体種目アイスホッケーを一番楽しみにしていたが、やはり歴史と伝統のある女子はアメリカとカナダ、男子はスエーデンとカナダの決勝試合は男女共に互角の戦いで、迫力ある試合内容は本当に素晴らしかった。日本の男子が出場できるのは何時になるのだろう?

さて今年も現役の1,2年生がこの春休みにスペイン遠征を実施するが、この事業も昨年と変わり開催母体が学校側からサッカー部側に変更になった。学校行事として運営してきたが、県の立場で主体的に応援できる内容ではないと判断され、最初の頃と同じように、OB会と父母会に任され費用は全て自己負担となった。指導者の費用、OBコーチの費用等全て自分達でまかない、春休みの期間だけという事になった。私も最初の頃は代表者として2回ほど同行したが、どちらが主体であっても内容は変らない、ただOB会側の負担が多くなり大変であるが、大きな成果を上げて欲しいと思うし、又選手達は多くのことを体験し、学んで欲しいと願っている。

そしてやはり気になるのがサッカーのワールドカップである。メジャースポーツの世界に胸を張って仲間入りできるのが、サッカーと野球であろうと思うが、どちらも後一歩というところだろう。しかしながら、今の日本サッカーがあるのは、世界のスポーツの仲間入りの出来るあらゆる物(政治・経済)を含めバックにある底力(ソコジカラ)のあるサッカー文化が日本に根付いてきたと思う。それには結果を出さなければ駄目だろう。そんなことを考えながら、今年こそと意気込みブラジルでのWcup観戦を期待して、“ワクワク”している今日この頃である。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

1.6月のブラジルW杯は、グループ予選の初戦で当たる対コートジボワールのサッカーについて興味ある新聞記事があった。ゴール前では攻撃選手と守備選手が当たり合う音が“ガチン”と聞こえるほど烈しいサッカーがコートジボワールのサッカーだと記事は始まる。プレーのうまさ、強さ、速さ以上に代表全員を支えている最大の力は、他の参加国の選手より自分が代表であり続けようとする熱い熱い執念があることだと記事は指摘する。そして「選手全員がチームプレーを大事にするサッカーは、内戦を繰り返した歴史を持つコートジボワールにとって、種族を超えて結束を強める」と云う日本にはないサッカー文化の一面をもっていることまで記事はふれていた。ゲームの勝敗にメンタルは大きな要素だが、どんな結果となるか、注目の一戦だ。

2.“ボール保持率”なる言葉と数字が現代のサッカーゲームのTV中継では必ずと云って良い程出てくる。国の内外を問わず、ボールを数多くつないで、つないで、その間に相手チームの守備の乱れがあれば、そこを突いて行くサッカースタイルが主流だ。ボールをつないでいる間に、相手チームがカバーしにくいスペースをフリーランニング選手のパスを入れ、相手守備組織の決定的な混乱を作り出して得点を狙う訳だ。そしてボールを保持しているからこそ、バイタルエリヤ近くでのフリーキックやコーナーキックのチャンスを得て、そのセットプレーからの得点が勝負を決めることが多くなる。しかしサッカーは時間帯やゲームの推移によっては意図的に相手チームにボールをキープさせていることだってある。圧倒的なボール保持率を示したチームが、数少ない相手チームのカウンターから破れてしまうことが間々あることにも、サッカーの奥深さを思う。

「中さんのメモ帳・NO27」

 書初め                  2014・2・1

元旦の「天皇杯」の決勝戦は中村選手と中沢選手の活躍で、日産マリノスが優勝して2014年の幕が開けられた。上の写真は久し振りに書いた「書初め」である。「観・空・無」今年の想いを「書初め」に書いた。少し補足をすると「観」は見えてくる、理解する、そして世界が開けてくる。少し考える事があって昨年365日、毎日「般若心経」の写経をしてみて何かが少し見えてきた。「空」はこの世の全てがこの一字になるのだろうか?「無」は19文字も書かれてあるが般若心経の本質なのかも知れない。毎朝40分の写経を楽しんでいる。「継続は力なり」等と思ったりしたが、そんな言葉では言い表せない何かを得ているような気がする。

 さて全国高校サッカー選手権大会準々決勝を見て、準決勝に残った4チーム(四日市中央、富山第一、京都橘、星稜)何れも関西方面の学校が残った。今年は西高東低、東の学校が全て破れた。それなりの理由があるのだろう。高校サッカーも様変わりしてきた。50年前に京都(紫光クラブ)で一緒に蹴っていた仲間達の息子や孫達が国立競技場で蹴っている姿を見て、時代の移り変わりを強く感じた。

 正月に息子の車で3年ぶりにスキーに出掛けたが(サンメドーズ清里スキー場)まだ何とか転ばずに滑る事が出来た。帰ってからニュースを見ると外国の有名な方がスキーで大怪我をしたことが報道されていた。80歳近い年寄りはゲレンデにはあまり見当たらなかったが、帰りの温泉では老人達で賑わっていた。この体力ならブラジルW杯観戦は大丈夫だと己に言聞かせて帰路に着いた。

 そして「書初め」の文字と一緒に「コマ」の絵を描いた。「中」を絵にすると「独楽」になる。バランスが私のサッカーの原点である。日本代表チームの進歩を実感したのは、暮れに行われた仙台の「チャリティーサッカー」で、若手のメンバーがスピードの中でバランスを崩さずダイレクトのパスが続き、「柿谷選手」が2得点した場面を見て、代表チームが変ったと感じたのは私だけでは無いと思う。そんな事を感じながら今年のサッカー界を予想してみると、本田選手のイタリヤ・ミランでの記者会見の様子を見て、何か少し開けてくるような雰囲気を感じた。ブラジルでの日本代表チームの活躍を期待して、そんな良い年になる事を夢見た正月だった。

 更に書き加えると高校選手権大会の決勝戦は5万人近い大観衆の国立競技場で、富山第一高校3−2星稜高校の試合は富山第一が延長戦を制して優勝した。20数回も出場している北陸勢同士の決勝戦は関係者にとっても感慨深い物があったと思う。共に地元Jrクラブユース出身者が目立った大会だったが、試合内容は決勝戦にふさわしい素晴らしい試合だった。両校の選手達も何れ何年後かに日本代表として顔を出してくると思われるが、あまり急がずじっくりと体と頭を鍛えてから代表選手になって欲しいと思っている。特にこれからは言葉の問題を克服して、国際的に通用できる選手が求められてくると思うので、指導者は広い視野を持って指導して欲しいと願っている。

話は変わるが、正月TVの衛星放送はスポーツで盛り沢山であった。箱根駅伝に始まり、ラグビー日本選手権大会、サッカー高校選手権大会、サッカーセリエA、プレミヤ、そしてアメリカンフットボールの最終カンファレンス、等楽しませてくれたが、それぞれそれなりの面白さがある。アメフト、ラグビー、バレー、バスケット、は日本人向きではない。即ち基本的に、体の大きさ、高さ、が無ければ勝負にならない。その点サッカーはそれなりに戦えば世界に通用する日本人向きのスポーツではある。本田選手がイタリヤのマスコミにアジアのベッカムと言われるのも頷ける。そしてミランでエンボマやカカとコンビを組んで、インテルの長友と戦う姿をTV観戦出来る日が、近く実現するのを楽しみにしている。

最後になるがサッカー・高校選手権大会、大学、女子、天皇杯、何れの大会の決勝戦も「国立競技場」で行われてきたが次の2020年東京 オ リ ン ヒ ゚ ッ クの関係で暫くは「国立」が使えなくなる。それぞれの大会を来年は何処で開催するのか、大変興味深く思っている。神奈川県にはW杯の決勝戦を開催した「横浜・日産スタジアム」がある。観衆6万以上を考えるとネームバリューからもここが最適な会場だと言えるだろう。特に横浜の立地条件は日本一であり、新幹線新横浜や羽田空港等の交通の便も良いので、是非多くの大会を開催することが出来るよう来年に向かって働きかけたいと思っている・・(今年の初夢だった)

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

 本年度の全国高校サッカー選手権大会で富山一高の優勝を関係者と云えどもなかなか想定し得なかった。しかし、富山一高はこの選手権大会に25回の出場を誇る伝統校の一つである。ジーコ監督の率いる鹿島アントラ−ズ全盛期にCFとして華々しくデビューし、日本代表として活躍した「柳沢敦選手」を輩出している高校である。惜しくも準優勝となった星稜高校も24回の大会出場校。イタリヤ・ミラン入団で今をときめく「本田圭祐選手」の出身校である。決勝のゲームは本当に名門校対決と云う感を強く持った。国立と云う大きな舞台で両チームの選手達は、ものおじすることのない落ち着きあるプレーで各人の持つ技術力、戦術力を前面に出し切った好ゲームであった。これらユース年代の選手としては、その精神力とフィジカルの強さを見せられた思いが強かった。夕暮れ近くの夏の暑さの中で、あるいは11月には雪を踏んでの練習も多かったには違いない。

「中さんのメモ帳・NO26」

「年賀状・2枚・新東京駅・輪」

 

 新年を迎えて                2014・1・1

明けましておめでとう御座います。この紙面を借りて新年のご挨拶とさせていただきます。

2001年に(中さんのメール通信)としてスタートしましたが、2005年から(続メール通信)2010年から(続々メール通信)2012・1月(中さんのメモ帳)として再出発して26回目を迎えました。湘南の現役の活動を中心にサッカー全般の話題を中心に書いてきましたが、内容がマンネリ化してくるので、私なりに苦労をしています。やはり素人の悲しさ、満足の出来る文章はなかなか書けません。お許し下さい。

さて今年の話題はなんと言っても、2014“ブラジル・ワールドカップ”でしょう。過去の1998・フランス大会・2002日本開催・2006ドイツ大会・2010南ア大会・と書いてきましたが、今回はかなり期待できる大会になりました。詳細についてはマスコミで色々報告されているのでお任せして私なりの感想と意気込みを述べさせていただきます。第1戦対コートジボアール(アフリカ)、第2戦対ギリシャ(ヨーロッパ)、第3戦対コロンビア(南米)との3試合を予想して観戦計画を立てて見ると、一つも楽に勝てる相手がいません。いやむしろ1、2戦で破れ第3戦はスカの試合になるのではと心配しながら、第3戦で予選リーグ1,2、位の切符を取れると信じて、ギリシャ戦(6月19日・ナタル)コロンビヤ戦(6月24日・クイアバ)の観戦計画を立てています。試合は水物で何とも言えませんが、地球の裏側まで還暦を過ぎた湘南OB数名の爺達の先頭に立って応援しようと言う気持ちを買って欲しいと思います。そしてザックJAPANの結果を見届けて日本に戻り、その先はゆっくりとTV観戦したいと思っています。最近のマスコミ評を見ると大分株があがっています。特に横文字で「インテンシティー」を発揮させる為の選手起用等と言う事が書かれていますが、選手が良い状態で早い連動した動きが出来るようにするための監督の采配を期待したいと思っています。

2013の締めくくりはU18高円宮杯の決勝戦と大学選手権と女子の皇后杯です。先ず暮れに行われたU18の高円宮杯は、高校代表の流通経済大学柏高校とセレッソ神戸になり柏高校が優勝しました。(高校とクラブの共生問題は別途書きたいと思います)そして大学選手権ですが、やはり関東と関西の決勝戦になり(国士舘大学1−3大阪体育大学)という結果で大阪体育大学が2回目の優勝をしました。そして皇后杯は(神戸と新潟)になり、神戸が延長PK戦を制し4連覇で優勝しました。(女子のプロサッカーも男子大学サッカー、女子の大学サッカーもかなりの高レベルの大会になりましたがこちらもその内ゆっくりと書きたいと思います)

2014のスタートとなるのは、元旦の天皇杯決勝戦です。J1同士(横浜Fマリノスー広島)今年のリーグ戦1,2位の対戦に落ち着きました。暮れに行われた、神奈川県サッカー協会が主管した準決勝戦を日産スタジアムで観戦しましたが、観衆2万人以上の大会を主管するのは大変な労力が必要であり、地元役員の方々本当にご苦労様でした。又それなりの収入があったと思いますが、来年度の協会運営に大きなプラスになることを期待しています。試合は中々の好勝負で楽しませて貰いました。そして元旦の決勝戦の後に高校選手権の開会式が行われ恒例の三沢競技場での楽しい試合観戦が待っています。

「アジショナル・タイム・三村恪一氏」

マリノスの中村俊輔選手がJリーグ史上初のMVP、2度目のタイトルを受賞。サッカーでのキャリヤーの重要性を思う。“小学校6年生に面白い子がいるので見てくれないか”と彼の小学校時代を教えた指導者の言葉があったので、茅ケ崎のグランドで練習ゲームを組んでもらい、見た。小さく、細い体。そして、きらめくようなセンスが随所に躍るドリブル。ゲーム後にとんでもない無理な事を彼に言ってしまった。「もっと遠くを見たら君のドリブルはもっと素晴らしいものになるよ」。長いボールを蹴れる体力が無い少年に言うべき言葉ではない。彼を見るたびに自らの未熟さを思い出す。そして、彼がプロのユニフォームを着るようになった時、ある会合の席で、俺の胸を前後から叩かせた。そして彼の薄い胸を叩いた。“作れよ”の一言を彼に言った。“私の中では、本当のMVPは同僚の中沢選手だ”と彼がコメントしたことを新聞は伝えた。彼の「厚さ」が嬉しかった。

 「中さんのメモ帳・NO25」

ブラジルW杯                2013・12・1

いよいよ各大陸の予選が終了して、32代表が決まった。12月6日に組み合わせ抽選が行われ、大会日程、試合会場も決定する。来年の6月A~Hの8グループでブラジル国内12会場の予選リーグ戦が行われる。そして16チームによる決勝トーナメントがあり、7月13日に決勝戦で幕を閉じる。日本チームが何処の組に入り、対戦国が何処になるか興味があるが、日本より弱い相手が同じグループに来る可能性は僅かである。

湘南の旧いOB(60歳台・8名・奥様・他)約20名のツアーを組んでブラジル旅行の計画を立てている。毎度冥土の土産と言いながら楽しみにしているが、只今回はかなり遠距離の強行軍であり、老人にはかなりハードである。又肝心の入場券の入手がどうなるか、宿泊地、宿舎、フライト計画等、不確定要素が多いのでこれからが大変である。ブラジル全土の広さは想像を超える。会場移動が飛行機で3時間以上もかかるというだけでウンザリである。(上の地図にあるように赤丸、海岸線・9都市、と内陸・3都市で開催される)

「2006・7・7・続中メール7月号・抜粋」(ドイツ大会の時に書いた物)

冥土の土産にと思って6月17日から9日間ドイツに行って・日本vsクロアチア・イングランドvsスウェーデン・アルゼンチンvsオランダ・日本vsブラジルのゴールデンカードを観戦、サッカーの醍醐味を存分に堪能してきた。結果については皆さんご存知なので、私なりに感じてきた日本チームの・過去・現在・未来について書かせてもらうことにした。先ず日本の戦い方について、フランス大会・日本大会・ドイツ大会と3回の大会を見てきて、岡田・トルシエ・ジーコ、と比較しながら、試合内容や結果はともかく、世界と戦えるレベルまで来たと言っても良いだろうと感じたのは私だけではないと思う。フランス大会で初めての出場で涙して君が世を歌った感激とは違う「世界の仲間入りが出来たかな?」と言う感触を掴めたようだ。「中さんそれは甘いよ」という人は沢山居ると思うが、20年前に高校生の日本代表を連れてデュセルドルフの大会に参加した時と、今回の代表チームの戦いを見て比較すると隔世の感があるが、時代の流れとは別に確かに進歩は見られると思う。それは戦い方とか技術・戦術・の事より「世界の中の日本」と言う事を肌で感じることが出来た。即ち日本のサッカーが一人前に近づいて来たかな、インターナショナルになったと言う事なのかも知れない・・(途中であるがここで終わりにする)

さて7年前のこの時期にJFAは10年後、世界のベスト4を目標に打ち出していたが、あれから8年が過ぎた。確かに世界の仲間入りは出来てきたかもしれないが、まだまだと言うのが真実だと思う。11月のヨーロッパ遠征の試合結果を見てもわかるように、1勝2敗1分で日本は世界ランク44位、対オランダ(世界ランク8位)2-2の引き分け、対ベルギー(5位)2-3で勝ち、の結果は素晴らしかった。あくまでも テ ス トマッチであり試合内容を重視すると監督は言っていたが、攻めの部分でよいところは沢山ありベルギー戦の勝ちゲームは素晴らしかったが、守備について多くの不安材料を残した。競り合い場面で個の力不足で失点の場面が悪すぎると感じたのは私だけではないと思う。

そんな観点から現在の高校生・大学生を見るとまだまだ力不足を感じる。私が現役の指導者として高校生を指導していた時、30年〜50年も前の指導方法が古いかもしれないが、現代に通じる物だと思っている。即ち対敵動作の技術は古い新しいは無いと思う。相手のボールを奪う技術や相手ディフェンスをかわす技術は100年前と変らない。唯スピードと上手さ、が増しているのは事実である。そんな観点から世界に通じる、速さ、強さ、の優れた新人が未だ出現しないのは何故だろう?日本人の特性か?動物的本能に優れた人種ではないがもっと優れた新人が出現しても良いのではないかと夢見る今日この頃である。

先月号に書いたが高校冬の選手権大会神奈川県代表が今年も「桐光学園」に決まった。2年連続で座間高校が決勝で敗れた。悔しいと感じていると思うが指導者も選手も心新たに来年も挑戦して欲しいと願っている。一方関東大学リーグ戦一部は予想通り、優勝が専修大学になったが、大変良いチームだった。一方下位で2部落ちしたのは東洋大学と日本体育大になり、順当な結果になったが返り咲きを期待したい。最近は筑波、早稲田、明治、中央、慶応等の伝統校が優勝しないので古いOBたちは寂しく感じていると思うが、又次の手を打ってくるだろうと期待している。頑張って欲しい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

ヨーロッパ勢を相手に1勝2敗1分の、ザッケローニ日本代表を、永らく沈黙を守っていた元日本チーム監督オシムが語った。

“日本が目指しているサッカーは間違っていない。その組織的なサッカーは魅力的でスタイルを変える必要はない。世界中、現在の日本代表に簡単に勝てると考えている国はない。守備に関しては、ボランチのところの高い守備力が大事になる。本田のボランチも考えられるのではないか。”さぞかし、辛口の厳しい言葉が出てくるのではないかと思っていたが、意外や”日本サッカーは魅力的だ“と賛歌の目。以前オシムの下で仕事をしていたコーチは「素直なオシムの見解」なのではないかとフォローしていた。

迫り来るブラジル大会で「うまさ」で勝ちきれる相手はなかろう。個の強さを持つ第2、第3の本田が必要になる。

「中さんのメモ帳・NO24」

  データーの分析          2013・11・1

先日このデーターが朝日新聞に掲載されていた。日本代表チームの試合分析で本田選手からのパス回数を記録した物である。パスの回数とシュート回数の関係や、得点場面の分析、勝ち負けの試合、親善試合、公式戦、等々ゲームを色々な場面で分析しているが、サッカーと言うスポーツはそう簡単に分析できるものではない。そこが奥深いと言える理由で非常に興味深い。(サッカーのゲームで大事なことは動きの連動が上げられるであろう)

10月に行われたヨーロッパ遠征日本代表の強化試合を見ると、1戦セルビア2−0日本、2戦ベラルーシ1ー0日本、11月対オランダ戦の、親善試合であるが、日本の守備力の未熟さが目に着いた。この守備力で本大会に臨むのならば不安一杯である。守備で競り合いにおける個の強さ、攻めの場面での早さ、強さ、上手さ、等を分析することは不可能だろう。その辺のノウハウを感じチームに生かすのが監督の才腕になるだろう・・ザッケローニに期待したい

話は変るが オ リ ン ヒ ゚ ッ ク開催が2020年に東京に決まった。私の記憶だと1964年の10月10日がこの大会の開会式の日で快晴の日だった。それが何時の日か毎年、(体育の日)が変わるようになってしまった。剣道家の亡き私の父の命日が[10月10日・体育の日]と記憶していたのがこのように、変ってしまい、剣道9段・範士、と記憶していたことも、先日剣道家の後輩に聞いたところ、今は9段と云う称号はなくなったと聞かされた。またその頃スポーツ選手は練習中に水を飲むなと指導されてきた。それは理由があったのだ。昔の軍隊では行軍中に生水を飲むな、水道水は下痢を起こすと言われ決して生水を飲ませなかった。今は衛生状態もよく積極的に水を飲む習慣になった。何れにしても時代と共に変化する事が多すぎる。納得できる事と出来ない事がある。戸惑いを感じる。

11月に入ると流石に秋は深まり、スポーツの世界もクライマックスを迎える。野球の世界もワールドシリーズ、日本シリーズも終わりを告げる。サッカーも国内では天皇杯が間もなく終わり、いよいよブラジル・ワールドカップの参加国が決まってくる。12月6日が抽選会なので、それまでに各地域で最後の試合が行われ32代表が決まる。日本の予選リーグ戦の相手国が何処になるか興味があるが、何れにしても世界の強豪国、南米、アフリカ、ヨーロッパ代表等が同じブロックに来ると想像できるが、既に決まっている顔ぶれを見ても凄い国が決って来た。ヨーロッパだけでも(ドイツ、イタリア、ベルギー、スペイン、スイス、イングランド、オランダ、ロシア等)楽に勝てる相手は居ないと考えて良いだろう。そして興味深いのは力のある新人が出てきている事だ。楽しみである。

そしてプロの世界とは別にして、やはり日本のアマチュアのサッカー(高校、大学)の試合が気になる季節でもある。先ず(全国高等学校サッカー選手権大会神奈川県予選会)のベスト4であるが、11月3日の準決勝は、桐光学園−平塚学園、日大−座間、の組み合わせになり、何処が神奈川県代表になるか楽しみである。(HP、高校サッカー参照)

一方関東大学リーグ戦は、専修、早稲田、明治、中央、筑波、が上位にいるが、こちらは専修大学が前半の勝利試合が多く、勝ち点が大分あるので余裕を持って優勝を飾るだろう。次の機会に大学の分析をしてみたい。時代は変ってきた?(HP関東大学リーグ参照)

 最後になるが「ビーチサッカー」の報告をしたい。湘南OB・76回の櫻井大輔君が中心になり「湘南SPREAD1545」と云うチームが全国大会で3位と云う素晴らしい結果を残した。細かい報告はチームのHP http://shonanspread1545.seesaa.net/。 をご覧下さい。

これからも彼らの活躍を報告したいと思っている。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

本年度、日本サッカー殿堂入りを果たしたハンス・オフト氏は、近頃の日本サッカーが基本を軽視している事を嘆いた。

個人の基本以上にチームとしての攻守の基本をゲームで忠実に的確に実現する事は、最高の戦術だとのサッカー格言もある。

代表チームが「前方から連動して守る」と云うことをベースにして守備の修正をするのだと長谷部主将は語る。正確には「前方からの相手ボールへのプレッシャーを生かし次々と連動した動きによってプレッシャーを更に強め、結果としてマイボールにする」と云うことであろう。代表チームがどんなサッカーをやっているかはジュニアユース年代の選手にまで影響を持つ。色々なカテゴリーのサッカーで“ボールがただ単に良く回っていれば良いサッカーなんだ。”と考えられている傾向にある現状代表チームが必要な局面でいわば「アクションプレー」とも呼べる意図のある個人、あるいはチームとしてのプレーを見せて欲しい。

「中さんのメモ帳・NO23」

「竹寺の茅の輪」(目標に向かって輪をくぐり階段を上ると願いが叶う)

選手権大会2次予選敗退            2013・10・1

 よもやの二次予選1回戦敗退は湘南関係者にとってはショックであったと思うが、これが現実であり、高校サッカーの勝負の恐ろしさである。選手達も指導者も、そして保護者もOBその他の関係者全てが今年こそは優勝・と、何回戦か先を見ていたが、台風の襲来と共に最初の階段を上れずに転倒してしまった。試合内容は既に報じられているので省くが、最後の夏に優勝を目指してベストを尽くしてきた「3年生選手全員」にご苦労様と言いたい。本当に悔しい思いだったと想像できる。ここで気持ち切り替えるには時間が掛かると思うが、早く次の大学受験体制に入り、初期の目標達成の為に全力投球して欲しいと願っている。

ここで話題は変わるが、2020年のオリンピック東京開催を心から喜んでいる一人である。後7年生きていられか疑問であるが、85歳で元気に二回目の経験になるこの大会を迎えたいと思っている。思い起こせば60年前に オ リ ン ヒ ゚ ッ ク首都圏開催のために京都から神奈川に転任して来たのであった。図らずも今回新卒で勤務した開校したばかりの京都府立洛東高校60周年の機会に京都・大阪旅行を計画し、当時の教え子達と再会して旧交を温めることが出来た。(皆70歳を過ぎた良い爺ばかりだった)そして現在の学校の様子を聞くとサッカー部は京都府でもトップクラスの実力とのこと。京都府のK1リーグ戦を観戦し、かなり期待できるチームに育っているのでこれからの活躍を楽しみにしたいと思っている。そして当時同僚だったバレー部顧問のO先生(92歳)や一緒にボールを蹴った紫光クラブのM先生(82歳)との再会は懐かしさと同時に、老いて益々元気なお二人の姿に接して大変勉強になった。翌日大阪で関口(42回)松元(46回)と共に昨年病に倒れた、廣野(42回)の見舞いと激励にご自宅に伺い、少し回復の兆しを感じうれしく又来年の再会を約束して帰路についた。

さてここで高校サッカーを勝たせる為の方策は・・・幾つかあるが技術戦術の他のノウハウの問題が大きく取り上げられるだろう。その辺の事は過去に全国で活躍してきた多くの指導者の実績があるので大いに参考にして欲しいと思っている。古くは藤枝東高、国見高、浦和南高、帝京高、清水東高、等の指導者達を思い起こせる。 ト ー ナ メ ン トの ノ ッ ク ア ウ ト試合の勝ち方は如何にすれば良いのか全国の指導者が日夜悩み苦労してきた事だ。その上で、技術戦術の問題が考えられてくるだろう。先ずは守備力である。力のあるGKがいて失点しない守備陣のいるチームが勝ちあがるだろう。そして攻撃は自分達の形を持っているチームは強い。ゴール前でサイドから攻撃できるパターンを持つチームは強い。そんな事を考えながら現代の高校サッカーを見ていると、攻めるという事、守るという事、本当に教えられているチームは少ない。是非教える事の出来る指導者が増えてきて、勉強して欲しいと願っている。

「暑さ寒さも彼岸まで」。猛暑、天候不順だった9月末我が家の墓参りを終えて、この夏を振り返ってみると、湘南のOB達との付き合いだけで何回出掛けただろうか、湘南38回生(69歳)のゴルフコンペでO先生(76歳)のべスグロ(スコア・86)に驚き、今回の京都旅行でM先生(82歳)金色のパンツで全国大会の活躍にさらに驚き・・全国何処へ行ってもサッカーの世界の話では(湘南ペガサス)が出てくる。活躍の様子はこのHPにも載っているので詳細は省くが、今や老後の生活が如何に大事か痛感した夏だった。45回生(62歳)N君の追悼コンペ、やH君の闘病生活のお見舞いなどなど毎朝「般若心経」の写経をしながら皆さんの健康を祈り自分の生活を反省しているこの夏の終わりである。

さて来年のW・Cupブラジル大会へ向けていよいよFIFAドットコムで入場券の申し込みが始まった・そして47回生の「還暦の会」が11月9日(日)に計画されている。例年のように藤沢のグランドホテルで実施されるようだ。近い学年の方 (45,46,48,49、回)の方は是非出席して欲しい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏]

 この20年間、日本サッカーの攻撃についての進歩は世界も認めているだろう。しかし、ゴールを守る、相手ボールを奪うと云うことについては、レベルアップができてないと云うアンバランスが起こっているのではないか。

来年開催のワールドカップ本番に向けて代表チームは守備の強化に悩み続けている感が強い。セカンドチームに近い疲れきったガーナにも簡単に失点してしまうのだから深刻なテーマだ。得点を積極的に求めて行くサッカーをやるのだから、ある程度の失点はやむを得ないとし、勝負に望むことのできる監督が羨ましい。相手以上に得点力がある攻撃陣をもっていると言う確信があればこそなのだからだ。

しかし勝ち求めるゲームで「守備」の占める要素は極めて大きい。多くの得点も良い守備のプレーを起点としていることが多い。ワールドカップで日本代表の二つの良いゲーム以上に一つの勝つゲームを見たい。

「中さんのメモ帳・NO22」


波崎合宿・朝の散歩・体操・・・(参加OB・40回山田・41回相羽・伊通)

夏休みの活動状況               2013・9・1

暑い8月の現役の活動は、第1週は湘南フェスティバル・湘南会場で高校生同士で4試合、第二週は3泊4日の茨城県波崎での夏合宿・暑さの中での走りこみ中心・体力持久力強化を行った(OB3人激励参加)。そして第3・4週は、大学生相手の人工芝の90分ゲーム、対拓殖大学(1−2)(高尾G)、対日本大学(4−4)(若葉台G)、対慶応大学(3−5)(慶応G)、対東京大学(0−1)(農学部G)。大学のBチームとの試合内容は何れも対等以上に戦えて、非常に成果があったと言えるだろう。只練習試合の大学生Bチーム相手でも、私は勝負にこだわって勝ち試合をしなければ駄目だと思っている。そしてどの大学もみな素晴らしい人工芝のグランドのよい環境での練習ゲームで胸を貸していただき、湘南の選手達にとっては良い経験になり深く感謝したいと思う。そして月末はK1リーグ戦対橘高校(新横F,Pグランド)(5-1・勝)、対静岡の吉田高校(本寥川G)(A・5−0・勝)(B・6-1・勝)で最終調整をして二次予選に向かうこととなる。

 ところで話は変るが東大と試合をした日、久し振りに(東京大学の赤門)のスケッチをしてきた。私はこの門には昔の苦い思い出がある。高校時代一緒にボールを蹴り西宮の全国大会へ行った仲間のI君が東大の主将として活躍していたが、4年生の冬に赤門前で交通事故に合い亡くなった悲しい出来事があった。この年関東大学リーグ戦で1部リーグから2部リーグに落ちてしまった。そしてあれから60数年が経ち東大は上に上がれず今はその下の都リーグに低迷しているが先ずは2部を目指して頑張って欲しいと願っている。私の母校(東京教育大学・現筑波大)は幸いに一度も下に落ちずに1部に残留しているが、最近のリーグ戦の状況を見ていると下に落ちるのではないかと心配している一人である。

さて話を世界に向けると8月は欧州のリーグ戦が開幕した。何と今年はトップリーグで活躍している日本人選手が、男子20人、女子7人である。大変喜ばしい事だがこの傾向は益々多くなってくると思う。そしてそこにつながる国内リーグ戦(J、1,2,3部)、社会人リーグ戦,(JFL、地域リーグ戦)、大学、ユース、高校、ジュニアユース、中学、ジュニア、少年・・・と増え続けるサッカー人口・・そしてそれらの受け皿をどうするか?、課題が山積みされている。ある大学の部員が200人〜300人と言う話を聞くが、どのように指導してゆくのか?、神奈川県の高校でも100人を超える学校が数校あるようだ。このように増え続ける問題をどう処理してゆくのか真剣に考えて欲しいと思う。数が増えることと、力が上がる事は別問題だと思っている。国内のトップ選手のレベルアップをどうするか真剣に取り組んで欲しいと思うこの頃である。

さらに世界のレベルの高いサッカーを、高校生達は毎日のように見ることの出来る環境の中で何を学んだらよいのか代表的なものを幾つかをあげてみたい。先ずサッカーはボールの保持時間(ポゼション)より、いかに得点に結びつける技術が必要かを学んで欲しい。100年も前から言われてきたことでサイドからのクロスボールが得点に結びつくと言うこと。どんな試合でもゴール前を左右に振られ連動して攻撃を仕掛けたときに得点は生まれている。特に個人の技術で特筆されるのは集中力とリラックスと言う事、ドリブルの緩急の変化等はブンデスリーグ・バイエルンのロッペンやリベリの優れた技術や、プレミヤリーグ・マンUのファンベルシーやルーニーのようなアグレッシブで力強い動きと、正確なシュート技術を学んで欲しいと願っている。

[アジショナルタイム・三村恪一氏]

キリンチャレンジ杯、の対ウルグアイ戦でそこまで代表チームのテーマであった守備の改善は何一つの進歩も見られず残念。“得点を多く狙うチームは失点のリスクも当然多くなる”との監督の言葉がもし本当だったとしたら、なぜもっと攻撃的なボランチやサイドバックを起用し攻撃に出ないのだろうか。敵のロングボール一発で裏をとられカバーリングの選手もなし。クリヤーランスしか考えられぬ局面を、味方への短いつなぎパスをバイタルエリヤでフリーな敵にとられ、いずれも失点とはさびしい。そんな基本をやかましく指導している高校チームの監督の立場がない。

「中さんのメモ帳・NO21」


「選手権大会一次予選前のミーティング」

選手権一次予選突破               2013・8・1

 最初に選手権大会一次予選勝ち上がり、オメデトウを言いたい。厳しい組み合わせだったが、何とか勝ち上がる事ができて、さすが湘南生だと感心している。大会前はチームが出来上がるかどうか心配したが、一度皆で食事をしてミーティングをしたのが良かったのかもしれない。前回にも書いたが代表校は1校だけである、代表になる為には後6回階段を上がらなければならない。それだけチャンスが与えられていると言う事はシアワセな事だとも言える。一次予選の試合内容は縷々報告されているので省くが、9月の二次予選を戦えることになったので、この夏の合宿を大事にして欲しいと願い、自分達で勝ち取った二次予選を今年こそは勝ち抜くのだと強い気持ちで臨んで欲しいと思っている。組み合わせも決まり(二次予選の日程は36チーム ト ー ナ メ ン ト、9月15日(対百合丘)22日、(対横浜東)10月20日,(対桐蔭)、26日、(準々決勝)11月3日(準決勝,)9日(決勝)である)

 私は予てから感じていることだが、人生の中で高校3年生の最終学年の過ごし方が非常に大事だと思っている。即ち大学受験準備、体育祭への対応、そしてサッカー部の生活、長い目で見たら最終学年で全国大会へ向けての部活は一生の宝物になる、と言う事は事実だろうが、誰にでも出来る事ではない、選択できる者は是非挑戦して欲しいと願っている。そして私の長い指導経験から、湘南生は3年生のこの時期に初めてサッカーと言う競技を、頭と身体で理解してくる時期だと思っている。即ち高校サッカーの奥の深さがここにあり、一番教えていて面白いのがこの時期である。だからあまり勝った負けたで一喜一憂したくない。いかにベストを尽くすのかが大事で、結果は後から着いて来ると思っている。半世紀以上もこの大会と付き合い“歴史は繰り返す”“正しいサッカーが必ず勝つ”と何時も言い続けている。良い年をした爺が夏の暑さと炎天下のグランドで、高校生のサッカーを眺められるのはシアワセな人生だと選手達に感謝している。何時まで続くか楽しみである。

 そしてもう少し技術的なことを言うならば、やはり昔から言われている「個人の技術練習」が不足しているように感じる。端的に言うなら相手との競り合いで「止める、蹴る」ができていないと言うことだろう。相手の厳しいマークの中で個の技術が発揮出来るか出来ないかは日本代表の対ブラジルとの試合を見ても明らかなようにサッカーの原点だとも言える。それを解決するのはくり返しの練習即ち「正しい基本練習のくり返し」を忠実にやるしか方法は無いと言える。私が昔から言っている「百万遍」である。

 さて話題を少し世界に向けたい。来年のブラジルワールドカップに向けて日本代表が動き出した。是非観戦したいものだと思い大会の様子を調べて見ているが、地球の裏側の話なので、先ずは往復の飛行計画、大会日程、会場、移動、組み合わせ,etc大変な事である。

本大会参加チームは32チームである。4チームが、8ブロックに別れリーグ戦を行う。既に開催会場地の12会場が決まり準備が進んでいる。12月には参加国が決まり組み合わせ抽選を行う。日本はどんなブロックになるのか?一次リーグの対戦国は何処になるのか楽しみである。こちらは大分高額の費用が掛かりそうだ。そして入場券の購入が大変である。肝心なのは体力が持つか、せいぜいトレーニングをして冥土の土産を楽しみたいと思っている。希望者は是非ご一緒しましょう。(s-cyu@m6.gyao.ne.jp・鈴木中)まで連絡下さい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏]

1、一言 “個の強化がもっと大事だ”でコンフェデ杯3敗で終わる。FIFAランキングも37位と落とされた。個の強化は今にして起こったテーマでもなんでもない。毎年、開催される日本協会主催の「フットボール カンファレンス」でこのテーマの分析はどのようにされるだろうか。南ア・ワールドカップの日本チームに対するFIFAの技術研究グループの提示の一つは“厳しいプレッシャーの中でもパスがきちんと受け渡せる「個人練習」の重要性”が強調されている。コンフェデ杯でベストイレブンにも選ばれ、ACミランから評価を受けた本田圭祐選手は、代表選手の中では、スタミナ問題はあったものの「個」の代表だろう。肝心な局面で容易に倒される事なくプレーは落ち着きを見せ、ボールを持った時の安定感は高かった。改めてそこにサッカーの目を思った。

2、韓国で行われた東アジアカップで、いわば若手日本代表の戦い振りにはがっかりだ。
ヨーロッパの一流リーグでプレーしている代表の軸となっている選手を欠けば、アジアと言えども勝ちきる事は難しい現実を見せ付けられた思いである。この若手代表でもアジア相手ならやれるのではないか、と言う私の勝手な錯覚が恥ずかしい。Jリーグの選手をはじめ、大学や高校の選手は、間違いなくゲームの戦い方や戦術やボール技術は格段の進歩をしているのは事実。しかしゲームの勝ち負けを分けてしまうような肝心なところ、例えば相手ペナルティエリヤでドリブルで突き抜けられるかどうか。そして守るエリアで相手に身体を寄せきれるかどうか。個の強化の焦点を少しでもはっきりしたい。ネルマールは言った。“ブラジルと日本の差はドリブルだ”と。

「中さんのメモ帳」NO20


スペイン遠征               2013・7・1

最初にWCupブラジル大会出場オメデトウを言いたい。代表決定を決めたアジショナルタイムでのPKを蹴った本田選手に敬意を表したい。只あのハンドの判定について間違いはないが、ホームでよかったと思う気持ちは私だけではないと思う。つまりハンドリングの判定は主審の主観であり、サッカーのルール解釈の旨味とも言えるだろう。サッカーの歴史、過去100数十年の中で何度あのような微妙な判定を見てきただろうか?

さて今年の第56回関東高校サッカー大会であるが、戦前、戦後と続いてきた歴史ある大会が、昭和33年を第1回とした経緯はよく理解していないが、私が関係してきた大会であり愛着のある大会である。今年は山梨県で開催され、新緑の韮崎市のグランドで観戦、神奈川県のチームが活躍した3日間の試合は本当に素晴らしかった。Aブロック優勝川和、

Bブロック準優勝日大藤沢、第2回大会女子準優勝湘南学院、の活躍は目を見張る物だった。尚プログラムの「栄光の記録」第1回・優勝 浦和市立、第8回・優勝 湘南、が記録されている。又神奈川の出場回数トップが12回の湘南工科大附。2位が8回の湘南と記されている。優勝2回桐蔭学園で、1回が湘南、そして川和が今回追加されることになった。

 各県トップチーム(プレミヤリーグ参加校)が不参加の大会であるが,Aブロックの川和高校の優勝は見事であった。トップの9、山田、中盤の10、山中の息の合ったプレーと全員で守る教えられた組織プレーは素晴らしかった。もう一歩鍛えられて全国へ駒を進めることが出来るか?これからが課題であろう。久し振りにコーチングされた高校生のチームを見て気持ちが良かった。(冬の高校選手権大会を期待したい)

 次に現役情報であるが、7月14日から始まる選手権大会一次予選の組み合わせが決まった。今年はシード校でないので1次予選から戦うという非常に厳しい組み合わせになってしまった。考え方を変えるなら代表校は1チームなのだから力のある学校とは何処かで当たるのだからと割り切って、初戦からベストを尽くすのが良い結果に結びつくのだと気持ちを切り替えて、残り少ない毎日の練習に集中して欲しいと思う。練習試合の詳細は関君のメール情報で報告されているので、私からは感想だけを付け加えたい。なんと言っても格上の「桐蔭学園」相手に2−0の勝利は上出来だった。回復したトップの後藤、8,工藤、とのコンビプレー、新1年の高木が使えるのは収穫だった。そして3年青木の勝負どころでの起用、大型新人高田をどう使うのか楽しみである。そしてディフェンスラインが安定してくればかなりのチームが出来ると期待している。6月の週末は、明治大学、明海大学、等の胸を借りて強化試合を行ってきた。(組み合わせは高体連HPを見て欲しい)

 さて先日新1,2年生の新メンバーで来春海外遠征をする保護者に対してオリエンテーションが行われた。今回は保護者とOB会が主体で行う遠征である。つまりこの遠征を始めた頃の様に学校から離れた形で春休みに有志で海外旅行する(スペインのビルバオが中心)と言う形になる。勿論指導者もドクターもOB会からも有志が参加して旅行団を作り50名程の選手団になる訳である。数名のOBコーチに協力してもらうのでOB会から多額の援助も必要になる。私からも強く皆様からのご協力をお願いしたいと思っている。

(添付写真・アスレチックビルバオの練習グランド・と田園風景・水彩画F4)

 今回は「コンフェデレーション杯」について少し触れておきたい。W杯の前年に行われるプレ大会で、各大陸の優勝国が集まる9回目の大会である。ブラジルの6会場で開催され、7月の1日に決勝戦が行われる。すでに開幕戦ブラジル3−0日本、第2戦イタリヤ4ー3日本、メキシコ2ー1日本が行われ、B組4位で予選敗退した。それぞれ試合内容についてのコメントは評論家に任せ、私の感想を幾つか挙げてみたい。

最初のブラジル戦3−0の試合は完敗だった。前後半立ち上がりの失点で相手は楽に試合を進め、個々のあたりの強さ、勝負どころの動きの量と速さ、そしてシュートの正確さ全てにブラジルが上回り、日本は良いところ無しで地元の観衆を喜ばせて終わってしまった。続くイタリヤ戦・メキシコ線も力の差を見せ付けられ、決勝トーナメントへは進むことが出来なかった。一方A組もスペイン、ウルグアイが準決勝に残り予想通りの準決勝の組み合わせになり、日本では見ることの出来ない、速さ、正確さ・上手さ、高さ、パワー、巧みな試合運び、個人戦術、etc、毎日早起きしてテレビに釘付けの生活も楽しかった。結果は決勝戦スペイン・ブラジル・3位決定戦イタリヤ、ウルグアイになったが、何れも世界の強豪国のサッカーは、強力な守備力と早さ上手さに加え高さと強さがなければ勝てない。日本はこの1年間でどのくらい残された課題を向上させることができるのか期待したい。

「アジショナルタイム・三村恪一氏」

2014のワールドカップ出場を早々と決め“日本がブラジルで優勝するんだ”と選手が口々にした。我が耳と目を疑う。もっとも、長友選手はコンフェデ杯の対ブラジル戦後“そんなこと言って来たけれど世界から笑われてしまう”と肩をすくめた。躍らせ上手なマスコミ・サンバのリズムでワールドカップは闘えない。キング・ペレをして「日本に要注意」と言わせたことに恥をかかせない戦い振りを見たい。“うまいサッかー”だけで世界を制することができるほど、甘くない。烈しい当たりに耐えて日本チームの良さが果たして出るだろうか。1対1の局面で競り勝つ確立をぐっと上げねば強烈チームに勝利する事は難しい。

「中さんのメモ帳」NO19

国体少年選抜記録(昭和45・46・47・48・49・50・)
 (相川君のコーチ1971年26回大会〜1975年30回大会)

(神奈川県の教員・小柴、桃木、大友、松下、西塚、青木、那須野、大矢、宮地、Etc)(その他指導者、高林(日立)早野(日産)植木(フジタ)

時の流れ                  2013・6・1

5月の連休のサッカー界は大会が花盛りだった。「湘南高校」のインターハイ県予選は初戦で敗れた。選手、関係者は大変ショックのようだったが、私は早く負けたことは今後のことを考えると決してマイナスだとは思っていない。選手権を目標におくなら、この敗戦を今後に活かせばよい。過去の経験から夏の大会は「湘南」はなかなか勝つ事が出来ない。新チームに切り替えてからの時間がなさ過ぎし、新2,3年生が間に合わないので、最後の[冬の選手権大会]に目標を置けばよい。一年生の有望選手も間に合うだろう。

次に私の関係している「神奈川県教員チーム」に少し触れておきたい。今年のチームは楽しみな顔ぶれがそろった。チームは若返ってかなりリフレッシュなチームになり「関東社会人リーグ戦・2部」で活躍している。5月に数試合、応援に出かけたが見ていて楽しいチームになって来た。若い選手が皆のびのびとプレーしている、そして選手の試合態度がフェヤーなので好感が持て、見ていて気持ちがよい。又来週も応援に出掛けようと言う気持ちになる、大変良い事だ。只このチームは毎週試合が行われるので練習は個人の調整程度しか出来ない。Jを目標に活動しているのではなく、あくまでもアマチュアの楽しむサッカーをやっている。しかしこれからは練習時間を作り2部リーグの優勝を目指し1部をも目標にして欲しいと思っている。

ここで少しこのチーム(神奈川教員)の歴史に触れてみたい。「教員サッカー」のスタートは昭和28年の地元神奈川国体・教員の部から始まったと聞いている。当時は主流が地元横浜国大(神奈川師範)の卒業生が中心だった。その後も国体の教員の部が長く続いたので、関東大学リーグ(筑波、日体、国士、順天堂、大学卒)のサッカー経験者が少しずつ増え、又国体少年の部から大学へ進み地元に教員として帰る選手が増えてきた。そして関東社会人リーグも大きく発展し、国体の教員の部もなくなり、関東社会人リーグ戦の中で「教員」と名のつくチームは神奈川県だけになってしまった。細かい話は省くが、過去の指導者の子供達、いや孫達がいまや教員クラブの主流になって来た(地元東海大、神奈川大,等の卒業生)。私たちが指導して育てた・・先生に教わりましたと言う時代になった。(標記、故相川亮一君のコーチ時代の記録参照)

ここでもう一つ、アマチュアリーグ・87回関東大学リーグ戦1部の状況を報告したい。

先週久し振りに[西が丘サッカー場]に観戦に行って驚いた。先ず会場名が「味フィ西」即ち

「味の素フィールド西が丘」に変った。勿論大会名も「JR東日本カップ2013・第87回関東大学サッカーリーグ戦」である。早大2−1明治大・専修大2−1筑波大の試合を見て感じたことは。どのチームも同じサッカーをやり大変上手くなった。しかし見ていて面白くない。みんなバルサもどきである。当然の事だがメンバー表を見ると半分以上がJリーグユースの出身者である。12チームで争うリーグ戦だが、昨年優勝した「専修大学」が今年も好調で現在首位を走っている。老舗といえる[筑波、国士、慶応大学]が下位を低迷している。理由は色々あるようだが首位の「専修大学」はJリーグユースの出身者と高校出身者を上手く指導して良いチームになっている。未だ先は長いが多分今年も優勝するのではないか、そんな感じがする。ハーフタイムショーの踊りと歌、時の流れを感じる私には騒音にしか聞こえなかった。Jリーグ20年、少年サッカーで育った選手達は何処で受け入れるのか。そしてこれからどのように変化してゆくのか、この10年が楽しみである。そして学校教育とどう係ってゆくのか、大きなテーマでもある。

さて世界のサッカーに目を向けるとヨーロッパ・CLの決勝戦がドイツチーム同士になったようだ。したたかなゲルマンのサッカーがスペイン(バルサとレアル)を破り、ドルトムントーバイエルンの決勝戦になりバイエルンが優勝した。この辺の事情は私には理解できない事もあり、

湯浅健二君のHPのコメントを参考にしたい。(大変難しい・・・・)

「ドイツ同士の決勝になった」という現象については、「プレッングからバランスへ」というドルトムントの進化も含め、さまざまな見方ができるし千差万別のテーマも抽出できる。
・・代表チームにもイメージリンクできる、ドイツクラブの「質実剛健」な発展・・ドイツ的な勝負強さ・・そんな「ドイツ的サッカーイメージ」を、外国人プレイヤーもしっかりと踏襲している!?・・
・・ポゼッションを重視する「リズム」のサッカーから、より(合目的的で!?)ロジカルな仕掛けプロセスへ!?・・寄り道をしないスピーディーなタテへの仕掛けプロセス・・どんなサッカーでも、チーム全体が共有する戦術的イメージこそが重要・・等など・・

「追伸」
ここで本来のOB会通信であるが、56期の水戸将史氏(参議院・国会議員)が再度夏の参議院選挙に立候補すると聞いている。今回は今話題の「維新・・」からの出馬で、苦戦が予想される。しかし必ずや彼は神奈川の代表として「個人の資質を発揮して」国政で活躍されると、私は信じている。是非湘南サッカー部の関係者は彼の中央での活躍を願い、応援して欲しいと思う。

フレーフレー「水戸将史」!!

[アジソナルタイム・三村恪一氏]

かって日本代表チームを率いた岡田武史氏が中国プロリーグの監督となった時、少なからず違和感を持った。昨年まで神奈川の高校サッカーの有名監督が、ごく最近、同じく中国プロリーグ3部へ指導者として転出して行った。

Jリーグはすでに20年の歴史を持ち、日本はアジアでのプロサッカーでの先進国。サッカーでのこんなアジア交流は今後とも益々盛んになっても不思議ではない。

タイでのJリーグに当たる「タイリーグ」で監督、コーチ、選手をやっている日本人の数は10人を軽く越えている。Jリーグを近い将来アジア・リーグに展開させると言う構想は現実味を帯びて来ているようだ。

「中さんのメモ帳」NO18

(校門に通じる桜並木・2013・4・1)

新年度を迎え・NO2               2013・5・1

4月に入るとサッカー界は活発になってくる。世界に目を向けると、各国のリーグ戦は1強(イングランドはマンU、スペインはバルサ、ドイツはバイエルン)で終わりそうだ。只日本のリーグは始まったばかりで何処に落ち着くのだろう。Jリーグも実力が拮抗しレベルアップしたので面白いシーズンになってくると思う。さて全国を見渡してサポーターのサッカーの理解度を比較して見ると観客のサッカーの理解度はその地域のサッカーの歴史が影響しているように思える。100年以上も続いているヨーロッパの歴史は 「おらが町のサッカー 」が本当に地域に密着している。

日本のJリーグも20年。良くぞここまで発展したと感心しているが、まだまだ歴史が浅く、古くから大企業がバックになり活発だった浦和、日産、静岡、京都、広島、は安定していて、それに続くのが川崎、仙台、柏、鹿島、甲府、だろう。古くから大企業中心に、力のある指導者が活躍してきた地域は安定しているが、新興のチームはいろいろな悩みを持ちながらこれから発展してゆくのは大変だろうと思う。

さて現役の試合結果であるが春休みに「千葉県の八千代カップ」に招待され試合をしてきた。Aチームは全て八千代松蔭の人工芝グランドで全国レベルのチームの胸を借りて来た。試合結果は上出来だった。試合内容は私の予想以上の出来で、デ イフェンスが頑張れるようになりよい勉強になったと思う。対八千代松蔭1−0負け、対真岡1−1分、対北越0―1勝ち、対鹿島0―1勝ち、3位順位戦対八千代高校1−0、私がAチームの選手に言ってきた事が少し理解されて来た様だ。「湘南らしいサッカーをしよう」即ちディフェンス、は「頭脳・ハート・理解度・読み」の組織力で80%は対応出来る。攻めはある程度個人の才能が左右する「速さ、勘、読み、肉体的能力等」教えるより持っているものがなければ出来ない。2,3人不足している現状である。新1年生の才能ある選手が何時ごろから使えるか?期待しよう。長年現役のコーチを務めてくれた「82回・篠塚貴志」君の就職が決まり、現役コーチを終了した。(ご苦労様。新しい職場での活躍を祈念している)。そして今期から「85回・大川雅士(早大)」「88回・長大地(慶応大)」の2名が専属のコーチとして協力してもらえることになった。OB会で全面的にバックアップして欲しいと願う。

そして関東大会の県予選が始まった。2回戦対関東六浦0−4勝ち、3回戦対鎌倉学園0−5勝ち、4回戦対秦野総合1−0で涙を呑んだ。風の強い横須賀のグランドで力負けしてしまった。ベスト32は次の大会のシードが無いので、1回戦から戦うことになる。早速5月の連休から「インターハイ予選」が始まる。又大変な道のりであるが、この苦しみも次に繋がる試練である。頑張って欲しいと願っている。卒業生を30数名送り出し、初々しい新1年生を30数名迎えた。1年生は50年前から使用している懐かしい体育の授業用のトレシャツを着ているので直ぐ判る。この中から数名がレギュラー選手に入ってくるのも間もなくだと思う。最初に贈った言葉は「3年間続けて欲しい、必ず一生の宝になると思う。“継続は力なり”」平凡な話をした。

「アジソナルタイム・三村恪一氏」

引き分けでも、ブラジルW杯本大会への出場権を得られる対ヨルダン戦。サッカーの持つ奥深さを思わずにはおられなかった。

ボールを持たないでの攻撃の重要性。空中戦は勝負に直結。そして同じタイプの選手の組み合わせから得られる効果は薄し。香川、清武、岡崎の3選手は全く輝きを失っていた。

結果的にヨルダンは、日本チームに危くないボール回しをさせていれば良かった。

このゲームで勝ち点1を得られなかったのは、言われ続けている“個の強さ”の不足。守備者の“個の強さ”で最も要求されるのはドリブル攻撃に対する強さだ。数的優位を失った局面での1対1でのドリブルに対抗できぬ弱さが出た。組織的な守備体勢が、常に整っているとは限らない。

 「中さんのメモ帳」NO17

「平成24年度・卒業生・32名」

  新年度を迎えて               2013・4・1

学校は3月に卒業式があり30数名の卒業生を送り出した。公式の試合に常時出場したのは10数名だったが三年の最後まで全員が頑張って卒業していった。卒業生を送る送別試合の日(上記写真)、私から「波崎の夏合宿の砂浜のトレーニング風景」とささやかな送別のカードに今年も「サッカーは子供を大人にする、大人を紳士にする」とデットマル・クラマー氏の言葉を贈った。湘南高校のサッカーの3年間は一生の宝物になるだろう。大事にして欲しいと願った。大学進学情報はさだかでないが現在判っているのは、東大(石川)、京都大(幸福)、埼玉大(大村)、千葉大(中沢)、慶応大(長)、で他は近々に正式な報告があるだろう。大学でサッカーを続ける人も数名いるようだが、今後の活躍を期待したい。そして入学式・始業式が終わり、現役は部活も新しい体制で4月7日からの関東大会予選を迎える。

ここでOBの活動も報告したいと思う。2月に行われたシニア・四十雀大会の「県会長杯決勝戦」を応援に出かけた。残念ながら準優勝に終わったが予想以上に動けるので感心しながら見ることが出来た。来年から40雀の1部で戦うそうだが、メンバーの補強が大変だろう、陰ながら活躍を祈りたい。その上の50雀、60雀、70雀、の活躍も期待したいが年寄りの試合なのだから、怪我をしないように自分達がエンジョイできれば良い、と言う事で楽しんで欲しいと思う。只スポーツなのだから充分に準備してベストを尽くす楽しみ方をして欲しいと願っている。尚残念ながら昨年若くして鬼籍に入られた「中野・水上・両君」の追悼試合を彼岸の中日に湘南のグランドで行ない、多数の参加者があり皆さんでお二人のご冥福を祈る事が出来た。有難う御座いました。(合掌)

さて例年行われている筑波大付属との定期戦が今年は湘南で行われた。以前より付属は力が上がってきたと見ていたが、今年は4-1で湘南が勝つ事が出来た。相手の真面目な戦い方を褒めたいと思う。又埼玉の浦和高校との練習試合をB戦で31日に行われる事になっている。是非これからも続けて欲しいと思う。春休みは「湘南フェスティバル」、千葉の「八千代遠征」を行い、新しいシーズンになる。新1年生であるが有望な新戦力になりそうな選手が数名入部してきたと聞いているが、慌てずゆっくりと育てて欲しいと思い楽しみにしている。これに刺激されたのか新チームの2,3、年生がまとまりを見せはじめてチームの力が少し上がって来たような感じがする。

2014・ワールドカップ・ブラジル大会を来年に控え「W杯・観戦ツアー計画」をそろそろ企画したいと思っている。私もこれが最後の仕事になると思い来年の6月12日開幕、7月14日決勝、約一ケ月のイベントをどう楽しむか色々考えている。広大なブラジル各地12都市の開催地(予選リーグ3試合・決勝トーナメント会場)は既に決まっている。只日本の出場が決まり何処の会場になるかは、12月の組み合わせ抽選会が終わらなければ決定しないが、何れにしても大変な計画である。「OBの方で是非このツアーに参加したい」と言う方は早めに連絡下さい。

                「アジソナルタイム・三村恪一氏」

(1)J3リーグ発足が決定した。J4が続くに違いない。これで一部の日本サッカー関係者が、より明確になって欲しいと考えていたプロとアマの山の麓と頂はぼんやりだが見える。世界に類を見ない現況の日本サッカー文化の素晴らしさは、見せて感動を与えるプロと、自らプレーして仲間と共に楽しみと希望を燃やせるアマが共存し得ることだ。

(2) ヨーロッパサッカー先進国の一つ、ドイツのあるプロチームの歴史の一ページ。勿論現在のブンデスリーガのように成熟したプロリーグの時代ではなかったが、その大都市を代表するプロチームでありながら、何人もの選手はチームから得られる報酬が言わばパートタイムのものであり、靴屋の店員や、ホテルマンや、臨時消防員などとして何時間かを働き、不足する収入を補っていた。それらの選手は、サッカーだけで生活して行けるフルタイムのプロ選手になることが夢であり、自らのレベルアップに励んでいた。現在のJリーグの状況は選手全員がフルタイムプロで構成されている。過日J1,J2、の下に来年から10チームで構成の、J3発足のニュースが流された。条件として「プロ契約選手を3人以上保有する」ことをあげている。

日本もドイツサッカーの歩んだ古い歴史そのものをなぞるのだろうか?

「中さんのメモ帳」NO16

2008年・スペイン遠征宿舎・ビルバオ・スポーツシューレ」

世界のサッカー               2013・3・1

 寒い2月はTV放映の 「世界のサッカー 」を見る機会が多かった。昔は自分で見本を見せてグランドを走り回っていたが、今は動けなくなった分TV放映のおかげで見本が有り余るほどあるので説明し易くなってきた。それは本当にありがたいことだ。

イングランド・香川、イタリア・セリエA・長友、ドイツ・長谷部・内田・清武・宇佐美・乾・酒井・岡崎・等々、ドイツで活躍している日本人選手が多い理由についてはまた別の機会に書きたいと思う。そう言う意味でも湘南高校のサッカー部が春休みに出かけるスペイン遠征は大きな意味のある行事である。色々な事情から公立高校では簡単には実施できない様だが、どんな理由があっても継続させてやりたい。(写真は5年前に私も同行したスペイン遠征の時一週間快適に生活した思い出多いプレンシアの川沿いの宿舎である)

さて日本代表がラトビア相手に3−0で勝利した。W杯予選最終戦に向けて格好の相手を選んだと思う。試合の解説が「中山雅史氏」のデビュー戦だったので期待して観たが概ね合格点は出せた。注文をつけるならばもう少し専門家の立場で技術解説が欲しかった。国内の選手は遠藤・今野の二人だけであとは全て前述した海外組だったので、特に彼らが何故外国で通用しているか説明が欲しかった。最近の解説者はタレントが多く私は好まないので、特に彼には子供達の指導的立場での技術解説を期待したい。それにしてもJリーグ2部落ちしたガンバ大阪の遠藤の球捌きは抜群だった。ザッケローニは流石に観る目はあると感じた。

現役のAチームがこの冬の練習試合で対日大日吉・対鎌倉・に0-1で敗れた試合を見て

中心選手の4人がもう少し出来れば楽勝だったと思う。負けた原因は「シュートが入らない、センタ ーリングが蹴れない」「良いパスが出来ない」「GKが大きな声を出せない」こんな事は今更高校生に教える事ではないと思うが、敢えて言わなければならないのが現実である。しかしこれらの事が出来るようになる可能性は充分にある。その時チームは見違えるようになると思う。即ちトップの選手がどう蹴るか、岡崎、前田、本田のシュートの技術、乾、香川、清武、長谷部、宇佐美、の球の出し方、長友が球を持ち込んだ後の折り返しの速さ等々を何回もTVを見て欲しい。体のバランスとステップの速さ、膝から下のスイングの早さ、を何回も真似をしてくり返し練習しなさいと言いたい。

先日23回生 「原田徳夫氏 」と話す機会があった。氏は私より6歳先輩だから83歳になられる。11年前に脳内出血で倒れたが、その後回復の努力をされ今は歩行も出来、近距離の散歩も可能になり近くのレストランでランチをすることが出来た。湘南が全国制覇した時の主将で横浜国大、付属教員、最後は寒川の教育長で退官された。回復のためには大変な努力をされたと想像できる。高校生が(のほ、ほーん)と親の脛をかじって好きなサッカーをやっているのだから、ボールを正確に蹴る努力位はして欲しい。

「原田先輩コメント 」

私もサッカーとは縁が深く、湘南中学・高校の卒業で学生時代はサッカーに明け暮れておりましたので今でもその道の関係者とは繋がりもあります。中さんが湘南に来る前は、湘南はどちらかと言うと優れたOBに支えられ、今は亡き岩淵さんや大野さん、服部さん・安保さんなど鎌倉在住の先輩が多く、先輩のご指導が実って 「全国優勝(S21年) 」 「準優勝(S23年) 」を遂げました。私はサイドハーフで昔の旧い形の5・3・2・W・Mシステム時代ですが、結構これで間に合いましたし攻撃型で密かににゴールを狙うのが楽しみでした。湘南が全国に名を残したのは様々な理由がありますが、戦前からの積み上げが集大成されたこと、戦後いち早く実り始めた事、それよりも勝運に恵まれた事が大きな意味を持っていたと言えます。スポーツは人生にとってとても大事なものですが、それに「勝」と言う喜びがあってこそ、正に充実した人生の一助になります。齢相応に頑張って欲しい物です。「他に(西ノ宮球場で決勝の後、声を上げて泣いたこと)(私のサッカーで学んだ人生の戒め、練習で泣き、試合で笑え)」等も是非書きたかったと、コメントがありました。

「アジソナルタイム・三村恪一氏」

FIFAランキング12位の日本である。ランキングとは世界での成績が何番目に良いかの数字なのだろうから、世界で12番目に強いと云うことになる。ヨーロッパの有数クラブでプレーしている日本人選手だけで、日本代表チームを構成しても、何人もの選手がその出番がないことを考えれば、サッカー先進国の一員に仲間入りできたのだと考えるのが妥当なのだろう。しかしどうしても違和感が残るのは、代表チームを率いるのが、歴代外国人であると言うことだ。サッカー指導者、後進国を未だ脱せずと云うことなのか。

「中さんのメモ帳」NO15

高校サッカーの行方            2013・2・1

「中さんの絵本 」が(朝日新聞・2013・1・8)で紹介された。湘南生活50年をまとめた物だが、日本のサッカー、高校のサッカー、私の人生50年分を絵と文章でまとめてみた。自画自賛になるが結構楽しい物が出来たと思っている。特に50年の歳月の中での人と人との繋がり、教師と生徒、人間関係の絆、温かさ、共に喜び、悲しみ等々の言うに言われぬ結びつきに、我ながらこの齢にして暮れのコタツの中で、飲みながらの読書三昧で読み直して、ジーンと来る物があった。特に鬼籍に入られた長沼元日本サッカー協会会長(健さん)、平木隆三(ペラさん)八重樫茂夫(パーチョン)の御3方には公私共に大変お世話になった。中でも昭和45年のアジアユース大会(バンコク)では監督コーチとして全国高校選抜チームの面倒を見てもらい、大変お世話になった事などが思い起こされる。日本の高校サッカーが現在の形に変化して来る過渡期でのご苦労は大変だったと思う。

2013年の年明け 「天皇杯は柏1−0ガンバ 」であまり盛り上がりもなく、ガンバの2部落ちを寂しく見送るのみだった。そして大学は、男子早稲田大学、女子日本体育大学、の優勝を静かに祝った。また「第91回全国高校選手権大会」の準決勝戦は桐光学園0−3京都橘、星稜1ー1鵬翔(PK3−4)になったがベスト4に上がるにはそれなりの実力高校であり、一昔前の伝統校とは若干顔ぶれも違ってきているが皆特色ある強豪高校である。 オ ー ル ト ゙ フ ア ンは国見、鹿児島実、藤枝、帝京・等の名前がなくなり・・・大付属高校等が多くなってきたのに戸惑うが、準決勝戦の国立競技場は相変わらず多くのフアンが集まり好試合が展開された。そして例年と違う顔ぶれの決勝戦になった。京都橘が決勝戦に進んだ理由や鵬翔(宮崎)の勝ち上がりの理由などをもっと詳しく探ってみたいと思っている。

翌日のTVの人気番組(サンデーモーニング)で元日本協会会長川渕三郎氏が「時代は変りました。」といとも簡単に感想を述べていたが、私はこの状況をしっかりと掘り下げたかった。準決勝を終え負けたチームのロッカールームの様子を見て、第一試合で敗れた「星陵」の選手監督は涙しながら3年間を思い出して悔しがっている姿。そして第二試合では覚めていた 「桐光学園 」の選手の姿が何か対照的だったのを、興味深く眺めた。1月14日国立の決勝戦は(大雪のため中止)19日に延期となったが、2万5千人の大観衆が集まり好試合が展開された。今年も初優勝校であった。PK戦を5−3で勝利して優勝した 「鵬翔 」は宮崎県の名門だが 「日章学園 」の蔭に隠れ、九州の強豪校、鹿児島実や国見の指導者に長いこともまれてきたのだろうか?指導者の苦労のあとが見え、どの選手も皆、技術・体力・ともレベルの高さがあり、勝って当たり前のチームだった。準優勝の「京都橘」は京都サンガのジュニアユースが基盤にあり背番号・7・9・10・の個人技が優れ、特にペナルティーエリアの中でのシュートに繋がる技術がしっかりしていた。それに加えGKを中心にディフェンスが硬く総合力で相手を上回わりここまで勝ち上がってきた非常に好感の持てるチームだった。

一方湘南高校は1月13日にOB会を行い別紙報告のとおり多数の参加者があり盛会に終わった。メンバーも若いOBの参加者も増えてきて、会長の牧村君の挨拶のあと古いOBと一緒になって元気に良いプレーを随所に見る事が出来た。これからも藤塚先生や昭和63年全国大会出場メンバー等が中心になって活動して行って欲しい。私も側面から応援してゆきたいと思っている。新しくOB会名簿も出来上がり、県内の試合に7ブロックの参加をしていると報告があった。さて肝心の現役は1,2、年合わせて50数名来期に向けて始動しているが週末は県外の高校と練習試合を組み、厳しい冬の基礎体力作りに専念しているようだ。この時期が一番大事な時かもしれない。(試合結果等は関君の報告書を見て欲しい)

「アジソナルタイム・三村恪一氏」

1 2012年度、あるテレビの年間での視聴率の第1位、2位、3位、をサッカーの試合中継が占めたらしい。そして新しい東京都知事誕生の祝いの集いで、日本サッカー協会最高顧問が祝杯の音頭をとった。「たかがサッカーされどサッカー」と全国を回って講演された、大先輩の朝日新聞サッカー担当記者「中条さん」はこんな今の日本サッカー界をどう評されるだろうか。“やるスポーツから見るスポーツへ”の言葉があったことを思い出す。Jリーグのゲームから何を見たら良いのだろうか。

2、 全国高校サッカー選手権大会に出場してきたチームの選手の中学生年代の所属の多くが、Jクラブのジュニアユースのチームや地域のクラブチームと言う時代となった。そして幾つかのチームの監督が指導者のトップライセンス、Sの保持者であった。未発表の選手を含めればかなりの数の選手のJリーグ入りが決まっていると言う話からは、プロスポーツの先輩、野球のドラフト会議のシーンを思った。

中さんのメモ帳・NO14

「相模川から大山を望む」2012・12・1

年頭の挨拶               2013・1・1

“明けましてオメデトウ御座います”新年のご挨拶をこのメールでお許し下さい。古希を過ぎてから年賀状は失礼させていただいており、このHPで世界に発信させていただいています。色々な意味を込めて暮れに 「この絵 」を描いてきました。この景色は20数年前に私の病気回復の際に描いた、丹沢山麓の思い出深い眺めです。昨年末は多くの方々の訃報、芸能界においても森光子、中村勘三郎、小澤昭一、等、そして数多くのOBご家族の喪中のご挨拶を頂きました。謹んでお悔やみ申し上げます。 そしてXマスイブの日に(45回・中野謙司君)の悲しい訃報が届きました。胃がんの手術後の経過が良くないと言う事で同期の仲間全員暮れに見舞いをし、私も別日に見舞いましたが残念ながら帰らぬ人となりました。謙司君は松浪中、湘南高、慶応大、東京海上、とサッカー選手としてはエリートコースを歩んで来た素晴らしい選手でした。見る人が見ると大変基本に忠実な玄人好みの選手で、華やかな選手生活も経験しました。私が好きだったのは非常に思いやりのある親切なパスの出来る選手でした。今は未だ私から送る言葉も見当たりません・・・(安らかにお休み下さい)。 葬儀等は近しい仲間と御親族で済ませたので報告とさせて頂きます。

さて2013年はどのような年になるのだろう。私も残り少ない人生なので悔い無きよう充実した日々を過ごしたいと思っている。1、県サッカー協会の専用グランドの完成、2、湘南高校のグランドの人工芝化、3、湘南高校サッカー部の英国、スペイン遠征継続、4、2014ブラジルW杯観戦ツアー実現・・こんな事を夢見て新年を迎える事が出来た。何時も思うことだが、念じなければ何事も実現できない。念じていると何時か向こうからやってくる。ノー天気だといわれても 「喜寿 」を過ぎた爺でも可能にしてみせると信じていれば必ず出来ると思っている。だから毎日が楽しい。そんなことを考えながら描いている作品は上手、下手、関係なく良い作品だと思っている。怖い物が無くなってしまうと言う事は恐ろしい事だが「ボケ」たわけではないと言うことだけは断っておきたい。

さてサッカー界を見ると、暮れに行われた、世界クラブ選手権大会(トヨタカップ)は予想通りアジアの代表(韓国・日本)は1,2回戦で姿を消した。Jリーグ優勝の広島がアフリカ代表に敗れたが、内容は互角に見えたが明らかに力の差があったと見てよいだろう。

決勝はコリンチャンス(南米代表)とチェルシー(ヨーロッパ代表)になり、流石のプレーを随所に見ることが出来本当に楽しかった。結果はしたたかなコリンチャンスが1−0で優勝したが、あの素晴らしい厚みのある守備とパスワークのボールさばきは世界一の醍醐味であり、日本はまだまだ遠い道のりだと感じたのは私だけではなかったと思う。

一方国内は例年通り 「第92回天皇杯、日本選手権大会 」が元旦に 「第61回大学選手権大会 」は1月6日に予定されている、その後「高校選手権大会」が待っている。楽しみである。元旦の天皇杯決勝は柏レイソル−ガンバ大阪、大学の決勝は福岡大―早稲田大になり、好試合が期待できそうだ・・一昔前のJリーグと比較すると隔世の感がある。それは理屈抜きに技術の進歩があり、見ていて楽しくなったといえると思うが世界に比較するとまだまだだとも言えるだろう。 「第91回全国高校選手権大会 」は14日に決勝を迎えるが、かって老舗と言われた名門校(帝京、国見、鹿実)等が出場しなくなり、何処が勝つか解らない状況である。しかしながら数十回を誇る、名門と言われる、四中工、八千代、星稜、青森山田、前橋育英、仙台育英、丸岡、富山第一、作陽、滝川二、は見事だと思う。それなりの歴史と、強化の努力の後を探りたいと思っている。

最後に湘南の現役情報であるが、10月から新チームになり来年に向けてスタートした。暮れに「相模原ユースカップ」「湘南フェスティバル」を経験した。その他練習試合も数回行い、新チームが出来つつある。メンバーは中心選手が2年、9番、青木(FW)、8番、工藤、(CB)20番、檜山(GK)が安定し、これに続く選手が誰になるか、この冬から春に向かってのチーム作りが楽しみである。約50名の選手がレギュラー目指して毎日の練習に頑張っている事をお伝えしたい。

「アジソナルタイム・三村恪一」

色鮮やかなサッカーシューズやサッカーボール。サッカーグッズのファッション化は益々進む。あれ程「ユニフォームの裾をパンツの中に入れろ」とレフリーが細かく注意していたのに、今では高校生のゲームに至るまで、全員がユニフォームの裾はパンツの外に出している。イングランドプレミヤリーグでユニフォームの裾を入れている選手が古臭く見えてしまう程だ。しかしレフリーだけは、オールドファション。第四審判員まできちんとユニフォームはパンツの中に納まっている。FIFAからは、この件について「レフリーが関知することではなし」とする通告が出されているそうだ。

「中さんのメモ帳」NO1


(新東京駅丸の内口)

 「2012年の総括」              2012・12・1

 先日新東京駅のスケッチをしてきた。今年の締めくくりに是非大きな作品を載せたいと思ったが間に合わなかったのでこのスケッチになってしまった。何故か東京駅の丸の内口が私の人生の出発駅であり、終着駅のように感じる。それはやはり大学を出て最初の職場が京都だったからかもしれない。いつもこの駅舎が私の脳裏に焼きついている。これからも何回か描くだろう。そして色々な駅舎も描いて行きたい。

 さて先月号に掲載予定だった「夢の県協会・専用グランド」は2014年には利用出来る様になる。「夢」と書いたのは予てより何とか「神奈川県サッカー協会が自分達で運営できる専用グランドを!」と言うことが実現できた喜びをこの紙面{11月11日}(イレブンデー)(サッカーの日)に掲載したかったからだ。15年前に県協会の理事長、会長、時代に「夢」だった事がやっと実現出来たことを喜びたい。地方サッカー協会が独自に自分達のグランドを使用して色々の事業を展開できることは素晴らしい事だが、これも多くの方々の理解と協力を得て実現できたことで感謝している。これからは一層皆様の期待に添えるよう試行錯誤しながらもいろいろな計画を実施し、今後の神奈川県サッカー界の発展の礎としたい。このように新聞発表まで漕ぎ着けた裏側には多くの問題を抱えていたように思う。市のタウンニュースにまで大きく公表した裏には「相模鉄道側」の苦心の采配のあとが見えてくる。私が心配しているのはあくまでも協会サイドがイニシアティブをとって運営できる体制を望んでいるのであって、只単なるグランド建設と言う事ではない。

 詳細は又別途にして、地方協会で自分達のサッカー場が出来るということがどんなに素晴らしい事なのか・・夢が脹らんで行くばかりである。そしてこの話の中には多くの湘南のOBの方のお力添えがあったことを報告し、併せて感謝の気持ちをこの紙面を通じて申し上げたい。

 現役の選手権大会県予選が終了した。私の「喜寿の祝いの会」の日が決勝戦になり、優勝祝賀会を一緒に出来ればと秘かに思っていたがベスト16で敗れてしまい残念だった。

優勝は「桐光学園」になったが、湘南と力の差はそれほどなかったと思っている。代表権を獲るのは夢の話でなく、近くにあると感じたのは私だけではなかっただろう。神奈川全県から優秀なサッカー少年が湘南を目指して沢山やって来る様な気配を感じている。

今年の77歳の誕生日(11月3日)が本当に 「喜びの年 」になったと思うと「感慨ひとしお」である。予てより、物事何よりも「楽しむ」事を第一としてきた事が間違いではなかった、と感じることが出来たのは幸せな人生だったとしみじみと噛みしめている。ベストを尽くして得た物が本当の 「喜び 」であると実感できた事を感謝したいと思っている。

そして 「喜寿の祝い・11月10日 」に多数の方々のご出席を頂き(サッカー協会、湘南高校関係者、サッカー部OB等)、激励の言葉を賜り、この紙面を借りて厚く御礼申し上げたい。席上申し上げたが、本当に元気に「喜びの齢」を迎えられた事に感謝して、次の「米寿」に向かっての益々の精進を心に誓った事を皆様にお伝えしておきたい。

「アジソナル・タイム・三村恪一」

ロシアでプレーしている本田圭佑選手の言葉だ。彼の持っている優れたプレーを発揮できずに終わった、ブラジルワールドカップ出場へ向けた対オマーン戦の後、プライドを傷つけられたのかこう語った。“トレーニングでは常に決定的なプレーをやれるかどうかを意識してやっている”相手ペナルティエリヤ内で得点に直結する相手にとって危険な位置へ積極的に入り込んでゆくドリブルであり、決定的なラストパスを出すのだと言う強い意欲が現れているのが彼のプレーだ。「個の強化」をレベルアップの方向付けの一つとしている日本サッカーに、生かすことが出来ないのか!!!彼の言葉を大事にしたい。11・18

「中さんのメモ帳」NO12

100周年記念に向けて           2012・11・1

今回は湘南サッカー創部100年をどのように迎えるかを考えて行きたい。

最初に選手権大会ベスト16の試合結果は既に報じられているが・向上2−0湘南・延長戦後半に2点取られて涙を飲んだ・試合内容は既に報告されているが、私の感想では決してサッカーの内容は間違ってはいなかったが、相手のスタミナとパワーに負けた。3年生は胸を張って引退して欲しいと思う・・何十回とこの様な経験をしてきたが決して恥じる事はない。只次の2年生以下には今程度の体力とスタミナでは神奈川を制することは出来ないと言いたい。そして明日から又次のチーム作りが始まる・高校生のサッカーは本当に楽しい。私も100周年に向けて次の出発をしたいと思っている。標記の選手権大会プログラムの中に掲載された「湘南高校」の1ページにあるように、輝かしい創部90年の歴史は、48回・関佳史君による報告書を参考にしてOB諸氏・関係者各位で考えていただきたいと思っている。(今回はその中の一部を抜粋した)

                                           

湘南サッカー部 90年の指導と人づくり        2012年5月

48回・東大〜TVK・ 関 佳史

旧制・湘南中学において、1923年(大正12年)ゴールがたった。サッカー部の創部は開校と同時ということになっており、旧制中学では1948年(昭和23年)の27年間、新制高校になってから63年間、活動した。よってOB会の正式名称は、両者を包含する意味で「湘南サッカー部OB会」と命名された。

 通算の成績では、選手権6回、最高ベスト4。国体8回、1946年(昭和21年)に優勝、翌々年に準優勝。関東大会は、13回出場、優勝3回。

<1> 指導体制

■はじめに

最初に全国レベルの大会に出場したのは1937年(昭和12年)。直近では、1989年(平成元年)1月の高校選手権に6回目の出場を果たした。52年間にわたって出場した学校は神奈川県にはない。神奈川県の高校選手権出場校の歴史をたどると、ある明確な事実が浮かび上がる。

湘南が国体優勝したあと1947年(昭和22年)から昭和20年代は小田原中、小田原高が3回出場。当時は本大会16チーム出場だったが、昭和20年代で選手権に出場したのは小田原のみだった。昭和30年〜43年は、湘南、小田原、栄光、鎌学が2回ずつ、横浜商業が1回で戦国時代の様相であった。1968年(昭和43年)から篠原正二が教える相模工大付属の全盛時代を迎え、12年間で6回出場。これと入れ替わるように伊藤清春が教える旭が1979年(昭和54年)から12年間で5回出場。1990年(平成2年)からは李国秀(のちのベルディ監督)と山本富士夫(元Jリーガー)が率いた桐蔭学園が全盛時代を迎え、その後8回出場。競うように1994年(平成6年)からは佐熊裕和が教える桐光学園が頭角を顕し17年間で6回出場した。

神奈川の高校選手権の歴史をたどると明白な事実がみえてきた。突出した指導者がいるチーム、学校が注力して突出した指導者を任用したチームは強くなる。生徒が集まってくる。あるいは生徒を集める。こうした構図が出来上がるとチームの成績はしばらくの間はよくなる。しかし、指導者がやめる、あるいは学校の方針が変わると勝てなくなる。全国の傾向はわからないが、神奈川では、昭和40年代以降、明確に表れている。

それでは、我が湘南サッカー部はどのように指導体制を整えてきたのだろうか。いうまでもなくスポーツ学校ではないので、文武両道の旗印のもとに、十分な受験教育とスポーツを両立させ、52年間にわたって神奈川県代表となることは簡単なことではなかったはずだ。

(1) OBが監督の時代(1920年〜1954年)

創部から1954年に宮原孝雄が赴任するまでは、33年間、教員は部長、OBが指導という体制であった。1924年(大正13年)3月に着任した金持嘉一教頭、佐藤尚勝、後藤基胤がサッカー部の部長であった。

(2) 東京教育大学、筑波大出身教員の時代 (1954年〜1997年)

 1954年(昭和29年)、宮原孝雄が赴任する。東京教育大学サッカー部の卒業という経歴。1956年(昭和31年)に関東大会に出場、1960年(昭和35年)にも関東大会に出場し、決勝まで進むが、市立浦和に敗れて準優勝となった。1961年(昭和36年)宮原は東京オリンピックのため教育委員会に異動。かわって鈴木中が赴任した。鈴木も東京教育大学サッカー部の主将。赴任し早々に、国体、選手権に出場する。1965年(昭和40年)には関東大会優勝、選手権にも出場。その後、3年連続して関東大会に出場した。1970年(昭和45年)からは国体が選抜となり、この年から3年間、監督を務め、神奈川県協会の技術委員長にも就任する。以後28年間監督を務めた。

鈴木の指導方法は明快であった。基礎技術を身につけさせ、ボールを止める、蹴るを教える。並行して体力を強化する。水準までいかなければ試合はさせない。ドリブルやリフティングは多少はやったが重要視されなかった。その内、動いているボールを蹴る練習も入る。できるようになる頃、2対1、3対2、4対2で攻撃での崩しの動き、ワンサイド・カットとカバーリングを覚える。センターリング・シュートではボールをもらう前の動きを入れて、バックとすれ違う方法をパターン練習した。ポスト・プレーのパターン練習も多く行った。足技ができなくても、止めて蹴る判断、ボールへの寄りの早さ、体の中心で当たることなど、うまい選手でなくてもできることが多い。守備のチームプレイ、連携を覚えれば下手でもそこそこの試合ができた。練習試合の数は、現在ほど多くはなかったように記憶している。

(3) 通常人事の時代  (1997年〜現在)

 この後、県立高校が変質していく。文武両道を標榜する湘南高校も例外ではなかった。ピーク時点(1970年代)で70名以上いた東京大学入学者数が斬減する。1980年で約50名、1990年頃で約30名、2000年では12名まで減っている。教員人事でも他校と同じ扱いになり、10年で異動する原則が適用され、学校の特徴がなくなっていく。2007年に赴任した川井陽一校長の頑張りで2012年は21名まで持ち直した。

尚鈴木中先生が湘南を出た後、藤塚久雄先生(10年)、清水好郎先生(10年)、そして小林周太郎先生(5年)で現在に至っている。

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 さてこれからは私の考えであるが 「湘南サッカー部は不滅である 」と言うことを信じて次の世代に移り行く訳だが、「人を育てると言う」ことに対して私にはお任せしますと言うことしか出来ない。しかし人間万事塞翁が馬・なるようにしかならない・・でも湘南生の誇りと一層の努力をもってすれば「湘南サッカー部は永遠に不滅」であろう。只私も後10年が寿命だと思うが、生きている間湘南サッカー部の成長を楽しみに、グランドに足を運び元気を貰って何かテーマを持って 「米寿 」に向かいたいと思っている。

 前回記載した「ワールドカップブラジル大会・観戦」と100周年に向けて「人工芝のグランドを」実現に向けてそろそろ動きたいと思っている。人間思わなければ実現できない、思っていれば必ず実現すると言う人生観で生きて来たので、次の目標はこの二つの問題に取り組みたいと思う。ノー天気で良いわねと何処からか声が聞こえてくるような気がする今日この頃である。

 さて10月号で紹介した「中さんの絵本」が出来上がり発刊の運びとなった。私の77年の人生、50年の湘南の生活とサッカー人生、自画自賛になるが結構楽しい物が出来あがった。是非沢山の方に読んでいただき、ご批判のお声を聞きたいと思う。次は何をしようか「米寿」を目標にゆっくり考えたいと思っているので、期待しないで待っていて下さい。(目下思案中です)

尚11月10日(土)に「喜寿の祝い」と「46回生還暦の祝い」「絵本の発刊記念」のパーティーを計画している。この本に原稿を寄稿頂いたOBの方には、お渡しして御礼を申しあげる予定だが、欠席の方にはこの紙面をお借りして「御礼」を申し上げ、本は御自宅あてに「謹呈」として送らせて戴くのでお許し願いたい。

 ここでこの「メモ帳」もマンネリ化してきたので「アジソナルタイム」に「三村恪一氏」のちょっぴりスパイスの効いた一文をお願いしたいと思っている。氏はディフェンスを語らせれば日本一のプロの指導者である。これまでと一味違う「メモ帳」を期待して欲しい。

「アジソナルタイム(ロスタイム)・三村恪一氏」

 ザッケローニJAPANがフランス代表との親善強化ゲームに1−0で勝利した事を朝日新聞はトップ記事として報じた。驚きと複雑な思いで読んだ。日本におけるサッカー文化も果たしてここまで定着してきたのかどうか。しかし引き続いて行われた対ブラジル代表戦での惨敗ぶりに対する評価の声は聞こえて来なかった。久し振りに日本を訪れた元日本代表ハンス・オフトは「現在の日本サッカーは停滞している。その理由はサッカーの原則が守られていない」と遺言の如く残して去った。長いサッカーの歴史の知恵が語った外国の目を、更なるサッカーの進展の為には見逃してはならない。 

「中さんのメモ帳」 NO11

  「2014/W杯・ブラジル大会」           2012・10・1

 いよいよワールドカップ・ブラジル大会が近づいてきた。イランとの最終予選は1−0の勝利で本大会出場の可能性が高まってきたので、冥土への土産にこの大会へ「中さんのW杯観戦ツアー」を計画する予定である。大丈夫ですかと心配するOBが多いけれど、「よしやりましょう、かばん持ちで行きます」と言ってくれる気骨のあるのが出てこないのは、少し寂しい。まずブラジルは無理だよと思ったら出来ない・とカラ元気で計画を立てようと思っている。どの位この指に止まるか試してみよう。次の文は表題のブラジル移民100年を記念して書いたOBの細川君の一文である。(今月発刊予定「中さんの絵本」への寄贈文である)

                                        

「中先生の水彩画を見ながら」(48回 細川周平・芸大〜国際日本文化研究センター教授)

 3年前、ある賞をもらったのを記念して中先生の水彩画を一枚いただいた。茅ヶ崎漁港から江の島を望む図で、八年前から暮らしている京都のマンションの玄関に掲げている。艫をつながれた二艘の漁船が妙に「昭和」を感じさせる。4、5年前、OBの集まりで風景画を描いているのを知って以来、何か欲しかった。数作、候補を上げてくださったなかから、小さい頃から見慣れた江の島を描いた作を所望した。藤沢の実家をよく訪ねるので湘南地方の空気から隔絶したわけではないが、馴染の風景を見るのは心休まる。だがそれよりも、よく知った人の眼と筆を通して描かれた絵であることが大切だ。

昭和45年(1970年)入学の代なので、中先生40歳前後に教えを受けたことになる。その濃厚なメニューは、前提となる体力も気力も技術もない高校生には大変きつかった。絵を見ていると思い出すことがたくさんある。茅ヶ崎漁港まで行ったことはないが、辻堂海岸まで走った(走らされた)ことはある。鵠沼海岸へ同級生のサッカー部員、中嶋修君と行ったことがある。3年の体育祭の前日夕方、クラスのボードの下絵から本体までをほぼ一人で描いた彼は、海を見ようとぼくを誘ったのだ。そこで二人は放心し涙した。ああ青春!

仮に有名な画家が湘南海岸を描いていたとしても、芸術性に感心するだけだろう。中先生の絵はそうではない。描いた人の顔も声も歌もじかに聞こえてくるようだし、背にした敵をまいて一瞬のうちに前に出る動作や、走り込む味方にそっとつなぐ柔らかいラストパスが見えてくる。サッカー部員が部室で先生の口調を真似していたことも思い出す。口真似でなく、あの動作の真似をできたなら、ぼくらはもっと強くなっていたのに。平和な風景画は、そんなこんなを語ってくれる。

 「補足」 文中にある賞・(第60回読売文学賞)・「遠くにありてつくるもの」(ブラジル移民100年)の記念作品はかなりの大作で年寄りが読むのに苦労した記憶があるが、心に残る一文に「現地の日本人が(うどん)は食べる物であるけれど、故郷の味であり、郷愁であり、日本そのものである」と書かれてあった。私の実弟がブラジルへ移民して半世紀、既に鬼籍に入ってしまったが、日本を思う気持ちは我々には計り知れない物があると何時も感じていた。そこで弟の墓参りもかねてブラジル大会へ行きたいと思っている。(中)

                                         

 さて、ザックJAPANは本大会を期待できるだろうか?只最近のJリーグを見ていて感じることだが、全体にレベルアップしたと思っている。即ち止める、蹴るのレベルから、攻める守るの凌ぎ合いに見ごたえある場面が増えてきたので、サッカーの楽しさを見せる事が出来る内容のあるプロらしい場面が多くなったと感じている。そして諸外国、特にヨーロッパのプロリーグにスカウトされるケースが増えてきたので、日本代表のレベルも上がったと見てよいだろう。

只私が心配しているのは、基礎体力があり、体格ががっちりしている外国の選手の中で、日本選手は少し貧弱な印象がある。即ちプロの世界は基本的に強靭な体力がなければ通用しない世界だと思う。他のスポーツでも同様だろう、ましてサッカーのような接触プレーの多い競技ではなおさらだ。若くして海外で活躍するのは良い事だが、短時間で使い捨てられる心配がある。(余計な心配でなければ良いが?)

ここで9月22日の湘南高校現役の選手権大会2次予選の報告であるが、関君のレポートで試合内容は報告されているが、1回戦は瀬谷西高に1−0で勝つ事が出来た。

この試合多数の父母の方、湘南関係の方の応援があり、特に前校長の川井先生、現副校長の加藤先生、前湘友会会長の天野先輩、他OBは40回・山田、41回・相羽、42回・和田、48回・関君他、若手OB多数の応援があり、この紙面をお借りして御礼申し上げたい。そして次の試合、ベスト16の対向上高校戦は10月21日に日大藤沢の(日本大学生物資源科学部グランド)で行われるので、その試合も多くの方の応援をお願いしたい。

さてここでもう少し今年最後のこの大会を振り返って見ると、神奈川県内の様子はやはりトップは全国制覇の、桐蔭、三浦、そしてプリンスリーグの桐光が上位3校だが、それに続く公立校の活躍が素晴らしかった。ベスト16に残った、川和、藤沢清流、座間、弥栄、厚木北、県横須賀、旭、湘南、の活躍は目を見張る物があった。高く評価できるだろう。

又此処で私事で恐縮だが別添のような「中さんの絵本」をOBの方の協力で、発刊することが出来たので紹介したい。自画自賛であるが結構楽しいサッカーの本が出来あがり感謝している。そこで幅広く(多くの関係者)に購入して頂き黒字になったら現役のボール代にしたいと思っているので、宜しくご協力をお願いしたい。

喜びの寿を記念して

昭和36年(1961)鈴木中は神奈川県立湘南高校体育教諭として赴任。
同時にサッカー部指導者としてグラウンドに立つ。いきなり県予選で優勝し国体へ出場したのを皮切りに、以後の多岐にわたる実績については本編をご参照。
平成元年(1989)、昭和天皇崩御直後の正月の全国大会に23年ぶりに出場を果たしたのだが、それを節目とするかのように湘南高校を退いた。

昭和10年(1935)生まれである。したがって平成24年(2012)で77歳を迎える。喜の字を草書体で書くと「七十七」に見えるところからこの歳は喜寿とされる、大病を契機として鈴木中は素人画師となった。海辺を、寺社を、都市を、季節を精力的に描きはじめた。
かたわら、湘南サッカー・ホームページに文章を寄稿する。
こちらはもっぱらサッカー論である。画と文は本人もおどろくほど降り積もった。

どうですか、「喜びの寿」の記念に一冊にまとめてみては。はんぶん軽口、はんぶん本気で教え子がそそのかした。ばかいえ、そんなもん、と言い捨てたのだがいつのまにか実現の運びとなった。

そこに至る心境については次ページ「私の湘南高校半世紀」にゆずるが、いざとなったらまことに真剣な本づくりを推し進めた。そして、計画どおり「喜びの寿」に間に合ってかたちとなったわけである。
趣向を凝らした編集とは程遠いが、やはりここにはひとりの人間の歳月が確実に籠っている。サッカーという生き方が匂っている。

「中さんの絵本」編集部(湘南サッカー部OB)
*表紙の絵は、鈴木中画伯作品「湘南高校」

「中さんの絵本」   購入申込書   

100ページ オールカラー 2500円 

氏 名    回生・他(               )
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尚「喜寿の会・11月10日」出席者は当日お渡しします。
それ以外の方はこの申込書にてご購入下さい。

(本は10月中旬発行予定)
     刊行次第(10月末)には、郵送させていただきます。
     横浜銀行茅ヶ崎支店  普通 631-2130580
                湘南サッカー後援会     
<中さんの絵本>編集部(湘南サッカー部OB)

「中さんのメモ帳」 NO10

(茨城県波崎での夏合宿8月5〜8日・風車の下の砂浜でのランニング風景)

「2012・夏休み情報」                2012・9・1

 暑い真夏の報告はまずロンドンオリンピックからにしよう。なんと言っても「なでしこ」の活躍が素晴らしかった。アメリカに勝って金メダルと行きたかったがそうは問屋は卸してくれなかった。男子も韓国に勝ってと行きたかったが、韓国の勝負へのこだわりは日本のはるか上を行っていた。「兵役の免除」という人参は、戦後育ちの日本人には解らないかもしれないが、それはすごいご褒美なのだ。この日本チームは何回韓国に負けたのだろうか?サッカーと言うスポーツは攻める事よりどう守るかが大事な事だ。連日夜中のテレビ観戦は年寄りには堪えた。負け試合を観るとなおさら疲れる。

 ここで現役の夏合宿の報告をしたい。7月24,5,6,7日は1,2年生、だけでの菅平の試合合宿に参加した。50数名A,B,C,D、の4チームがそれぞれ1日、2試合、計8試合を経験してきた。
「菅平ハイスクール・カップ」に参加して、それぞれのレベルで内容のあるゲームを経験してかなり実りある4日間だった。彼らには思い出に残る楽しい合宿だったと思う。各チームの反省レポートを見ると頭ではかなりサッカーを理解しているようだが、まだまだ技術的には未熟だということも認識している様である。

そして3年生も参加した茨城県波崎での全体合宿は、全てを鍛える苦しい厳しい練習を経験し砂浜のランニング(写真)などで少し逞しくなって来た。暑さの中での練習試合もあり、対筑波大付属、1対2湘南、フィジカルトレーニング(外部指導者委託)、そして宿舎まで毎日のランニング4.1Kmは生徒にはかなりハードだったかもしれないが、4日間はアッと言う間に終わった。トップチームも少し精神的に成長したと感じられた。

尚OBは40回山田、41回相羽、伊通、48回関君が激励に訪れ、コーチは82回篠塚、85回大川、土谷君が小林先生のサポート、GK指導、佐々木君(厚木北高OB外部委託)、学校側から曽根先生が付き添われた。それにしても90数名の大所帯の合宿の指導体制はまだまだ指導者不足だと強く感じた。(あと数名若手OBの協力が欲しかった)

その他練習ゲームは「湘南フェスティバル」で東京の暁星高校に2−0で敗れ、私の母校都立豊多摩高校とは1-2の勝利、対清流、対藤沢西、対座間との試合をして、中旬は年上の大人のチームに胸を借り 「日本大学B 」2−0負け「慶応大学BC」0−0分け 「神奈川大学B 」0−1勝ち・ 「神奈川教員 」に0ー0「東京大学B」1-3勝ちと練習試合をして、2勝1敗2分の結果は立派だったと褒めてやりたい。

今や大学のグランドはどこも 「人工芝 」になり、それなりに利用頻度があり技術も習得しやすくなっているのが現状であるが、高校のグランドも私学のサッカーどころが 「人工芝 」になってきている。全国の公立校でも何校かが芝生のグランドを持つようになってきているのを見るにつけ湘南でも不可能な話ではないと思っている。100周年を記念にそんな夢を実現できないものか・・如何すれば良いのか? ゆっくり考えるとしよう。

現役の選手は9月の選手権2次予選に向けて順調に仕上がっているようだ。それにしても「準〃決勝」(3回戦)で当たる 「三浦学苑高校 」がインターハイで全国の優勝校になるとは誰も想像していなかったが、夏の 「全国総体 」が今や高校のサッカー界では2流の大会になってしまった様に感じる事をどう分析するか・・大きな課題であると思う。サッカーどころの高校が総体よりプリンスリーグや冬の選手権を目標にしている現状を見るにつけ、これまでの高体連の大会の歴史の変動を強く感じる今日この頃である。

又プリンスリーグや高円宮杯と共存しながら高校サッカーを発展させる為にはどうすれば良いのかこれからの大きな課題だと思うが、かねてから強く感じている事の一つに選手権大会48チームの参加を、暮れに予選リーグを行い、正月に16チームの決勝トーナメントにする大会形式を是非取り入れて欲しいと思っている。今や世界のスポーツへ仲間入りする為には、それ位の改革をしなければ高校の大会のレベルは上がらないと思う。

「中さんのメモ帳」 NO9

「1969年アジアユースサッカー大会メンバーの集い」      2012・8・1

43年前の高校生が昨年 「還暦 」を迎えた。そして鬼籍に入られた監督の平木隆三・コーチの八重樫茂夫氏そして3人の選手(千葉・平田・市川)君を偲び、2012・2月に東京で集まりを持つ事が出来た。当時私は34歳の若さで高等学校側の立場で総務兼主務雑用を全て任されていた。思い起こせば「正月大会」での選手選抜、「藤枝」での選考会、 「検見川 」での長期合宿、そして「バンコク」での本大会は年齢が2歳も年上の優勝したビルマの選手と公式の戦い「マレーシア」での親善試合、バンコク日本人会のレセプションなどなど話は尽きず、又会いましょうと言う事で再会を約束した。ユース大会後の彼らは、日立、古河、鋼管、三菱、東洋、八幡、富士通・フジタの日本リーグで活躍し現在のJリーグの基礎作りに貢献した功績は高く評価されるだろう。

日本ではこの頃(40年前)は選手のカテゴリーが現在のような年齢で区分できず学校単位の、小、中、高、大、社会人、で分けていた。そのためアジアのユース大会(19歳以下)は全国高校の選抜選手で臨んだ。それ故、この大会は高体連が主体でJFAにお願いして指導者に来て貰う形をとった。今は亡き平木、八重樫、そして総監督の長沼(ケンさん)とクラマー直伝のサッカーの指導法を検見川の合宿所で毎晩のように語り合ったのが思い起こされる。

                                     

中さん:カリスマ先生の足練口管?  48回 鈴木啓介(東大〜東工大教授)

 “湘南に行くと全日本ユース代表監督にコーチしてもらえる”。

 中学からの憧れを胸に、入学前の春休みから練習に参加しました。オールバック、日に焼けた赤銅色のお顔、ギョロッとした目に魅入られるような感じ。あの頃、おいくつだったのでしょう?ブルーのトランクス、ルックアップして周囲を見ながら、柔らかいトラップで反転して前を向き、左足のインフロントに軽く乗せるだけでスーっと糸を引くようなセンタリング、まだまだ掛け値なしに現役でした。

 このカリスマ性に加え、“この学年は全国制覇も夢ではない”(後に毎年恒例だったと判明した名セリフ)をはじめ、ガキどもがイチコロにされたのは、その手練手管ならぬ“足練口管”(読み方不明)でした。                         

今年の 「ユーロ2012 」が終了して一ケ月になるが最終結果はスペインの優勝で幕を閉じた。非常に面白い試合ばかりだったが。それぞれのお国柄が見られ、歴史を感じる素晴らしいゲームばかりだったが、やはりスペインのショートパスの正確さ、速さ、スルーパスのタイミング、シュートの正確さなどが群を抜いていて世界一に輝いた。本当にサッカーは楽しい。又生徒達と次のスペイン遠征に行きたいと思った

そしていよいよ 「ロンドン オ リ ン ヒ ゚ ッ ク 」が開幕した。予選リーグで日本は最初にスペインに当たり1−0で勝ち点3をとり、よいスタートをきった。半世紀前の日本サッカーを考えると、今日の状況は信じられない事ばかりだ。確かに技術戦術など進歩した事は覗えるが、サッカーの原理原則は変っていない筈だ。スペインに勝ったからといって日本が世界一などだと勘違いしてはいけない。只モロッコも下しブロックを抜け出たのは凄い事だ。

さて今年の現役だが、総体県予選で桐蔭に敗れた試合は80分間技術的には対等以上に戦いながら、延長戦で集中力が切れ、体力の持続が出来ず2点取られて敗退したが、その辺が改善されれば頂点を狙えるチームになるだろうと思っている。湘南は3年生が夏を過ぎないと本物にならないと以前から感じていたが、今年のチームもこれからを期待したいと思っている。

夏休みの報告は次回に回す事にして7月に行われた試合、対拍陽0−5湘南、鎌倉0−1湘南、朝鮮0−3湘南、の感想であるが、県内のBクラスの学校には実力からまず負けないと思う。しかしトップクラスの優勝を狙うチーム(桐蔭、桐光、三浦、等)に勝ちきる為には課題が幾つか考えられる。高校生の勝負を決めるキーは、1、技術、戦術であるが

それに加えて2、体力と精神力、3勝負強さ、が挙げられるだろう。

 私は高校生の ノ ッ ク ア ウ トゲームの最後は基本技術で、自分達のパターンを持っているチームが勝つと思っている。それはワンツーパスであり、正確なトラップであり、正確なキックである。無理な体勢で蹴る事、止める事が出来る選手が何人いるかで勝負は決まってしまう。この夏レギュラー選手の何人かが(技術・体力)で少しでも進歩をすればチーム力はグーンと上がると思う。夏の合宿(波崎・茨城県)に参加して叱咤、激励するつもりだ。

「中さんのメモ帳」  NO8  

「相川亮一氏を偲ぶ」                 2012・7・1

 の追悼文集は昨年亡くなった相川亮一氏を偲んで発刊された物である。この中に細かく彼の功績が書かれているが、私にとって湘南高校の教え子以外では特別心に残る指導者の一人である。神奈川県サッカーの今日の実績があるのは彼のお陰だと言っても過言ではない。特に県の技術委員会が力を入れてきた「国体少年の部」で育てた多くのJリーガーとその後の指導者の事は彼の実績だと言える。神奈川で育った多くの有名な選手達は皆相川門下生である。その他高等学校の指導者数十名が皆国体神奈川県選抜の選手だったことを考えると、相川君の残した物が如何に大きかったかが良くわかる。そしてクラマー門下生の中でも異色のサッカー人であり優等生だった事は私の眼が本物であったと自画自賛している。

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「中さんの喜寿にあたって」   八木 啓太・(52回・慶応大学〜サッポロビール)

1968年メキシコ銅メダルで火がつき、小・中学校で仲間たちと楽しく自由奔放にやっていたサッカー。湘南に入って中先生と出会い、技術戦術の指導というものを初めて受けた。指導は受けたが鋳型にはめられることは無かった。中先生は正しい技術・サッカーの常識を重んじ、それを指導の要としながらも、サッカーを豊かなものにする柔軟性、理論では説明できない瞬間的な閃きも大事にした。もっと言うと両方を求めた。硬軟併せ持ち、手堅く規律ある教育者でありながら、新しい考え、方法論を前向きに取り入れた。

その幅の広さ、懐の深さが湘南サッカーの伝統を築き、神奈川をサッカー先進県にのし上げたのだとあらためて思う。その功績の一端は、私もその恩恵に浴したのだが、当時異色の存在であった故・相川FIFA公認コーチの県協会への抜擢にも現れていた。鈴木中と相川亮一というまったく異なる二人の偉大な師から短期間であったがその薫陶を受けたことは、今なお続く私のサッカー人生の中で大きな意味を持つ。・・・

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 昭和44年までは国民体育大会の高校の部は各県1校で単独校の参加であったが、45年から「国体少年の部」として各県選抜チームで参加出来るようになった。早速神奈川県は選手の発掘をテーマに私と相川君が中心となり、未だ磨かれていない 「原石 」を探してきて、湘南のグランドでナイターの練習で磨いて世に送り出した。早野(生田高・マリノス)、植木(新城高・フジタ)大友(港北高・教員)小柴(鎌倉高・教員)・等の選手が活躍しその後全国一になり素晴らしい結果を残した。又県協会の技術委員会を支えてくれた委員の、「三村恪一氏」の陰の指導が大きな力となった。尚湘南高校からも数名の国体選手が選ばれている。上の一文を書いてくれた「八木君」も昭和51,52年度の国体選手である。

今回相川君を取り上げたのは、彼の功績の中で特に特筆されるのが「クラマー」直伝のサッカーが彼のサッカーだったので紹介した訳である。戦後の日本サッカーは「クラマー」が最初に直接日本代表チームを教えたのが1961年藤沢の体育 セ ン タ ーであった。その時私が湘南に赴任した年であったので庶務的な仕事でお手伝いした事もあり、私の指導にも大きく影響を受けた指導法であった。全て見本を見せて先頭を走り、選手達を納得させる方法だった。その方法は直接湘南生にも受けいれられ、直ぐに結果が出たのが38回〜45回であった。(38回選手権大会、39・40・秋田国体・岡山国体、41・42関東大会優勝・全国大会出場)等である。

指導内容は1、正確に止める、正確に蹴る、そして相手の逆を取る。2、それらの技術を使い、2対1,3対1、4対2,5対2、のパスプレー。3正しい姿勢でプレーする。ボールを扱う姿勢、ボールを取りに行く姿勢、奪いに行く姿勢、ヘディングの姿勢等。4、足の動き、走る姿勢、足さばき、ステップ、フットワーク。5、クラマー体操に代表される補強運動。などなど半世紀前の古い指導法かもしれないが、現代サッカーにも充分に通用する素晴らしい指導法だったと思っている。

さて現役は 「総体二次予選 」を対日大0−2で勝ち、対桐蔭に2−0で敗れた。詳細は関君の報告書に書かれているので省くが沢山のOB、保護者の応援にこの紙面を借りて御礼を申し上げたい。尚県の代表が桐光学園と三浦学園になった。この結果から今年の夏のスケジュールが決まってくる。選手権の県予選で一次予選は行われず秋の2次予選から出場する事になった。従って7月末菅平合宿、8月上旬波崎合宿と腰を落ち着けて冬の選手権予選に臨める。湘南生は3年の夏を過ぎないと本物にはならない、敗れたが桐蔭と対等以上に戦った実績を活かして、もう一皮向けて9月の二次予選に臨む事を楽しみにしている。

「中さんのメモ帳」 NO7(キングの塔)  

「水彩画を描く喜び 」             2012・6・6

「横浜港に吹く風」  (41回・植松二郎(第8回関東大会優勝FB・早大〜一文抜粋)

中さんの作品がある絵画賞に入選したというのはビッグニュースだった。展示会が横浜港の大桟橋ホールで開かれると聞いて出かけた。港の海の香りがここちよい会場、そのなかに中さんの作品が晴れがましく展示されていた。横浜市内にある県庁(キングの塔)を描いたものである。私は、ほうっと声をあげた。絵の中に陽がさんさんと降りそそぎ、気持のよい風が吹いているのだ。なんとも、ほのぼのしている。知らない人が見たら、この作者はいままで一度も憎まれ口を聞かず、いつも温和で穏やかな人にちがいないと誤解しただろう。そう、知らない人が見たならば。

私はしばらくぼんやり眺めた。高校時代、スタンドからグラウンドに向かって振り下ろされた身震いするような叱咤。あれは地獄の門番のようだった。私たちが優勝した第8回関東大会、帝京高校との決勝戦1対0でリードしたままあと残り数分というときのベンチ前の仁王立ち。あれが見えたとき、おれたちは勝ったぞと確信をしたものだった。そんなことを思い出しながら、横浜港で長い時間、画伯のほのぼのした絵を眺めていた。

私たちの代と中さんとは干支が同じである。ひとまわりちがいだ。30歳の監督は18歳の少年にとってきわめておっかなかったけれども、77歳と65歳だとどちらも同じ爺さんである。

この一文を書いてくれた 「41回生・植松二郎君 」の作品が私は大好きだ。彼は色々の賞を受賞した作家だが、「春陽のべリーロール」と言う作品で(織田作之助賞)を受賞した。ほのぼのとした古典落語を感じさせる風刺の利いた非常に楽しい作品だったと記憶している。水戸で行われた第8回関東大会で見事優勝した時のメンバーだが、サッカーを語らせるより、人生と文学を語らせる方が向いていると思う。未だ若いのでこれからもっと大きな賞!をねらえるのではないかと期待している。 

さて現役はその後関東大会予選をベスト16で破れ終了したが、神奈川県代表がPK戦で敗れた対戦相手の藤沢清流高と三浦学園になり、清流が2-0で優勝した。そして6月10日から次の総体予選の4回戦が始まる。勝ち負けはどうでも良い、只このレベルで勝てなければ情けない。負け惜しみで言うのではないが、今年の大きな目標は冬の選手権大会だ・・トップレベルの桐蔭、桐光を破る力をつけるのはどうすれば良いか?そして夏の総体・冬の選手権に臨みたいと思っている。既に総体の組み合わせが決まっている。日大―湘南、勝てば桐蔭に当たる。チャンス到来と思わなければ勝つ事はできない。楽しみにしている。期待しよう!!

「之を楽しむ者にしかず」    39回(飯田志農夫・東大〜自治省・退)

湘南でサッカーをしたのは、半世紀も昔の遠きことだが、今に至るまで鮮烈な想い出がいくつかある。まずは、赴任されたばかりの鈴木先生のもとでの夏合宿。猛練習はまさに体力、気力の限界への挑戦。この厳しさは、何かをモノにするには不可欠なことと知った。さらに当時の私が苦しんでいた不眠と鬱的気分が治ってしまった。また以後の人生で苦境を乗り越える上で力になる実体験になった。鈴木先生の指導方法は、メリハリの利いた効果的、効率的なもの。先生自らの実技見本と明解な解説付きで、指導は実践的で具体的。リーダーの指導のあり方として、後年自分が仕事をしていく上で基準、見本となった。

最初の夏の終わり、国体の神奈川予選で優勝した時、「楽しかったろう。またやろうぜ」と鈴木先生は言われた。その時、サッカーは厳しいけど楽しい、と実感した。やる気がわいた。先生が長年にわたり絵を描いておられるのを知ったのはずっと後になってからだが、その楽しそうな様子を拝見するたびに、人生「楽しむ」のが一番、という思いを深くする。

「中さんのメモ帳」 NO

「ガンさんの墓参り」           2012・5・1

 歳の所為か絵描きと花見と墓参りが一緒になっている。大庭台慕園の花見と「ガンさん」岩淵先生の墓参り、小和田にある中体連の 「千尋さん 」井上先生の菩提寺。若くして亡くなった、「タメサン」体教の中島先生の海老名の霊園の墓、サッカー部OBで鎌倉の「晴夫君45回」(山口)、御殿場・小山町の「俊邦君・39回」(鈴木)等・・卒業生の菩提寺へ。人間墓参りをすると不思議と心が落ち着く。そして缶ビールを飲みながら良い作品が描ける。

そしてまた色々の事が思い出される。先日も関東大会の予選4回戦対旭高校に3-1で勝利した日に、41回・相羽君と「ガンさん・上の写真」の墓参りをしてきた。奇しくも今年が33回忌だった。40年前、確か52回生が冬の全国大会予選準決勝で旭高校に破れた日、ヤケ酒を朝まで飲んで「ガンさん」のボヤキを聞いたほろ苦い思い出がある。今日はスペイン遠征の土産のワインを美味しく呑む事ができた・・現役の選手に感謝しよう。

「ガンさん 」の思い出話をもう少しつけ加えると、彼は「歴史は繰り返す」が口癖だった。

90年の湘南サッカーの記録をもう一度眺めてみると、戦前戦後を通じて、関東大会17回出場(旧制中学時代8回・新制高校9回)、優勝3回(戦前2回・戦後1回)国体神奈川代表8回(戦前4回・戦後4回)、優勝1回。高校選手権大会神奈川代表6回(戦前3回・戦後3回)と長年に渡って顔を出している記録は素晴らしい事だと思う。この中の戦前の記録は「ガンさん」が指導したものが多かった。今「ガンさん」の年を越え湘南90年の歴史を振り返ると、そろそろ又代表を獲得する時がくるのではないかと思うこの頃である。

五月晴れの日本の気候は素人絵描きでも 「絵心 」が動き出す。最近は近場の寺参りが多くなってきた。お寺の山門は何処も立派だ。門の中に光が注ぎ、外から見たアングルは何処へ行っても美しい。茅ヶ崎市内だけでも大岡越前守の菩提寺(浄見寺)、茅ヶ崎駅近くの(圓蔵寺)、国道沿いの(海前禅寺)、辻堂よりの(上正寺)。皆立派な山門で絵心を刺激される由緒あるお寺ばかりだ。少し足を伸ばして鎌倉の(円覚寺)、長谷の(長谷寺)、そして大雄山線の(最乗寺)山門はまた描きたいと思うお寺さんである。

 さて関東大会予選であるが関君の報告で結果は報告されたが、ベスト16でPK戦で破れた。これまでの5試合を振り返るとチーム力は相手より確かに優れているが、この上のレベルで戦う事を考えると一人ひとりはまだまだだと言える。即ちJユースレベルのチームと今後戦うことを考えるとこれから身につけなければならないことがまだ沢山あると思う。

1、 キックの基本(正確さと丁寧さと速さ)2、体の使い方(相手との接触プレー・ヘディングの競り合い) 3、足の使い方(ステップ・フットワーク・動き・走り方)4、スタミナ(運動量)。こんな事が少し理解し、改善されればもっと強いチームになるだろう。

(第8回関東大会優勝の思い出)    関口真(42回・慶応大学〜住金~鹿島)

思い出としては第8回関東大会において優勝出来た事である。湘南の得意とするパスサッカーに加えて、それぞれの選手の個性を生かしたチームワークの賜物と言える。会場は茨城県の水戸市、1回戦は東京の大泉学園、大雨の中、相手フォワードにGKの目の前でフリーのシュートを許す。万事休すとの瞬間、ゴールライン上の水溜まりでボールがピタッと止まり、抽選勝ち(0−0)。準決勝では栃木宇都宮学園を延長の末破る(1−0)。決勝では帝京高校に左ゴールポスト際のヘディングで早々に点を入れて逃げ切り(1−0)強豪に地団太を踏ませた。ある者は験を担ぎ、必ず水戸駅まで新聞を買いに行き、雨でドロドロのユニフォームを皆で洗い助け合っていたのが印象的である。まさにパス(サイドキック)、攻守の切替、パス&ゴー、ポジショニングとチームワークの湘南のサッカー教えの結果である。湘南サッカー部のご隆盛を遠く大坂より応援している。                 

「補足 」 関口君は私の教え子としては最高の選手(CF)だった。関東大学リーグでの活躍、日本代表候補、そして日本リーグ住友金属〜鹿島へ,現在のJリーグの基礎作りに貢献した功績は素晴らしかった。世が世ならJリーグを背負って立つ人材だった。 

「中さんのメモ帳」NO

 「なでしこに思う」          2012・4・9

 3月は呑む機会が多く、納め会、偲ぶ会、総会、同窓会・・・会と酒を飲む機会が多かった。何時も次の日の朝目が覚めると、反省しきりである。そして酒のせいにして全ての事を忘れようとしている。上の写真はサッカー協会納会の宴席のくじ引きで見事当たった景品である。その時の事はあまり記憶にもなく、後から思い出すと大変結構なユニフォームだと言うことに気が付いた。あくる日の新聞の 「天声人語 」に 「酒は浮かれ過ぎず、沈み過ぎず、美しく飲むべし 」と書かれてあった。(尚このユニフォームは私の通うスポーツクラブの子供達の室内サッカー練習場に飾られてある。)

 さて表題の 「なでしこに思う 」について私の感想を書こう。何故日本の女子サッカーが強いのか?それは一言で言えば、小学校で女の子が男の子に混ざり一緒にボールを蹴っているからだ、と言う単純な理由である。世界に類を見ない「日本は学校でスポーツをやる」特殊な環境こそが女子サッカーがこれからも盛んになるであろう要因だと思う。日本の女子スポーツが強いのは正に明治100年、学校でスポーツが出来る最高の環境があったからと言えるだろう。・・・(沢選手の苦難の時代、少女時代、読売ベレーザの選手時代をよく知っている私は彼女の苦労が実り、今日の女子サッカーの隆盛を喜ぶとともに、一過性でないことを願っている一人である。そしてこれからも今まで以上に神奈川県から多くの女子の日本代表選手が輩出されると期待している)

 4月は桜花咲く私の好きな季節である。学校が新年を迎える。湘南の海、箱根の桜、港横浜の景色、スケッチに出かけてもどのアングルも美しい。写真に撮るのは楽しいが、素人の絵描きにとってはその美しさを画用紙に描き上げるのはむずかしく、中々満足できないなどと言い訳をしながら、毎度美味しい酒を飲みながら描いている。そして湘南サッカー部にも新しいシーズンが到来した。

 さて現役はスペイン遠征から帰って来て直ぐに 「関東大会予選 」が始まった。結果は関君の報告書と、協会HP(高校サッカー)に載っているので、私は感想だけにしたい。時差ぼけも取れない、帰国後3日の試合は厳しいコンデションだと思うが、課題は沢山あるが1,2、回戦の勝利はよくやっていると思う。一番の期待は、2,3年生に湘南生としての自覚が出てきたことを評価したい。遠征前に目標は 「日本一だよ」と、夢のようなことを言ったが、昨年1−0で破れた「桐蔭学園高校」が全国制覇した現実から決して不可能な事ではないと感じてきたかな?と思ったりしている。

(今回も24年前の全国高校選手権大会に出場したOBの一文を紹介したい)

「国立を目指す!」

64回卒 田村直也(慶応大〜電通)

県立の進学校である湘南高校が神奈川県の代表になることでさえ大変なことなのに、さらに全国4強以上を目標とすること。高校入学直後の当時の私にとって、鈴木先生から最初に聞いたこの言葉に少々違和感がありました。

そして、湘南高校サッカー部を卒業して約22年。明確なビジョンとその進むべき道を示してもらったことが、のちにいかに重要であることなのかを思い知ることになり、今思い返すと自分の人生観にまで大きく影響することになった一言です。

小さな目標は、越えやすく、堅実で、苦労も少なく、時に心地よささえある。それでも大きな目標を掲げて、その実現のために出来る限りの努力をし、楽しむことを今後も大切にしていきたいと思っています。

   「中さんのメモ帳」NO

「文武両道」             2012・3・25

「第67回全国高校選手権大会・集合写真」

 

 先日湘南高校を訪れ校長室に足を運んだ。正面に24年前の全国大会出場の写真が飾られてあった。大変スポーツに理解のあった「川井陽一校長先生」が今年で定年退職されると聞いてご挨拶に伺ったのだ。先生は文武両道を前面に打ち出した教育方針でサッカー部へのご理解もあり、OB会を代表して厚く御礼申し上げたい。併せて新しく来られる校長先生にも同様のご理解を戴きたく期待している。私も校長(海老名)を辞めてから17年になるが「学校は部活と学校行事」が活発なことが大切であり、次代を担う湘南生にも更なる活動を願っている。

 世間では東大合格者の数で高校を評価しているようだが、上位校がスポーツの大会で勝負をしてみたら面白かろう。 「サッカーは湘南が優勝候補か? 」尚前回記載した今年の卒業生(87回生)の進学状況であるが、20人中12名が現役で大学受験合格したと報告を受けた。細かい事は又正式に報告できると思うが、(東大2名、名古屋大、東工大・横国立大2名、早稲田・慶応等私大6名)10月の最後まで活動した選手の結果としては、本当に立派だと褒めてやりたい。そして浪人した人も来年は間違いなく合格すると思う。そして学校全体でも東大22名、その他私大を含め素晴らしい結果だったと週刊誌に発表があった。

 さて3月の現役は期末試験の後、練習試合を数試合実施した。対光明相模原1−1引き分け、対サレジオ0−1勝ち、対ベルマーレユース2−5勝ち、対神奈川大学B0−0引き分けのレベルの高い試合を経験してかなりの成果があったと思う。只格下の相手を打ちのめすだけの力はなく、お人好しのゲームが目立った。最後に筑波大付属との交歓定期戦は5−0の完勝で終了した。力の差があってもこの定期戦は今後も大事にして行きたい試合である。

 春休みに入り1,2年生62人がヨーロッパ遠征に出かけた。学校と校長先生の理解の上、引率は顧問教諭2名、OBから4名、(40回山田、41回相羽、85回・土屋・大川、)ドクター1名、旅行業者数名が同行。総勢70名の大所帯、飛行機2台に分乗し3月24日に出発した。事故無いことを祈り、実り多い海外遠征であって欲しいと願っている。

(この秋に私が「喜寿」の記念に冊子を出す為原稿を依頼したものだが、「遠征の思い出」を書いてくれたOBの一文を紹介しよう)

「スペイン遠征の思い出 」

 サッカーを通じて異文化に触れられてよかった。これがスペイン遠征について思うことです。遠征中は私たちが思う”普通”とは違うことが目の前で沢山起こり、当たり前が当たり前でなくなる瞬間を多く体験しました。このように非日常的な体験を日常的にしていたからこそ、言語も国籍も関係なくピッチにたてばいつもと同じように熱く、楽しくできるサッカーの魅力をよりいっそう強く感じました。またサッカーというスポーツを共有していることで異国の異文化の中でも人間の輪を広げることが出来、現地の人たちと不思議とコミュニケーションがとれる感動を味わうことができました。現在、私は将来スポーツに携わりながらワールドワイドに活躍出来るよう日々勉学とサッカーに勤しんでいます。スペイン遠征はこの目標をたて、それに向かって私を動かすエネルギー源の一つになっており、今後も大切にしたい経験です。

なかなかグラウンドに応援にいくことは出来ませんが、湘南高校サッカー部のさらなる飛躍を願っています

85回 (東京大学ア式蹴球部一年 榊原和洋)

中さんのメモ帳」

(サザンビ−チ)

   2012・3・4

「スケッチと現役情報(卒業生)・他 」  

冬の湘南の海は何となくうら寂しいが、暖かい日のスケッチが私は大好きだ。

空気が美味しい。深呼吸をしながら陽だまりでボーと海を眺めていると長生きできそうな気がする。はるかに見える江ノ島の姿を見ているとこの「半世紀」の湘南との付き合いが次から次へと思い浮かんでくる。

多くの卒業生達、みんな素晴らしい生徒ばかりだった。私がこのように長生きしているのも、みんな彼らのお陰かもしれない。しかし多くの若者達が私より先に逝ってしまった。湘南の海を眺めていると亡くなった一人ひとりの顔が浮かんでくる。湘南の海は私の人生の全てを包んでくれているような気がする。

 さて湘南高校サッカー部はこの春「20名の卒業生」が巣立ってゆく(87回生)になる。下記メンバーが最後の10月の高校選手権大会予選まで全員活動したと聞いている。卒業生との送別試合を3月3日に行った。全員の顔と名前が一致しないが「本当に良くやった、ご苦労さん」と言って送り出したい。

私の 「メモ帳 」にある合宿の事、波崎、菅平・時の住処・八千代高校・あの練習試合・そして桐蔭との夏の大会に1−0で敗れた試合の事、最後の冬の選手権大会で、向上高2−0で敗れた試合、がメモされてあった。送別の辞に 「デットマルクラマーさん 」の言葉を送った。「サッカーは子供を大人にする、大人を紳士にする」大学へ合格した人駄目だった人、決して後悔はしないと身勝手に私は思っている。これからの人生実りある活躍をお祈りしたい、頑張って下さい。

(23年度卒業生・20名)(87回生)
岩村、林、工藤、濱田、角谷、笹谷、池田、安田、藤田、飯田、倉田、栗原、塚本、人見、野崎、内田、中戸川、嶋、( マ ネ ー シ ゙ ャ ー)、榊原、渋谷

さて最近TVで本場のプレミヤ・リーグが放映されているが、「ルーニー」を応援するのも良いが、日本のサッカーと大きく違う点は何処なのか見て欲しいと思う。1、競り合いの中でのプレー、あたりの激しさ、厳しさ、体の使い方特にパスの正確さ、ボールの質の高さ、スピード等・・うーん・素晴らしい・と感心する事が多い。本当に楽しい。2、歴史を感じる競技場(マンUのオールドトラフォード)の雰囲気、サポーターの応援態度等、3、プロフェッショナルと言うこと。まだまだあると思うが、現役諸君はこの3点が判るようになって欲しいと思っている。今年も春休みに1,2年生はスペイン遠征に出かける。前半はロンドンでプレミヤ、後半がビルバオでリーガ、の観戦もできる盛り沢山の計画のようだ。実り多い遠征を期待したい。(3月24日〜4月5日)

「中さんの・メモ帳 」

「スケッチと現役情報・他 」    2012 ・2 ・12  鈴木 中

 「湘南の海」冬の寒い時期はスケッチに出かけるのも中々難しいが、何とか週に一度くらいは、暖かい日を見つけて外に出るようにしている。やはり描きなれた茅ヶ崎の海が気持ちがよい。見慣れた「烏帽子岩」も漁船とヨットの組み合わせが面白い、楽しいスケッチだ。今は昔の話になるが「湘南」と言えばサッカーの世界では(湘南高校)の事だと思っていたが、最近は、(湘南ベルマーレ)(湘南工科)(湘南学園)(湘南学院)・・ETCと湘南がつくチームは沢山ある。地方に遠征に行くともはや「湘南」と言うのはベルマーレを指しているのが現実のようだ。(湘南高校は平塚にあるのですか?と良く聞かれる)

さて現役はその後対逗子高3−3、対平塚江南2−5、対山手学院0−4

対座間0−0、対三浦0−3、対神奈川教員4−0(完敗)(関東社会人1部).暫らく テ ス ト休みになる。戦力は怪我人が多く1軍半(補欠選手)が力不足「2年・小池・原沢・井上・石川(GK)・1年・安部・吉川・青木・後藤・平林・阿佐伊」試合結果から解るように失点が多すぎる。色々あるが守備が全く「ざる」である。現在合格点は「2年・橋本・木村・幸福・中沢・野際・大村(GK)・1年・工藤」?は「2年・大内・長・鍋島(怪我)・1年山崎」である。この?の選手がどう伸びるかが、これからの課題であろう。尚今後の予定ではプロの予備軍や大学生と対戦することが多くなる。この辺の相手との戦いが今後を占うのに大事な一戦になる。
試合の詳細は関君(48回)seki6644@yahoo.co.jpのメールで・・

 さて今回は日本1−2シリア戦( オ リ ン ヒ ゚ ッ ク予選)の敗戦を観て、気づいたことを少し書いてみたい。元日本代表・監督・ハンスオフトがTVでも語っていたが、「現在の日本サッカーは停滞している。その理由はサッカーの原則が守られていない」“何故将来を期待されている若い能力ある選手が、未熟すぎるうちにヨーロッパに行くのだろうか?そしてオリンピック予選でシリアに完敗した。

先日 「三村恪一氏・元日本代表 」とこの事で話し合った。二人が共通して言えることは烈しい競り合いの中でボールをコントロールできるか?パスが出来るか?いずれもノーであった。二つの失点がゴール前のグランドの悪さ等ではない。明らかに相手10番のマークの方法、国際ゲームの厳しい戦い方、試合に臨む選手、監督、の気持ちの問題等々、負けるべきしての敗戦としか思えない。

と言う二人の感想であった。今や「なでしこ」の勝利や「代表」の戦い方を見て、日本が世界のトップレベルだと勘違いをしているととんでもない事になる。高校生年代の選手に何が一番大事なことか?もっと真剣に取り組むべきだろう。

「中さんのメモ帳」

現役情報        2012・1・22 鈴木 中 

昨年の暮れ「中メール」をしばらく止めると言うことを発表したら、沢山の方から止めないでくれと言う反響をいただいた。お世辞と激励の言葉だと素直に受け止めて、新年から何を書こうかと迷っていたが、取り敢えず「現役情報」を中心に「中さんのメモ帳」を不定期ではあるが書こうかと思っている。現役はしばらく公式戦がないので、この1月はじっくりと腰を落ち着けて毎日の練習と休日は練習試合を消化してきた。幸い少し力がついてきたと言う評判で、強いチームからゲームの申し込みを受けて、毎週土日はグランドに足を運ぶのが楽しみになって来た。(下記のKS,K1のチーム・県外チームとの試合が多い)

神奈川県の高校サッカーの現状を古いOBは知らないと思うので少し触れておこう。学校体育として高体連が主催する大会は「夏の高校総体・冬の選手権大会・関東大会・新人大会」がある。サッカー協会と共催の大会が「高円宮杯U―18サッカーリーグ」である。ここのトップは関東リーグで高校は 「桐光・桐蔭 」県内リーグは「KS〜8, K1、A,B〜16、K2、ABCD〜32, K3、(A〜Q〜約150)」でそれぞれがリーグ戦を行っている。湘南はリーグ戦をBチームで戦いトップチームは高体連の大会を戦っている(細かい事は県協会のHP参照)

さて暮れの冬休みから1月の練習試合であるが結果だけ報告しよう。対駒沢(東京)0-4、対山崎(東京)1-2、対正智深谷(埼玉)1-2、対北陵0-1、対武相0-3、対日大日吉0-1、対松陽0-3、対日大藤沢0-0、対淵野辺1-2、対相洋中止。と負けていない事は高く評価できる。戦い方はシステムとしては4・4・2で正確なショートパスからスルーパスを狙い、崩してゆく現代流(昔から変っていない)サッカーだが、イマイチ技術の未熟さ、体のバランス不足、90分走りきる体力、シュート力不足が目立つが、見ていて楽しみなチームである。

今年の冬の選手権大会の決勝は市立船橋2-1四日市中央の試合が4万人を越える大観衆の前で、大変面白い結果で終了した。常連校と言われて来た、帝京、国見、鹿児島実業、藤枝東、韮崎、等の名前が聞かれなくなったが、そのような学校より上記U−18で戦う新興の学校が出てきたので日本国内の高校生のサッカー分布が変って来たといえる。上記決勝に残った2校のほか、青森山田、中京大中京、桐生第一、静岡学園、清水商、尚志、等の名前が出てくるのは、やはり高円宮杯で鍛えられた学校がこれからも活躍するであろう。しかしそういう情況で、湘南高校が対等に戦い 「サッカーの醍醐味・奥の深さ 」を是非見せて欲しいと願いながら、寒い湘南のグランドでサッカーを観て楽しんでいる。